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第481回 自信がない時の考え方

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 こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 例えば、何か新しいことを始めようとした時、「まだ自信がないので今はまだ準備中です...」みたいなことになることはありませんか。実は私は結構あります。

 しかし、いつまで準備すれば自信に繋がるのかと自問自答してみても、なかなか答えが見つからなかったりします。そうしている間に時間だけがどんどん過ぎてしまい、気づいたら数カ月経っていた...なんてこと、ホントによくあります。。。

 流石にこれではイカンと思い、アレコレ試行錯誤する内にあることに気づきました。今ではその気づきに従って行動しているのですが、今回はこのことについて書きます。

■自信がない時、人はどんな行動を取るのか?

 私の場合、何かを新しい取り組みをしようとする時は極力準備のための時間を取るようにしています。そうしないと新しい取り組みを成功させる自信がないからです。そのため、これができるようになれば自信に繋がる、これを使いこなせれば自信が湧いてくる、そんなことを考えます。

 ひょっとしたら、プロマネをやってた時分によくフィージビリティ・スタディに時間を取っていたからかもしれませんが、私と同じような考えを持たれている方は結構いらっしゃるのではないでしょうか。

 しかし、その自信を生み出すための行動が目の前にあり、その行動を取ったとしても自信に繋がらないことはあるように思うのです。これは私の例ですが、過去にこんなことがありました。

 ある企画を立ち上げようとした時の話です。その企画では必要になるツールがあり、そのツールを使いこなさなければ企画が成り立ちません。その時私はこう考えました。

「あの企画はまだ少し時期が早いし、イマイチ自信もないな。でもツールが使いこなせるようになったら企画自体はやれるんだし、まずはツールを使いこなすことから始めてみよう」

 その後、一応私なりにツールをあれこれ触り、一通り使えるようになりました。さて、その企画をやる自信がついたかと言われると、気持ち的にはツールを扱える前と何も変わっていませんでした。結局、ツールを使いこなすということは私にとって自信に繋がるような行動ではなかったのです。。。

■行動に寄せるとうまくいかない訳

 そもそも、なぜ自分の考えた「ツールを使いこなすこと」が自信に繋がらなかったのか。それは、今にして思うと「ツールを使いこなす」という行動に焦点を当てていたからではないかと思います。

 ひょっとしたら、

ツールが使いこなせるようになる → 企画自体を成立させられる → 企画を成立させる自信に繋がる

こんなロジックにハマってしまっていたかもしれません。これは一見すると正しいように見えるかもしれません。しかし、その時の自分自身を振り返った時、あることが抜け落ちていることに気づきました。

■「自信」を「覚悟」に置き換えてみる

 それは、「覚悟」がなかったということです。

 要するに、私にはそもそも企画を実行するだけの覚悟がなかったのです。それをツールが使いこなせないということを言い訳にしていました。

 勿論、当時の私自身そのことに気づいていないので、私も本気でツールを使いこなそうとしたのですが、どれだけツールが使いこなせようとも、企画を実行するだけの覚悟が私の中にない以上、それが自信に繋がることがありませんよね。

 このことに気づいた後、今一度自分の置かれている状況を考えるために「自信」と「覚悟」を置き換えて考え直してみることしました。

「まだ自信がないので...」は「まだ覚悟がないので...」に変換します。こうすると見え方が変わってきました。

 自信がないと捉えると、対策として私のように行動を考えてしまいます。しかし、覚悟がないと捉えると、行動ではなく考え方に思考が向きます。そうして、

  • 金銭的な被害が出ることを恐れない
  • 想定した結果が出ないかもしれないことを受け入れる
  • 前に進まないと何も生まれない

こういった意識を持つことが必要であることが分かりました。ここにはツールの話は一切ありませんでしたが、この意識を持つことで私の中で覚悟が生まれ、無事この企画を実現することができました。

■自信がない時の考え方

 この一件以降現在に至るまで、私は自信がなくて事を後伸ばしにしようとしている場合、それは自信がないのではなく覚悟がないと思うようにしています。そうすることで自分のマインド的な部分にアプローチをして、自分の行動を修正するように心がけています。

 私がスーパービジョンを提供させていただく中でたまに自信がないとおっしゃられるキャリコンさんに出会います。勿論、それはキャリコンとしての経験の浅さからくる自信のなさだったりすることもあります。しかしながら、その「自信」を「覚悟」に置き換えて考えてもらうことで、私と同じように解決できた方もおられます。

 この考え方はチャレンジ好きな人には向いているかもしれません。もしご興味のある方はやってみてくださいね!

Comment(2)

コメント

ちゃとらん

いつも楽しく拝読させていただいています。


「自信」ではなく「覚悟」ですか。これはすごい発想の転換です。今まで感じていた「何となく…」な感じに対する回答に、本当にピタッと来ました。


実は「自信があるのにうまくいかない」という事も、よくあります。よくというのは、私だけではなく周りを見ても…という意味です。何か足りない、環境か?人材か?市場調査不足か?…何が足りないのか、ようやくわかった気がします。「覚悟」が足りなかった。


別にかっこつけてるわけではなく、「覚悟」が足りないと取り組み方も知恵の出し方も、徹底の仕方も何か足りなくなります。なる気がします。気持ちだけかもしれませんが、この考え方を自分なりにきちんと整理しておかないといけないと思いました。

キャリアコンサルタント高橋

ちゃとらんさん


いつもコメントありがとうございます。


私の場合、「できない時の言い訳」ができることをいつも頭のどこかに置いて行動していたフシがありました。
結局それって、最初からできない前提で物事を考えている訳で、そんなことをしているとハナからうまくいくはずはないですよね。。。


それじゃ、なぜ最初からできない前提で考えていたのかといえば、行きつく所は自分がチキンでヘタレだっただけのような気がします(笑


覚悟の持ち方は色々ありますが、踏ん切りがつかない場合、敢えてやらなきゃいけない所に自分を追い込むのも一つの手だと思っています。
こうすれば、逃げることができなくなりますから、後は前を向いてやるしかない状況になりますしね。
万人にお勧めできる方法ではないのでコラムでは書きませんでしたが、私自身はこんな風に思っています。

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