第475回 やる気が上がらないときの対処法
こんにちは、キャリコンサルタント高橋です。
キャリコンは相談者のキャリアづくりを支援するのが仕事です。そのため、まずはキャリプランなるキャリアの設計像のようなモノを描き、そこに辿りつけるようにサポートします。大方の傾向として、キャリアプランを作るところまではモチベーションが高くどんどん進むのですが、いざキャリアプランができてしまうと、なかなかそこから前に進むことができない人が出てきます。これは私自身にも言えることですが、そういったときに私が心がけていることを、今回はご紹介したいと思います。
■餅を描くまではやる気満々だけど...
キャリコンは相手のやりたいことや想いなどを引き出し、それを形にすることでキャリアプランを作成していきます。キャリアプランができるにつれ、キャリアプランに描かれている自分になれるという感覚はとても高揚するモノです。そのため、この段階でモチベーションが上がることはあっても下がることはまずありません。
しかし、そうやってできた珠玉のキャリアプランを目の前にするとそれだけで満足してしまう人がいます。つまり、キャリアプランを作ることが目標になっている人たちです。
こういった方の傾向として、最初はキャリアプランの実現に向けて主体的に行動をしていこうとします。しかし、何かしらの障害やトラブルに見舞われ行動ができなくなってくると、次第にキャリアプランの実現に興味が薄れてきます。
その時の感想を聴いてみると、
「元々、このキャリアプランは自分には少しハードルが高すぎた...」
「やろう、やろうと思ってたら、いつの間にか時間が過ぎていた...」
こんな感じの返答をされたりします。なぜ、このようになってしまうのでしょうか?
■キャリアプランは第2領域
それは、7つの習慣に置いてみると分かりやすいです。
7つの習慣の第3の習慣「最優先事項を優先する」には時間管理のマトリックスという考え方があります。この話は過去のコラムでも何度も紹介していますので、ご興味のある方はそちらをご覧ください。
第280回 7つの習慣のススメ5 -第3の習慣「最優先事項を優先する」
かいつまんでお話しすると、世の中のすべてのタスクや作業は重要度と緊急度を軸として考えることができます。これを縦軸を重要度、横軸を緊急度として表すと4つの領域に分けられ、それぞれを以下のように呼んでいます。
第1領域(緊急、かつ重要)
第2領域(緊急ではないが、重要)
第3領域(緊急だが、重要ではない)
第4領域(緊急でも重要でもない)
これらの領域にすべてのタスクや作業を落とし込み、どのタスク、作業から行うかを決めればよいのです。当然、最優先に取り組むべきは第1領域(緊急、かつ重要)です。そして、最も優先順位を下げてよい領域は第4領域(緊急でも重要でもない)です。では、第2,第3領域のどちらを優先すべきでしょうか。
これは少し考えればわかる話ですが、第3領域は自分にとって重要ではないければ緊急性が求められているモノです。それをやらなくても大して重要なことではないのです。もし、第3領域のタスクや作業でやらないと何か大きな損害や影響を及ぼしかねない内容があるとしたら、それは第3領域ではなく第1領域と考えた方が良さそうです。第3領域は「重要でない」作業やタスクなのです。
そうした場合、第2領域に目を向けてみると、ここは重要だけと緊急ではない領域です。つまり、今はやらなくても支障はないけれど、それは重要なことなのです。ここの領域をほったらかしにしておくとどうなるか? ...やがて第1領域に移動してしまうのです。。。だからこそ、第2領域の作業やタスクは優先して行わなければなりません。そして、第2領域を優先して行っていくと、やがて第1領域が減っていきます。そうすると、更に第2領域が増え、効果的に作業やタスクを回していくことができるようになります。
■やる気が上がらないときの対処法
で、話を戻しまして、先ほどお話ししたキャリアづくりはどの領域になるでしょうか? そう、第2領域なのです。だからこそ、この領域は優先して行わなければなりません。
では、どうやって行えばよいか? それも過去のコラムではお話しています。
詳しくはこちらをご覧いただくとして、ここでは更に一歩踏み込んだお話をしたいと思います。
大きな石である第2領域の作業やタスクを優先的にスケジュールしたら、後はそのスケジュールの実行だけを考えます。できないという選択肢をなくし、とにかくやり切るしかないと考えるようにします。やる気があろうがなかろうが、それをやらなければならない状況に自分を追い込むのです。。。
この考え方有効な点は作業やタスクに没頭できる点にあります。通常、キャリア形成を行うと、時としてネガティブな発想が生まれることがあります。それは、キャリアづくりにブレーキをかけてしまいかねません。
しかし、この作業やタスクに没頭していれば、それ以外のことは考えないので、作業やタスクがどんどん進んでいくのです。そうすると何かしらの結果が生まれます。その結果がキャリア形成にとってプラスの効果を生み出せていれば言うことはありませんが、もしマイナスの結果が生まれていたとしても、結果を元に行動を修正することができるため、以前よりも前に進んでいる感覚になれます。
私も普段から自分のキャリアづくりを意識して行動していますが、キャリアづくりをする際は、極力他のこと考えず、その作業やタスクに没頭するようにしています。そうすると何かしらの結果が生まれるので、その結果を元に自分を評価したり、その後の活動を決めたりしています。
この考え方というか習慣は私にとってもとても有効で大切な考え方です。もし、良かったら実践してみくださいね!
コメント
ちゃとらん
いつも、楽しく拝読させていただいています。
> 第2領域の作業やタスクは優先して行わなければなりません。
ううう・・・こまめなバックアップとかですね。
今、まったくやる気が出ていませんが『それをやらなければならない状況』に追い込まれています…。
匿名
餅に絵を描く・・・?
絵に描いた餅としても意味通じない。
キャリアコンサルタント高橋
ちゃとらんさん
いつもコメントありがとうございます。
>今、まったくやる気が出ていませんが『それをやらなければならない状況』に追い込まれています…。
お忙しそうな状況ですね。。。
でも、そういう状況でも対応できる人ほど、仕事が降ってきて、またその状況に追い込まれてしまうのかもしれませんね(汗
匿名様
ご指摘ありがとうございます。
今読み返してみると、「餅に絵を描く」ってどんな状況か?って感じですね(汗
元々は「絵に描いた餅は食えない」という例えを使い、餅を描くところまではモチベーションをもって書くことを想定して書いたつもりでしたが、意味が通じづらく分かりづらい例えでしたね。。。
失礼いたしました。