元底辺エンジニアが語る、エンジニアとしての生き様、そしてこれからの生き方

生き様082. 大事な事は大体ゲームから教わった~その捌:ボードゲームにおける場の支配~

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今年は花粉症がキツイ!

先日、花粉症で10年以上ぶりに病院に行きました。
流石に土曜日の午前中は、人が爆発してました。

ネットで受付も出来るようになっていたらしいです。
事前にそれを知っていれば、病院内で3時間以上待ちぼうけをすることもなかったな、と。
コロナ禍が色々とIoT化を後押ししているのを感じます。

毎年、症状は軽い方なんですが、今年は目にキています。
鼻は結構我慢できるんですが、目はダメですね。
ですが、薬の効果は高くて、症状がだいぶ軽くなりました。
本当は毎年早めに飲み始めた方がいいのでしょうが。
イザという時に薬が効きにくくなると困るので、普通のシーズンは飲まない様にしています。

あくまでも、個人の信条です。
参考にする/しないは個人の責任でお願いします。


ゲームからファシリテーションを学ぶ

僕のファシリテーション技術の基本は、ボードゲームです。
多くの実践も、ボードゲームの場で積んでいます。
僕のファシリテーションスタイルは、これに傾聴技術などを足したものです。

アジャイルや1on1の場ではないので、低く見る方もいらっしゃいます。
ですが、そこに貴賤はない、と力強く言い切ります。
むしろ、試行回数の多さでは、ボードゲームの場の方が、実践の場として適しています。

今回は、その実践の場を通して知ったことから「場の支配」についてお話します。
特に普段僕が気をつけている「誘導的にしない」ことについてスポットを当てます。


人間は簡単に誘導される

「自分は簡単に騙されない」
「他人の言うことに流されるなんて、意志の弱い人間だけだ」

こういう意見を度々耳にします。
今日は「こういう人ほど騙すのは簡単だ、意のままに操れる」という話はしません。
そもそも、そんなことは僕にはできないのですけれどもね。

例えば100人単位の大人数での会議の場を想像してみて下さい。
色々な役職の人が一堂に会する会議の場で、あなたは自分の意見を言うことができますか?
自分の立場が、末端の一般社員だったらどうでしょう?
逆に、社長や役員だったら?
あなたが自分の意見を発表するための場だったらどうでしょうか?

この様に状況が変わることで、意見の言い易さが変わります。
これらは、一種の発言の誘導です。

バイトをしている時に意見があっても「これがウチのやり方だから」と言われれば、口を閉じて指示に従うしかないでしょう。
ハラスメント的だと言う人もいるでしょうが、これも立派な誘導です。

ここで気付いて欲しいことは、あなたは結構誘導されているということです。
その誘導の方法は、コミュニティの常識やマナーといったものであることもあります。
意識的にしろ無意識的にしろ、誘導されていない人間は居ないのです。


人は他人を誘導しようとする

先日、国会の委員会の中継を見ていたときのことです。
委員長の発言か進行が気に入らなかったのでしょう。
数人の人が席を立ち、委員長の前で円を組んで詰め寄っていました。

これは、多い人数で圧を掛けて相手の意見を変えさせようという誘導です。
場所を変えれば「脅迫」になります。変えなくてもなる気がしますが…。

他人に指示をする時に、必要以上に大きい声を出す人がいます。
大体、威圧的な態度とセットになっていることが多く見られますが、これも誘導です。
一般に「声の大きい人が強い」という言葉もありますね。

コミュニティのルールで相手を縛って意に沿わないことをさせない人がいます。
例えば「派遣は○○を使うな」など。
それらの大多数において合理的な理由はなく、ただの感情論です。

この様に他人を誘導しようとする時に、とても都合のいい言葉があります。
【正義】です。言い換えれば「正しさ」です。
正しさにおいて他人を縛り言動を誘導することは、とても手軽で効果的です。


ゲームにおける誘導と場の支配

僕はどちらかというと、混沌とした盤面が好きです。
ですので、序盤は意図的に引っ掻き回しにいく手を多用します。

この時に一番にすることは、イニシアティブを取ることです。
場にファシリテーターが居なければ、声の大きさと発言回数の多さで取れます。
ただ、盤面のイニシアティブは別問題になります。
多くの場合、盤面の支配者は、場の支配者でもあります。
ですから、盤面の優勢が見える前に、場を支配し、盤面の優劣が見辛くします。

また、意図的に情報を流したり、嘘を流したりして、他人の思考を誘導します。
慣れていない相手であれば、良い手を教える体で誘導することは容易です。
ただし、本当の初心者に対しては紳士にアドバイスをします。
これは、一緒にゲームを楽しむための、盤面以前の姿勢の問題になるからです。

これらをやったからと言って、必ず場が支配できるわけでも、ゲームに勝利できるわけでもありません。
しかし、この手法で調子を乱され、最短の勝ち筋から外れることはあります。
そこに漬け込むことができれば、勝機を得られるでしょう。

だだし、正直に言って、僕がこの方法を「しない」ゲームもあります。
今の所の唯一「麻雀」だけです。
理由は2つあります。
マナーとして、この様な行為を嫌う所が多いこと、しない教育を受けていること。
そして、僕自身のレベルが、それをしながら勝てるレベルまで届いていないこと。です。
「教育を受けている」という点では、立派に誘導されています。枷ですが。


ファシリテーションにおける誘導

僕がファシリテーションをする時は、なるべく「誘導的にならない」ことを心掛けます。
しかしそれは「全く縛らない」「全く誘導しない」というわけではありません。

場を維持する為の最低限の誘導をします。
例えば「1つの部屋で同じ卓に着く」だとか「発言の順番や進行順を決める」等です。

僕はこれを「場に秩序を与えるための誘導」としています。
個々人が自由にやれるカオスな状況では、何も進みませんから。

その上で「個人の意見」に対しては「誘導的にならない」ことを心掛けます。
「誘導しない」とは断言しません。「的に」「心掛ける」と言います。
これは、他人に対して自分が影響を与えることを【無】にできないからです。

例えば、2つの選択肢から選ぶ質問をしたとしましょう。
それは答えを2つに誘導していることになります。
その場では他の選択肢を与える必要がないのかもしれません。
しかし、現実的に考えて、2つしか選択肢のない事柄はそうはありません。

進行上、限定する必要がある2択であれば、それは最低限の範囲内です。
これを自覚できているか、できていないかで大きくその質は変わります。

僕は「自分のファシリテーションは誘導しない」という人が居たら、怖いと感じます。


誘導的にしない方法

最後に、僕が誘導的にしないように心掛けている為にしていることを幾つか挙げます。

  1. 相手の意志を尊重する態度を見せる
  2. 他人の干渉から護る
  3. 相手の間を大切にする、急かさない
  4. 意見に対してプラスのリアクションを返す

これらに関してお話すると、それぞれにまたこのコラムと同じ分量が必要になります。
傾聴に通じることですので、またどこかで取り上げたいと考えています。

以上!




ミニコーナー:こちらヤマネコシステム技術部三課!

ここは日本のどこかにあるかもしれない「ヤマネコシステム」社。
そこはかとなく、ブラックの香りがするこの会社の日常を、少し覗いてみましょう。

登場人物

三課:受託開発&新サービス開発
 ヒノモト : 主人公 アラサーエンジニア
二課:インフラ
 ヴァイパ主任 日本大好き外国籍、二課のエース
 アオタくん&ニシキさん:雑用係

ホワイトデー

ヒノモト「あれ?二課のアオタくんにニシキさん。こんなところで神妙な顔してどうしたのさ?」
アオタくん「ああ、ヒノモト前輩。ちょっと困ってまして。仕事のこと以外で」
ニシキさん「主に対人関係?的な?二課の中での」
ヒノモト「うーん、他の課だけど、俺で良ければ聞こうか?」
アオタくん「ありがとうございます。助かります」
ニシキさん「三課では、バレンタインってどうしましたか?」
ヒノモト「ああ、管理職に課の全員でお金出してチョコ渡すって伝統?ゴリタ先輩(当時)が潰したよ」
「それ以前に、今年は他の課はリモートワークだから中止してるって話だよね」
ニシキさん「流石、ゴリタ主任(現在)。ウチはバイパ主任が乗り気で…」
アオタくん「二課はハード監視の為に当番制で誰か出てますからね。ちょっと事情が…」
「そこに、漫画やアニメで取り上げられる形のバレンタインに憧れあるらしくて」
ヒノモト「盛大にバレンタインしたの?」
ニシキさん「いいえ、全員の家にバイパ主任からチョコが届きました。総務経由で」
アオタくん「今度はホワイトデーにも同じことを企んでいるらしいんですよ」
ヒノモト「甘いの苦手じゃなければ、ありがたくもらっておけばいいんじゃない?」
ニシキさん「問題は、それが手作りなんですよ。手作りが嫌ってわけじゃなくて」
アオタくん「ヴァイパ主任、欧米サイズの味と量で来るので、流石に…」
ヒノモト「でも、楽しんでるヴァイパ主任は止められない、と?なるほど」

(つづく)




ITエンジニアの視点で、時事ニュースを5分間で紹介する動画を平日毎日公開してます。
「日々の生活の中にエンジニアリングがある」からこそ、
身近な時事ニュースから学ぶことが重要です。

#ほぼ日ITエンジニアニュース

この法案について、小泉環境相を非難する声もありますが、僕は的外れと感じます。
彼は、省庁の役人の糸で踊っているだけの道化です。
ただの信念のない政治屋なのか、将来を見据えて省庁に恩を売っているのか。
それが判明するのは、もう十年単位で後のことになるでしょうね。

Comment(6)

コメント

ちゃとらん

ミニコーナーで、(つづく)んかい!


所で、
> ニシキさん 「四課では、バレンタインってどうしましたか?」
ヒノモトさんは、三課なので、誰に聞いてるねん!って突っ込まないと。


> ニシキさん 「流石、ゴリタ先輩。ウチはバイパ主任が乗り気で…」
ヴァイパ主任の事をバイパ主任って。まあ、外人の名前の発音は難しいですけど。


> アオタくん 「ヴァイパ主任、欧米サイズの味と量で来るので、流石に…」
例の1kg入りのチョコを何キロポチってるんだろうか…


ちなみに、本文のネタ、非常に良かったと思います。
# コメント1行だけかい!って突っ込み来そうですけど。

マスター吹越

情報技術でも「誘導テクニック」は色々出てきますしね(それこそ教師が生徒の気を引いて授業するのも誘導テクニックだし)

協力ゲーのコマンダー問題を思い出しました。
それがあるからパンデミックやるときとかは自分以外の駒を積極的に取り込んだ意見を出さないようにしてます

ちゃとらん

> ミニコーナーは毎度(つづく)です。


そうだったんですね、早とちりしてしまいました。


> ヒノモト 「でも、楽しんでるヴァイパ主任は止められない、と?なるほど」
を、「…止められない、と?なると」

のように、含みを持たせて、次週ヒノモトさんが、何かすごいアイデアを出して二人に感謝される…みたいな展開を考えてしまいました。

# チョコレートネタだけに、前々から考えてた活用方法があるのかな…と。

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