第553回 PMI認定インストラクターの資格を取りました
こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。
最近はプロジェクトマネジメントに関する研修などを多く担当しているのですが、その流れでPMI認定インストラクターの資格を取得しました。今回はその資格を取得する際に感じたことを書きたいと思います。
■PMI認定インストラクターとは?
この資格は正確には「Authorized Training Partner Instructor - PMP」と言いまして、簡単に言えばPMP(Project Management Professional)資格を受験する際に必要となる35時間の学習を提供することのできるインストラクターであることを認める資格で、PMI(プロジェクトマネジメント協会)が認定しています。
これがそのデジタルバッチですが、そもそもPMPを取得する際、前提となる条件の一つに35時間の学習があります。現在のPMP試験ではこの35時間の学習はPMIから認定を受けた業者が提供する35時間の研修の受講が必須となっています。しかも、誰でも登壇ができる訳ではなく、この認定インストラクター資格がないと登壇ができないのです。
今の私はプロマネの研修を多く担当しています。そんな中でどうせなら認定インストラクターを取ってPMP資格の領域まで踏み込んで対応できるようになる方が自分の幅が広がるのではないかと考えていました。そこで、今私がが所属している組織に掛け合い、ATP(Authorized Training Partner)という教育認定プロバイダーの契約をPMIと結ぶことを承認してもらいました。その上でこの認定インストラクター資格を取得しました。
■PMIとの契約上のやり取り
今回、認定インストラクターの資格を取得した訳ですが、そこまでの道のりは決して平坦ではありませんでした。なぜなら、全ての手続きが英語で行われるからです。
最初にATP契約を締結する所からスタートするのですが、そのためにはPMIが実施する審査に合格する必要があります。そのために提出する資料は全て英語表記でなければなりません。まず、ここが第1のハードルでした。元々こちらがの資料はすべて日本語で表記されていますが、それがPMIにも理解できるようにすべて英訳を付ける必要があります。その作業が結構面倒臭く、資料を提出しても出し直しを要求されたりするなど、かなり面倒でした。
しかも、この段階で一度審査落ちになってしまいました。実はATP審査は一度落ちてしまうと、向こう1年間は再申請ができないというかなり厳しい条件になっています。しかし、こちらが提出した書類に不備がなくPMI側のミスであることが分かったので、PMIの担当者の方にお願いし審査を復活してもらう手続きをしてもらい、その上で審査クリアとなりました。(これも結構面倒でした)
そして、ATP契約が締結された後も大変です。今度は認定インストラクター資格を取得しなければなりませんが、そのためにはTTT(Train the Trainer)という2日間の研修を受講し、その後のテストで一定水準以上の点数を取らなければならないのです。このテスト自体はTTTの内容をちゃんと聞いていれば取れる問題ではあるのですが、そもそもの問題としてTTTはすべて英語で実施されるのです。。。
一応、ATP契約をサポートしていただいたPMIの担当者さんからTTTの日本語訳の資料はいただいてはいますが、これだけでは何のことだかあまり理解できないので、研修内容を自分なりに翻訳しながら受講し、何とかテストにもクリアしました。ここまで来て何とか認定インストラクターの取得まで漕ぎ着けることはできました。
しかし、実際にはまだやることが残っています。次は実際にPMP資格対策講座を提供する段階備なのですが、そのためのマニュアルが例によってすべて英語表記なのです。しかも、マニュアル数が多く、これらを隅から隅までちゃんと理解してから行わないとちゃんと研修がリリースできないのです。流石にこれは参りましたが、泣き言を言ってても始まらないので、マニュアルの和訳作業に取り掛かることにしました。そうして、凡そ全てのマニュアルの翻訳をやり終えました。。。
現在はこのマニュアルを元にPMP資格対策講座のリリース準備を進めています。
■海外の企業とやり取りする上で感じたこと
正直、海外の企業とのやり取りは「大変」の一言です。とにかくすべてが英語なので、まずそこをクリアしなければならないことが一番のネックでした。
しかし、マニュアルなりの翻訳を自分自身でやってみた今の心境は、「やればなんとかなる」でした。
英語のマニュアルも最初は何のことだかさっぱり分かりませんでしたが、DeepLのような翻訳サイトを使って力技で翻訳作業を進めていくと、次第にそのマニュアル書かれてあることが理解できるようになってきます。そうなると少しずつですが自分の中で英語のハードルが下がってくるのが分かりました。以前は単に英語で書いてあるだけでその中身を理解することすらできない錯覚があったのですが、結局、英語であってもそれを日本語にすれば文章の中身はちゃんと理解できます。だとすれば、面倒臭がらずに日本語に翻訳してしまえば何てことはないことに気づきました。
今回の認定インストラクター資格を取得することができたのは自分にとっては大きなことですが、それ以上に今回のことで私の中にあった英語に対するアレルギー的なモノが薄まったことが収穫でした。現に、今はアメリカのPMIサイトを見るのも億劫でなくなりました。
ですので、今後は積極的に英語圏のサイトも見ながら知見を深めていくことができればいいなと思っています。