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第425回 「働かないおじさん」を考える

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 少し前ですが、テレワークの時代になり働かない人が浮き彫りになってきたという記事を読みました(記事はこちら)。今の時代は会社への出社が強制されなくなり、在宅で仕事をされる方が多くなってきたように感じます。そういった中でどういう人材がこれからのwithコロナ時代で求められているのかが語られており、とても興味深く読ませてもらいました。

 私も最近は月の半分はテレワークで仕事をしているような生活なので、テレワークでの生産性ということを考えるようになりました。そこで今回は私なりに感じたwithコロナ時代の「働かないおじさん」について思うことを書いてみました。

■働かないおじさんのワークスタイル

 一般的に仕事というのは、最初に何かしらのオーダーがあり、そのオーダーに対して期日までに一定の品質を担保したアウトプットを出すことだと思っています。これは仕事をする人は誰しもが平等に与えられている義務であり、先の「働かないおじさん」であっても同じです。

 それでは、働かないおじさんというのはどういう人なのでしょうか? 毎日、会社に出社してソリティアやネットサーフィンばかりやっているだけなのでしょうか? そんなことをしていたら「一定の品質を担保したアウトプット」を出すことはできないでしょう。これは推測ですが、働かないおじさんであっても、ちゃんと自分に課せられた仕事は理解しており、その中で自分なりにマネジメントをしながらアウトプットを出しているのだと思います。これはプロジェクト型の仕事であれ、ルーチンワーク型の仕事であれ同じだと思います。

 ただ、他の人の違いはスケジュールにフロート(遊びの時間)が多く見積もられており、その時間でソリティアやネットサーフィンなどをやっているのだと思います。言い換えると、働かないおじさんが本来のパフォーマンスで仕事をすれば1日で終わるような仕事を3日かかるようにスケジューリングするような感じでしょうか。こうすれば、2日間のフロートができるので、そこを自分の好きなことに使っているのかもしれません。

 このような仕事の仕方は会社からすれば推奨されるモノではないでしょう。しかし、そこに対して誰も注意や指摘をしないので、こういった働き方が許容された結果、「働かないおじさん」が生まれてしまっているのではないでしょうか。

■働かないおじさんの本質的問題

 それでは、働かないおじさんの本質はどこにあるのでしょうか? 私は意識の問題だと考えます。そもそも、1日で仕事を仕上げられるだけの能力を持っているにも関わらず、なぜそれを3日かけようとするのか? そこはに働かないおじさんなりの考えがあるはずです。例えば、

  • 仕事はのんびりやりたい
  • ストレスフリーで仕事をしたい
  • 仕事に求めているモノはないので、楽に働きたい
  • 会社からは特に何も期待されていないので、力を抜いても構わない

 こんなことを思っているかもしれません。こういったことが働かないおじさんを生み出しているのではないかと思うのです。さらに深く突っ込んで、働かないおじさんはなぜこのようなことを考えるに至ったのでしょうか? 最初から仕事で手を抜いてやろうと考えて入社する人はいないと思います。恐らく働かないおじさんがこのような考えに至った原因やきっかけがあったのではないかと思うのです。働かないおじさんがこのような働き方になったのにはそれなりの理由があるのではないかと思うのです。

 だとすれば、この原因を解決することで、働かないおじさんは働くおじさんに変身する可能性を秘めているのではないでしょうか?

■これからの時代に求められるモノ

 先ほどの記事はこのような言葉で締められていました。

「格差が広がるというか、"自分に何ができるか"、がより具体的にならないと勝負できない世界になる気がする。少なくとも30代以下の人は、有名企業に入ればゴールの終身雇用、みたいな価値観をガラッと変えて、時代の変化に対応しきるんだ、そして永遠に変わり続けなければならないし、それができる人間が強いという価値観にならないといけない、ということだと思う」

 確かにこの考え方はもっともだと思います。きっと、時代の変化に対応できる人こそが活躍できるような社会になっていくのでしょう。しかし、一方でその流れに乗れなかった人は淘汰されていくようにも思います。それは時代の流れで仕方がない事なのかもしれません。ただ、そういった人たちがどうすれば時代の流れに乗っていくことができるのか? を考えることも、これからの社会には必要なのではないかと思うのです。

 ソリティアやネットサーフィンばかりしている働かないおじさんが、バリバリの働くおじさんになるために、私たちにできることはないのでしょうか?

 先ほどの引用に「価値」という言葉がありました。価値というのはその人にしかできないことであり、そこに見出される対価のようなモノです。もし、自分にしかできないことの中に「働かないおじさんを働くおじさんに変身させる」ということができてくれば、それは何物にも代えられない大きな価値になるような気がします。

 こういった考えは私がキャリアコンサルタントだからかもしれませんが、こういった人材の活用は、これからの時代に強く求められる価値のような気がしてきます。

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