第567回 習得への近道
こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。
私はキャリコンの指導やトレーニングを多く担当させてもらっていますが、習得の早い方と遅い方がおられます。習得の早い方は私の話した内容をどんどん吸収し実践されます。一方で習得の遅い方は何とかやってみようとするもののなかなかうまくできません。
この違いって何だろうと考えていたのですが、今回はこうしたお話です。
■習得が早い人の特徴
体感的な話になるのですが、習得が早い人にはある種の特徴があります。それは、
・率先してやってみる
・失敗を恐れない
・素直に聴き入れる
です。習得が早い人はどの人も同じ傾向があると感じています。私の説明を受け、まずはその通りにやろうとされます。勿論、うまくいかない場合もあるのですが、失敗しても何度もチャレンジされます。そして私からのフィードバックを聴き入れて、自分なりに改善点を見出し調整されます。
こうやって改めて文字にしてみると、その吸収力の高さが分かります。どんなことでもまずはやってみようとする姿勢や振る舞いが結果的に習得を早めているように感じます。
それにプラスして修正力があることも大切な要素です。何かを修正するためには自分の今の状態と理想とする状態をイメージできていないと難しいと思うのですが、習得が早い人は皆こうしたことが上手な方ば多いように感じています。
■習得が遅い人の特徴
それでは、習得が遅い人にはどんな特徴があるかも考えてみました。私なりに感じたことは、
・自分の考えを持っており、それを変えられない
・出来なかった理由を言おうとする
・自分に自信がない
このような傾向があるような気がします。ただこうした振る舞いについては決して悪意がある訳ではないとも感じています。率直な想いでこのように振舞われているように見て取れます。
だから、ご自身の考え方を変えられないことについても、頑固であるとか我が強いとかそういうことではなく、変えたいと思っていてもそれができないのです。また、ご自身ができなかった理由を言おうとされることも、一見すると言い訳のようにも聞こえるのですが、本人にはそんな意思は全くなく、ただ自分のできなかったことを私に伝えようとされているだけなのです。
■習得への近道
では、この違いはどこから来るのでしょうか?
私はオープンマインドの有無だと思っています。オープンマインドとは自分をさらけ出してすべてを受け容れるマインドを指しますが、これができる人ほど習得が早いように感じます。
そして、このオープンマインドを持てる人というのは、自分の価値観やパラダイムを抑えることができる人だと考えています。言い方を変えるならば自分のキャンバスを真っ白にできる人です。キャンバスがすでに何かで塗られてしまっていたら新たに描き込むことはできないのと同じで、新しい何かを習得しようとするなら、一旦自分の持っているものをクリアにして、それを受け容れる準備をすることが必要だと思うのです。
だから、何かを習得しようとするならば、まずは自分自身がオープンマインドを持ち、自分のキャンバスを真っ白にすることが必要なのだと思います。それが習得への近道だと、私は考えています。