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第595回 気づきに価値を与える方法

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 こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 キャリコンでは相手に気づきを促すような対話を行うことがあります。それは、キャリアコンサルタントから何かを伝えてもらうよりも自分で考え気づく方が納得感が強いからです。その一方で気づきを促すためにはそれ相応の技術が必要になるため、気づきを促すことは難しいと言われています。

 こうした気づきですが、私は気づきを促すだけは価値がないと考えています。気づきはあることとセットにして使うことで価値を生み出します。そこで、今回は気づきに価値を与える方法についてお話しします。

■気づきを促すとは?

 過去に気づきを促す方法についてコラムに書いたことがあります。以下、一部再掲します。

 実際に気づきを促す場合、このようなスライドやチャンクをオープンクエスチョンで質問していきますが、ただ闇雲に質問しても気づきは促されません。気づきを促すためには、相手が思いもよらなかった所に意識を向けなければなりません。そのためには相手がどこに意識を向けていたかを明確にする必要があります。その上で、意識を向けてこなかった所に気づきを促すのです。

(中略)

 このように相手が意識していなかった所に意識を促すような質問をすることで、これまで相手自身が考えもよらなかった思考や感情が生まれてくることがあります。それが気づきへとつながっていきます。

 要するに、気づきを促すためには相手の意識が及んでいない所に意識を向けてあげることで生まれてくるものです。

■気づきだけだとどうなるのか?

 冒頭で気づきを促すだけは価値はないと書きました。これはどういうことでしょうか?

 例えるならば、「ウォーリーを探せ」が分かりやすいかもしれません。たくさんの人が描かれている中に、赤と白の縞模様のシャツを着た丸眼鏡のウォーリーを探すことが「ウォーリーを探せ」の大きな目的となっています。目を凝らして描かれている絵を隅々まで調べて、要約ウォーリーの居場所に気づきました。この時はとてもスッキリしますよね(笑) ですが、ここで考えていただきたいのですが、ウォーリーの居場所に気づいた後、どうなりますか?

 ...別に、どうにもならないですよね。。。強いて言うなら次のページをめくるくらいでしょうか。このように考えると、気づいた状態というのは何かスッキリした状態にはなりますが、それ以上の変化が起こっていないことがわかります。だから、気づきを促すだけでは価値がないと表現したのです。

■気づきに価値を与える方法

 しかし、気づきにあることを加えることでその気づきに価値が生まれてきます。それは、行動変容を促すことです。気づきというのは自分の何かに気づいた状態です。その気づきは自分の行動を変えるきっかけになります。そのためにはこの一言がとても有効なんです。

じゃあ、どうする?

たったこれだけです。この言葉を投げかけられると、その人は自分の気づきに対して自分で何かの行動を起こそうとするのです。それは、自発的、自主的な行動へと繋がっていきます。キャリコンでは相談者が自らキャリアを見つけ出し、そのキャリアに到達できるように支援をする役割を担っていますが、その「支援」ということの一端が「じゃあ、どうする? 」のような行動変容を促すことなのです。

 この方法はとても簡単で強力な効果が期待できます。もし、あなたの周りの方で何かに気づかれたら、ぜひ「じゃあ、どうする? 」を使ってみてくださいね!

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