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第444回 今一度、Win-Winを考えてみる

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 こんにちは、キャリコンサルタント高橋です。

 久しぶりの7つの習慣ネタです。7つの習慣の第4の習慣に「Win-Winを考える」があります。この習慣は自立している人が周りの人を巻き込みながらより大きな成功(公的成功)を実現するための最初のステップです。Win-Winという言葉自体、既に一般的に浸透している考え方だと思いますが、どうやってWin-Winを考えるのかについてはあまり論じられていないような気がします。そこで、今回は私なりのWin-Winの考え方について書きたいと思います。

■第4の習慣「Win-Winを考える」

 第4の習慣「Win-Winを考える」は過去のコラムでも紹介させてもらっていますが、このような構造になっています。

①豊かさマインドを持つ
②勇気と思いやりのバランスを保つ
③Win-Win実行協定を結ぶ

 ①の「豊かさマインド」とは自分のWin(成功)を考えることと同じように相手のWin(成功)も考える心の持ち様のことを言います。この逆を「欠乏マインド」と言いますが、欠乏マインドに陥ると「Win-Lose」「Lose-Win」「Lose-Lose」「Win」のような状態になってしまいます。第4の習慣はWin-Winを「考える」ことにありますから、そのためには最初に豊かさマインドを持つことからスタートします。

 ②の「勇気」と「思いやり」は比喩表現で以下のような意味です。

勇気 ... 自分の考えと思いを相手に伝える意欲と能力
思いやり ... 相手を尊重し、相手の考えと思いを求め、聴く意欲と能力

 Win-Winを考えるためには自分の考えや思いを相手に伝えること(=勇気)ができなければなりませんし、相手を尊重し相手の考えや思いを受け止めること(=思いやり)ができなければなりません。これはどちらが高くても低くてもWin-Winの状態にはなりません。この勇気と思いやりのバランスを取るということが大切になってきます。

 ③の「Win-Win実行協定」とは自分のWinと相手のWinを言葉で表現したモノで、これを実現することがお互いのWinを満たすことになります。それを7つの習慣では「Win-Win実行協定」という言葉で呼んでいますが、実行協定という言葉自体日本人には馴染みがないと思いますので、「お互いのWin-Winを明確にしたメモ」位の感覚で捉えて良いのではないかと思います。

■Win-Winをどのように考えるのか?

 このような「Win-Winを考える」ですが、私は7つの習慣を学ぶ前から自分なりにこの「Win-Winを考える」をやってきました。私のやり方は、いつも「利になること」を考えるようにしてきました。

 例えば、自分にやりたいことがあり、周りを巻き込まなければならない場合。周りにお願いをして自分の企画やイベントなどを実現しようとするようなケースですね。このような時、自分のやりたいことを実現することで相手の利になることは何か? を考えるようにしていました。私の企画やイベントに協力してもらうことでこんな良いことがある、こんなメリットがある、そういったことが提供できないと相手に賛同してもらうことが難しいのではないかと思ってしまうのです。もし、相手に対する利を提供することが難しい場合、素直にお願いし、私が相手に「借りを作る」という利点を提供するようなことまで考えたりしていました。

 逆に、相手のために何かをやってあげたいという場合。一見するとこちらは自分がやってあげるだけなのであまり気にしなくても良いように思えますが、実はこちらの方が大事だと思います。というのも、相手のために何かをするというのは自分の時間やモノなどのリソースを割くことになります。そのため、自分に余剰がある時は良いのですが、そのリソースが使えなくなってしまうと、途端に負担になってしまうのです。そうなると、自分のモチベーションを保つことが難しくなり、相手にためにやってあげようとすることができなくなってしまうかもしれません。そのため、相手のために何かをやってあげようとする時こそ、私は自分の利になることは何か? を考えるようにします。寧ろ、こういう考え方をすることで、相手の遠慮が少なくなり、お互いプラスの関係になれるような気すらしています。

 つまり、誰かを巻き込んで何かするしようとする場合や誰かに何かをしてあげたいと思う場合、私は必ず自分と相手の利になることを明確にした上で取り組むようにしています。これって、そのまま第4の習慣に当てはまるのではないかと思っています。

■自分にとってのWin-Winを考える

 今回の第4の習慣「Win-Winを考える」もそうですが、私は自分なりのやり方で7つの習慣を捉え、実践しています。例えば、物事の見方であるパラダイムを変えることを7つの習慣では説いていますが、そのやり方が私の中では少し違ったりしています。詳しくはこちらのコラムに書いていますが、このように7つの習慣を実践する中でしっくりこなかったり疑問に感じたことは自分で考え、自分なりのやり方を模索するようにしています。

 これは7つの習慣だけでなくキャリコンなどでもそうですが、このように捉える方が本当の意味で自分の血となり肉となるような感じがしています。そうすることが、私にとっての「Win-Winを考える」ことではないかと思っています。

Comment(2)

コメント

ちゃとらん

いつも、楽しみに拝読させていただいています。


今回も『私の利になるお話』ありがとうございました。


「勇気」と「思いやり」…私のイメージでは『謙虚な自己主張』ととらえています。
実は、今回のコラムネタで一番気になった個所は、『私は自分なりのやり方で7つの習慣を捉え、実践しています。』という所です。自己啓発書や成功者のノウハウなどは、あくまでその人の性格・環境・人脈・職業など色々な複合要件とタイミングや運などの要素が絡み合っており、そっくりそのまま採用してもうまくいかないと思っています。なので、人からのアドバイスも含めて自分なりに考え、当てはめていっているんですが、『人の言う事を聞かんな~』と見られてしまいます。(若干、自己主張が強すぎるのかも)


でも、自分で考え、当てはめていき、自分なりの答えを導きだすのは非常に重要ですが、難しいことだと思っており、それを地で実践されている高橋さんは、やっぱり奥が深いと今更ながら再認識いたしました。


これからも、色々なお話、期待しております。

キャリアコンサルタント高橋

ちゃとらんさん、


いつもコメントありがとうございます。


「謙虚な自己主張」、いいですね、Win-Winにはピッタリなイメージだと思います。
先日もコヴィー社の方と話をする機会があったのですが、7つの習慣は実践することでしかその効果を測り知ることができないので、自分なりの解釈やアレンジあったとしても、まずはやってみることが大切だと思います。


実際、私も7つの習慣に携わらせていただいて結構な期間が経ちましたが、その間、色々考え方や解釈が変わっています。
書籍自体何度も読み返していますが、いつも違う視点が出てきます。以前は気づかなかった所や考えが及ばなかった所などが見えてきて、その都度自分の思考をアップデートするような感じです。


例えば、第1の習慣は「主体的である」なのですが、ここは他の習慣と違って語尾が「~である」という表現をしています。
この一言にも意味があり、第1の習慣は他の習慣と違い全ての土台となる習慣なので、他の習慣にあるような「~始める」「~優先する」「~考える」「~理解に徹し、~」「~を作り出す」「~を研ぐ」という行動を指し示す言葉と根本的に違い、「~である」という状態を表す言葉が充てられています。
こういうことは一見するだけでは気づかず、何度も7つの習慣に触れていくことで気づいていくことだなと思っています。。。


まだまだ私も勉強が足りないので、これからも実践を続けながら理解を深めていきたいと思っています。

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