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第520回 平常心を考える

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 こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 私が研修の仕事をするようになって20年近くになります。恐らく登壇回数は優に1,000回は超えていると思います。ですが、未だに失敗することもあります。

 先日も7つの習慣のワークセッションを担当させていただいたのですが、Zoomの制御周りがうまくいかず、私の意図した進行ができず失敗してしまいました。今回はその反省の中から感じたことを書きたいと思います。

■トラブルが起こったことにやってしまったこと

 私が研修を企画、実施する時、結構細かく進行を考えます。それは喋りもそうですが、Zoomの機能を使う場合においてもそうです。特に私は集合形式の研修をオンライン形式でも再現したい想いが強いのでZoomの機能はいつもフル活用しています。こうしたこともあり、私がオンライン形式の研修を行う場合はZoomの機能周りなどを担当していただく方にサポートしてもらいながら研修を行います。

 今回、このサポートしていただく方に少し難易度の高いことを依頼していました。それはブレイクアウトルームやホワイトボードといった機能に関することだったのですが、そのことを私がサポートの方にちゃんと伝えることができておらず、本番の際にトラブルが発生してしまいました。

 こうしたトラブルはサポートする側のZoomスキルにも影響するので、Zoomに慣れていなければ結構頻繁に起こったりします。私もそうしたケースは過去に何度も遭遇して慣れてましたので、今回も最初は私もアドリブを利かしてやり過ごしました。しかし、その時はその後もトラブルが頻発しました。その結果、研修の進行に大きな影響を与えてしまいました。

 正直、ここまでのトラブルが起こることは私にとっても想定外でした。そんな中、私はこんなことを考えました。

「このままでは時間通りに終わらないかもしれない。コンテンツの内容を変更し、安全に終了できるように方向転換しよう」

 この方向転換によって何とかワークセッション自体は最後までやり切ることができました。しかし、それは私が納得の行くワークセッションとは程遠い形になってしまいました。

 ワークセッションというのは参加者自身が考えを深め、自ら気づくことを狙った研修のスタイルです。そのためには参加者に考えや気づきを促すような振る舞いが随所に求められます。

 しかし、私はトラブルによって遅れてしまった時間取り戻すために、私が喋り続けることを選んでしまいました。ファシリテーターが喋り続けると時間調整が行いやすくなる半面、参加者の考えを深めたり、気づきを促したりする機会を失ってしまいます。特にオンライン形式においてファシリテーターが喋り続けると、結局はeラーニングと変わらない状況になってしまうため、参加者の意欲を低下させてしまうことにも繋がってしまいます。

 こういった弊害があるので、常々私は研修中極力言葉を減らしつつ、端的に伝えられるように心がけていました。しかし、トラブルが続いたことでその意識を持つことができなくなっていました。。。

■平常心であることの大切さ

 実はそのタイミングでは私は焦っておらず平常心のつもりでいました。しかし、研修後、私の周りにいた方から話を聴いてみると、喋りが普段より多くなっている、話すスピードが速かったことを教えてくれました。

 このことから、その時の私は平常心などではなく、トラブルに対して焦り、何とか収束させようとしていたことがわかります。勿論、トラブルを収束させるための対応は必要な事ではありますが、それがワークセッションの趣旨から外れてしまったのでは本末転倒です。今にして思うと、私がトラブルに対して平常心でいられなかったのは自分を信じることができていなかったからだと感じました。

「トラブルが何度も起きてしまっていて参加者が困惑している。何とかしなくちゃ」

その時の私にはこんな声が聴こえていたのだと思います。しかし、

「大丈夫、一旦落ち着こう。そして、丁寧にワークセッションをやろう」

もしこんな声が聴こえていたら、対応は変わっていたのかもしれません。そうした声が聴こえてこなかったのは、きっと私が未熟だからだと思います。

 だからこそ、まだまだ練習は必要ですし、もっと場数を踏まないといけません。きっとそうした積み重ねの中からでしか平常心は生まれないのではと思います。

 いつでも平常心を保てるよう、もっと研鑽を積まなければならない、研鑽を積みたい、今回のミスでそのように感じました。

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