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第282回 7つの習慣のススメ7 -第4の習慣「Win-Winを考える」

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 こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 7つの習慣のススメも7回目になりました。今回からは7つの習慣の後半部分である公的成功についてご紹介していきます。まずは第4の習慣「Win-Winを考える」です。

■公的成功のプロセス

 成長の連続体において、私的成功は「依存」から「自立」に至るプロセスで、第1~第3の習慣を実践することで実現してきました。ここから先の公的成功は第4~第6の習慣を実践することで実現していきます。それぞれの習慣の役割は以下のようになっています。

第4の習慣「Win-Winを考える」(姿勢)
Win-Winになるのではなく、Win-Winを考えるという姿勢。長期的な人間関係においてWin-Winを考えるということ

第5の習慣「まず理解に徹し、そして理解される」(スキル)
長期的な人間関係において必要なスキル

第6の習慣「シナジーを創り出す」(結果)
第1~第5までの習慣を実践したときに生まれる結果

 公的成功を実現させるためには、最初に第4の習慣で考え方を生み出します。そのため第4の習慣はWin-Winを「実現する」ではなく「考える」となっています。そうして、第5の習慣ではスキルを使い、Win-Winの状態をつくり上げていきます。その後、第6の習慣でWin-Winの相乗効果として結果を生み出します。これが公的成功のプロセスです。

■人間関係におけるパラダイム

 人間関係、いい換えるならば自分と他人との間にはいくつかのパラダイムがあります。それはWinとLoseの組み合わせで表されます。つまり、Lose-LoseWin-LoseLose-WinWin-Winですね。

Lose-Lose 自分が負けて(得られず)、相手も負ける(得られない)
Win-Lose 自分が勝って(得て)、相手が負ける(得られない)
Lose-Win 自分が負けて(得られず)、相手が勝つ(得る)
Win-Win 自分が勝って(得て)、相手も勝つ(得る)

 ここで注意したいのは、何が何でもWin-Winでなければならないということではありません。競争社会においてWin-LoseやLose-Winなどは必要になることがあります。しかし、長期的な視点に立って考えるならば、やはりWin-Winを目指した方がより効果的な人間関係をつくり出すことができます。

 ところで、このWin-Winを「考える」ですが、これは自分自身が考えるという意味です。そのため、たとえ相手がWin-Loseの考え方を持っていたとしても、自分はWin-Winで考えることを選択することができます。このような考え方を「豊かさマインド」と呼びます。また、その反対にWin-Loseのように考えることを「欠乏マインド」と呼びます。

■豊かさマインドを持つためには

 私たちが豊かさマインドを持つためには2つの考え方が有効です。それは「勇気」と「思いやり」です。これら勇気と思いやりは以下のような意味をもっています。

勇気 自分の考えと思いを相手に伝える意欲と能力
思いやり 相手を尊重し、相手の考えと思いを求め、聴く意欲と能力

 この勇気と思いやりは先ほどの人間関係におけるパラダイムと関連があります。勇気が高いと自分のWinが高くなり、思いやりが高いと相手のWinが高くなります。そのため、勇気と思いやりはこのように表現することができます。

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 このようにこの勇気と思いやりは片方だけもWin-Winにはなりません。必ず両方バランスよく持つ必要があります。そして、豊かさマインドを持つためには、他の人とのやり取りにおいて「私たちにとってのWinは何か?」と自問し続けることが効果的です。

■Win-Win実行協定をつくる

 そのためには、自分のWinと同じように相手のWinも考える必要があります。このとき、自分のWinと相手のWinを書き出してみると分かりやすくなります。その上で、お互いのWinを実現するためにできる行動や取り決めを書きます。これをお互い理解し実行することがWin-Winの実現に近づきます。このWin-Winを実現するために書き留めた行動や取り決めのことを「Win-Win実行協定」と呼びます。

 Win-Win実行協定は書き留めておくと分かりやすいですが、私の場合、口頭で内容を共有することが結構多いです。その場合「お互いがプラスになる行動をまとめておきませんか?」のように伝えたりします。その際、必要に応じてメールなどを後追いで送り、文字に残るようにしておくと、お互いの目指す方向がブレないので動きが取りやすくなったりします。


 今回は公的成功の最初のステップである第4の習慣「Win-Winを考える」をご紹介しました。第4の習慣で公的成功に必要となる考え方を持った後は、第5の習慣で具体的なスキルを使っていきます。そちらは次回ご紹介させてもらいますね!

Comment(2)

コメント

user-key.

ここに出てくる「勇気」と「思いやり」は余裕(またはハンドルでいう所の遊び)が無いと、実現は難しいですね。

キャリアコンサルタント高橋

user-key.さま、


コメントありがとうございます。


おっしゃる通り「余裕」がないと、勇気も思いやりも持つことが難しいと思います。


だからこそ、7つの習慣では私的成功の上に公的成功が位置づけられています。
つまり、人と関わりを持つ公的成功を実現させるためには、その前に私的成功が必要となります。


さらに言えば、私的成功には全ての習慣の土台となる第1の習慣「主体的である」があり、ここで刺激と反応との間にスペースを空けること、つまりは心の余裕を持つということが求められるのではないかと思っております。

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