第506回 取引しない考え方をもつ
こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。
私の仕事ではキャリコンや研修といった人と関わることが求められます。そのため、仕事の初期段階では必ず先方と打ち合わせをさせていただきます。そうした中でイシューを明確にし、目標を定め、提供方法を考え、コンテンツを作成しリリースします。このような仕事をしていると時折合わないなぁと思う方がおられます。
そうした場合、ケースバイケースではありますが、多くは取引から撤退させてもらうことにしています。それはストレスを抱えてまで一緒に仕事をするメリットを感じないからです。そんな状況に長く居るくらいなら、とっとと撤退して次に進んだ方が良いと考えるようにしています。今回はそんな仕事の進め方について思うことを書いてみました。
■Win-Win or No Deal
私が仕事をする上でいつも意識しているのは「Win-Win or No Deal」です。この言葉自体は7つの習慣の第4の習慣「Win-Winを考える」から来ています。通常は「自分が得て、相手も得る」Win-Win状態を目指して仕事をしますが、それが実現できないのであれば「取引を行わない」No Deal状態に持っていくことを意味しています。
そもそもWin-Winという言葉の語源は7つの習慣だそうですが、7つの習慣ではWin-Winと同じようにWin-Win or No Dealも勧めています。それは、全ての取引が必ずしもWin-Winになるとは限らないことを意味しており、そうした場合には取引をしない選択を選ぶことが肝要であるということなのだと思います。
ではなぜ取引をしない方が良いのでしょうか。それはWin-Winを選ぶことできないと、どちらかが得る、もしくはどちらも得られない状態になるからです。言い換えれば
Win-Lose(自分が得て、相手は失う)
Lose-Win(自分が失って、相手は得る)
Lose-Lose(自分も相手も失う)
Win(自分だけが得る、相手のことは考えていない)
のいずれかの状態になってしまうのです。
これは7つの習慣の「公的成功」の話になってきますが、大きな成果を上げるためには自分一人だとどうしても限界があります。だからこそ誰かを組んで仕事するのですが、その関係性がWin-Winでないと長続きせず最終的にはうまくいかなくなります。
お互いがWin-Winを考え合える間柄であって初めてお互いが相手のことを信頼して仕事ができるようになるのではないでしょうか。私はそうした考えを持つ相手と仕事がしたいと思います。
■取引しない考え方をもつ
そんな中で特に私が気にしているのは、相手がどこを見て仕事をしているか? です。その人が何のために私と一緒に仕事をしようと考えてくださっているのか、そこに私自身が共感できるかどうかという部分が大きいです。
例えば、目先のことだけを考え、場当たり的な対応をされる方とは仕事をしたくないと思ってしまいます。。。そういった方は自分のWinだけを考える傾向にあるため、どうしても自分本位な考え方になりやすく意見の衝突が起こりやすくなります。本来、意見の衝突は歓迎されるモノですが、自分本位な方との意見の衝突は自分の我をぶつけてくるだけなのでとても疲れますし、何より生産性がありません。そこに時間をかけてもそれに見合うリターンが得られないような状況になります。
あらかじめそうした状況になることが分かっているのであれば、敢えて取引しない方が取引をしたことによる関係性の悪化を生むこともありませんし、そのパワーを他のことに回せるので効果的だと思います。これは私の体感的な話になりますが、Win-Win or No DealのNo Deal、取引をしないということは、結局のところ自分にとっても相手にとってもお互いに利のある状態に持っていくことになるような気がします。
私たちに与えられている時間は有限です。すべてのケースにおいて当てはまる訳ではありませんが、それでも時間を効果的に使うためにもWin-Win or No Dealの考え方は必要なのではないかと思います。