第507回 お金の稼ぎ方を考える
こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。
キャリコンでは相談者のキャリア形成を支援しますが、その中には中長期的なキャリアプランを考えることもあります。それはマネープランを検討するということでもあります。
マネープランの話はとても奥が深いのでここで全てを語ることはできませんが、私が普段から良くするマネープランの話、特にお金の稼ぎ方について今回はお話ししたいと思います。
■お金を稼ぐための対価
一般的にお金を合法的に稼ぐためには対価が必要です。大きくその対価は２つに分けられます。それは「労働」と「資産」です。
労働の対価としてお金を稼ぐ考え方はわかりやすいですよね。働くということは労働するということであり、その労働に対する対価としてお金をもらうことです。だから、労働でお金を稼ぐためには時給という概念で考えると分かりやすいです。１時間あたりどれだけ稼げるのか？ １時間あたり1,000円稼げる仕事と10,000円稼げる仕事では当然、10,000円稼げる仕事の方がより多くの労働に対する対価がもらえるということになります。
労働に対する対価を上げるためには時給の良い仕事を選ぶことで実現できます。また、労働による対価の特徴は原資（元手）になるのは自分の身体です。そのため、基本は元手がかからないというメリットがあります。一方で、原資が自分の身体ですので、労働力には限界があるということです。言い方を変えるならば、１日に働ける時間は限られていますので、どれだけ頑張っても１日24時間以上の対価を得ることはできないということです。
こうしたことから、労働力による対価というのは限界値があるということ、そして、自分という原資を対価としてお金を稼ぐ方法だと言えますね。
もう１つの対価は「資産」です。少し難しい話になりますが、資産を対価に稼ぐ方法は２つあり、１つは資産を売却することで対価を得る方法でこれをキャピタルゲイン（Capital Gain）と呼びます。もう１つは資産を保有し続けることで対価を得る方法でこれをインカムゲイン（Income Gain）と呼びます。
キャピタルゲインは資産を購入した時よりも高い価格になった時に売却し、差益を得るという考え方ですね。例えば、株は資産になりますが、１株100円の株を1,000株（100,000円）購入したとします。それが１株200円まで上がったので所有している株をすべて売却したとすると、200,000円で売れるので、差益が100,000円得るということです。
インカムゲインは株を持っておくことで得られる配当金のようなモノです。通常、配当金は企業の年度決算が終わり、その金額が決まると株主に配分されます。これは株を所有していることで毎年（企業の利益が出ていれば）もらうことができるお金ですね。
このように資産が対価の場合、資産が多ければ多いほど対価が増えます。要するに株を１株持っているのと10,000株もっているのとではもらえるお金の額も10,000倍違うということですね。また、労働と違い資産には限界はありません。お金さえあればいくらでも資産を保有することができます。資産さえあれば稼げるお金も青天井に増えていきます。しかし、資産を得るためには一般的にはお金が必要な訳で、当たり前の話ですがお金がないと資産は増やすことができません。これが資産のデメリットと言えます。
このようにお金を稼ぐための対価として労働と資産がありますが、これらをまとめると以下のようになります。
そのため、お金を稼ぐことを考えるならば、資産を対価にして稼ぐ方が時間が拘束されづらく、より多く稼ぐことができます。一方で資産を得るためにはお金が必要なため、労働によってある程度お金を貯めた上で資産を手に入れ、その資産を元手に戦略的に資産価値で稼いでいくと労働力以上のお金を稼ぐことができるようになります。
■お金の稼ぎ方を考える
サラリーマンの場合、一般的には労働を対価にお金を稼いでいます。そのため、労働の対価以上のお金を稼ぐことは難しいと考える人が多いかもしれません。最近では副業という働き方も増えてきていますが、労働力を対価にしている場合は必ずその限界がやってきます。
しかし、サラリーマンでも資産を得ることはできます。その資産が稼いでくれればサラリーマンであってもFIRE（Financial Independence, Retire Earlyのことで、経済的自立と早期リタイアという意味です）を実現することは決して不可能ではありません。
そして、実は資産を手に入れる方法はお金だけとは限りません。先ほどと言ってる話が違ってしまうんですが、何なら１円もお金をかけずに資産を手に入れる方法だってあるんです。。。
例えば執筆。自分が執筆し書籍などを発刊すれば、それは立派な資産になります。今はAmazonなどで簡単に自分の執筆した書籍が売れるようになっていますし、書籍が売れればちゃんと印税も入ります。これもインカムゲインです。しかも、執筆するだけならお金は１円もかからないですよね。他にはYoutubeなどで流す動画。動画を視聴してもらうことによって広告収入を得ることができますので、これもインカムゲインになります。そのため、動画も立派な資産なんです。
後は絵画などの芸術作品を作ることも考えられます。それらが売れたらキャピタルゲインになります。最近ではNFTアートという概念が生まれているので、こうしたことで利益を得ることもこれからの時代は不可能ではないと思います。
このように一昔前では考えづらかったこのような資産も、今の時代では当たり前のようになってきています。こうした資産形成も今後は立派なキャリア形成として認知されていくのではないかなと思ったりしています。