第657回 生成AI元年が来るか?
こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。
私はニュースをネットを通じて読んでいることが多いんですが、ほぼ毎日ChatGPT関連のニュースには目を通するようにしています。読んでいるのは主にmsnのニュースなのですが、そこに興味深い記事がありました。今回はそのお話です。
■いきいき社員とヨボヨボ社員
まずはこちらの記事をご覧ください。
「ChatGPT Pro」を甘く見てはいけない...生成AIに仕事を奪われる"ヨボヨボ会社員"にならない人の決定的違い
私がこの記事を読んで「なかなかセンセーショナルな内容だなぁ」と感じた一方で「全く持ってその通りだなぁ」とも思いました。記事の一部を引用させていただきます。
理由は生成AIの実用化です。2024年までは会議の資料を作成するのに4時間かかっていたのが、2025年からはドラフトを15分で生成できるようになります。会議後の議事録作成に1時間かけていたのが、ワンクリックでほぼほぼ正しいものができあがるようになります。準備作業の生産性が上がるので、営業の訪問件数も1.5倍に増えるでしょう。あらゆるホワイトカラーの仕事のスピードが急速化します。(引用元:プレジデントオンライン)
こうした傾向は実際に研修を提供していても感じます。最近はDX化の流れを受けて生成AIの研修も担当させていただくのですが、それまで生成AI(ChatGPT)に触ったことがない人でもその活用例や具体例をデモンストレーションすると皆さん目の色が変わります。そして、それを1カ月程度それぞれの職場で実践してもらうと、次にお会いする時はもう生成AIの話で持ち切りになります。
「トランスクリプトを取る何かいいアプリないですか?」
「壁打ちでアイデア出しをしたいんですが、スクリプトってどう書けばいいんですか?」
「ロゴを作成するとき、著作権ってどう考えたらいいんですかね?」
こうした声は生成AIを間近に感じ、仕事として活用できると感じた人から多く寄せられます。先ほどの記事で言えば「いきいき社員」ですね。一方で生成AIに興味を示せず、研修にもつまらなそうに参加されている方もおられます。こうした研修は会社から強制されて参加されているので仕方がないと言えば仕方がないのですが、個人的には「ヨボヨボ社員」になってしまうのかなぁと感じてしまう所でもあります。
■生成AIがもたらす働き方の変化
先ほどの記事の別の部分を引用させていただきます。
使ってみると中堅社員でもすぐに気づくでしょう。これまで自分が週50時間かけていた仕事は実は20時間程度でこなせることに。
組織の生産性が1.5倍に上がるといっても実際に起きることはこんな感じです。使える社員の生産性が2.5倍に上がり、使えない社員の生産性が1倍のままなので、組織全体としては生産性が1.5倍上がるのです。(引用元:プレジデントオンライン)
こうしたことは本当に絵空事ではないと思います。それを強く感じたのは、最新のiOS(iOS 18.2)のApple IntelligenceでChatGPTが使用になったこと、そしてX(旧Twitter)の生成AIであるGrokが無償利用が可能になったことです。
これらが意味する所は、これまで生成AIを触っていない層が生成AIに触れる機会を作ったということでもあります。特にZ世代のような何でも吸収できてしまう世代はこうした生成AIを自分のモノにするのにそれほど時間はかからないでしょう。そして、自分のものにしてしまったらどうなるか? 先ほどの引用した内容が現実になってくるのです。
だとすると、やはりいきいき社員とヨボヨボ社員との二極化は避けられないでしょう。
■生成AI元年が来るか?
生成AIは日進月歩ならぬ秒針日歩で進化しています。そのスピードは本当にとんでもない早さです。2年前に生成AIブームの先端を切ったChatGPT3.5が今では使い物にならないと言われているのです。今最先端と言われているChatGTP 4oあたりも数年後には同様のことが起こってしまうと言っても過言ではありません。こうしたスピード感の中で我々は生きているのです。
最後に、もう一つだけ記事を引用させていただきます。
「そうだヨボヨボ社員をひとりリストラすれば社員10人分のChatGPT Proライセンスが賄えるな。そうしよう。そうしよう」(引用元:プレジデントオンライン)
生成AI元年はもうそこまで来ているかもしれません。会社の経営層がこんなことを本気で考え出したら...その時のあなたはいきいき社員ですか? それともヨボヨボ社員ですか?