第505回 成人の日に思うこと
こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。
このコラムは毎週月曜にアップさせていただいておりますが、今回のコラムは1月10日の成人の日に公開しています。そこで、今回は「成人」について思うことを書いてみました。
■「成人」になることで得られる権利
本来、成人の日は国民の祝日に関する法律で以下のように定められています。
「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます」
こういった背景から、各都道府県市町村では毎年成人式が執り行われているということなんですね。
一般的に「おとな」になるということは特定の年齢に到達することを指すのではないでしょうか。これまでは20歳が成人でしたが、今年の4月1日以降はこの年齢が18歳まで引き下げられます。この成人年齢の引下げにによって得られる権利も少しややこしくなっており、このような形になっているのだそうです。
成人年齢の引下げで変わるもの・変わらないもの
(出典)政府広報オンライン「18歳から"大人"に!成年年齢引下げで変わること、変わらないこと。」より
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201808/2.html
こうやってみてみると、これまでの20歳成人と18歳成人では成人になることで得られる権利にいくつかの違いはあるものの、こうした権利を得られるということは、その人は国から「おとな」であることを認められたということなのだと感じます。
こうした「おとな」になることで得られる権利というのは日本で生きていく上で大きな意味を持ちます。
例えば選挙権。選挙権を得るということは国の政治に関与するということでもあります。自分たちの国を自分たちがつくっていく、そのための選挙という制度に参加するという意味はとても重要で大切なことだと考えます。
また、親の同意がなくてもローンを組んだり、クレジットカードを作ったり、部屋を借りたりすることも自立した生活を送るためには必要になってくることもあります。
他には、結婚や性別の取り扱いの変更審判を受けられることも、その人の生き方を定めていくという意味ではとても大きな意味を持ちます。
このように見てみると、国は「おとな」になることで様々な権利を私たちに与えていることが分かりますね。
■「おとな」になるということ
しかし、この権利をどう使うかはその人の考え方に依ります。考え方が「こども」のままだと、例えばローンを組みまくったり、クレジットカードを作りまくったりして無計画でお金を使ってしまうことになるかもしれません。他にも考え方が成熟していないために社会との軋轢が起こってしまうことがあるかもしれません。
でも、よくよく考えてみたら、おとなになることで得られる様々な権利に関して私たちは学んできたでしょうか? 少なくとも私は学んできませんでした。。。そのため、多くの失敗をしてきましたし、回り道をしたような気がします。
だからこそ、おとなになるということはちゃんと学んでおくべきことだと思うのです。社会のしくみや制度、経済やお金の流れなどは少なくともおとなであれば知っておいた方が良いことです。この歳になって思うのは、こうしたことをおとなになった時にちゃんと知っていれば、恐らく違う生き方を選んでいただろうなぁと思います。
それはつまり、人の生き方を考える上でおとなになることをちゃんと学んでおくことが、その人の人生をより良くすることに繋がる可能性があるということなのではないでしょうか。
ひょっとしたら、既におとなの方の中にはこういったことから離れた生き方をされている方もおられるかもしれません。そういった方はこれから学んでいきませんか? 決して手遅れなんてことはありません。今から学び始めればこれからの先の人生を変えるキッカケになるかもしれません。
そして、そうした生き方をされることが本当の意味での「おとな」なのではないかと思います。