第415回 Zoom研修を考える
こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。
4/8に出された緊急事態宣言も2週間を過ぎ、そろそろ3週間になります。新型コロナウイルス(COVID-19)の状況は、4/26時点で東京都の感染者数が13日ぶりに100人を下回り、72人になったのだそうです。この数字は曜日の関係で検体数が減っているとの話もありますので、ここから先どのような動きになるかは分かりませんが、新型コロナウイルス対策が1つでも実を結ぶことを願うばかりです。
さて、私は普段研修やセミナーを実施させてもらっていますが、昨今の情勢なので、集合形式の研修やセミナーはすべてキャンセルとなり、現在はWebを使った遠隔地研修に切り替わっています。中でもZoomを使った研修は行っておりますが、体験する中で色々と分かってきました。そこで今回はZoom研修について思うことを書きます。
■Zoomを使った研修の方法
Zoomを使った研修やセミナーを行う場合、原則、講師役は2人必要になります。1人はZoomの動きを制御するコントローラー、もう一人は実際に話をして研修を進行させるスピーカーです。やり方を工夫すれば1人でも対応可能ですが、結構動きが大変なので私の経験からは2人1組で行うことを推奨しています。
そして、Zoomを使った研修のやり方は大きく分けて2つあります。1つはミーティング形式での研修、もう1つはウェビナー形式での研修です。
「ミーティング形式の研修」とはZoomのミーティング(会議)機能を使って研修を行う方法です。参加者の1人となっているスピーカーがトレーナー役となり、画面共有の機能を使ってスピーカーのスライドを表示しながら研修を行います。この形式は例えるならば、eラーニングを見ているような感覚に近いと思います。
「ウェビナー形式の研修」とはZoomのウェビナー機能を使って研修を行う方法です。スピーカーはパネリストとなり、研修をライブ形式(研修している姿を動画で表示する形式)で進めます。また、参加者は視聴者となり、パネリストを視聴しているだけの状態になります。この時、視聴者は直接パネリストと会話をすることができず、チャット形式などでコミュニケーションを取ります。ただし、ホストであるコントローラーは必要に応じて視聴者をパネリストに昇格させることができ、直接スピーカーと会話をすることができるようになります。こちらはライブ形式で研修を視聴できる点という点でミーティング方式との違いがあります。
こうやってみると、ライブ感のあるウェビナー形式の方が優れているように見えるのですが、ウェビナー形式には大きな問題があります。それは視聴者同士の会話ができないという点です。ウェビナー形式の場合、視聴者の情報(画像など)が表示されないのです。また、Zoomの機能の1つである参加者を複数のチームに分けてサブミーティングを行うブレイクアウトセッションという機能も使えません。そのため、一方的に視聴する研修であればウェビナーで良いのですが、ワークショップやワークセッションなどのように参加者同士がディスカッションなどを行うことを想定している場合、ウェビナー形式だとうまくできないのです。
■もう1つの研修方法
私が今まで行ってきたワークショップやワークセッション形式の研修を実現させるためにはミーティング形式よりウェビナー形式の方が適していると考えています。やはり、トレーナーの姿が見え、その後ろにはスライドやホワイトボードがあり、トレーナーの振る舞いで研修が進んでいく。その姿を参加者が見ることで研修に対するモチベーションが上がり、研修に惹き込まれやすくなると考えています。しかし、ワークショップやワークセッションを実現させるためにはウェビナーだと参加者同士の会話ができません。
そこで、ミーティング形式で疑似的にウェビナーを行う方法があります。
やり方は、スポットライトビデオという機能を使うことでスピーカーの情報をウェビナーのように大きく表示させることができます。そうして、参加者のビデオをオフにしておくことで、参加者の画像を非表示にすることができるので、疑似的にウェビナーのような画面にすることができます。そうして、ライブで研修を配信しつつ、必要に応じて参加者とインタラクティブに会話をしたり、ブレイクアウトセッションで参加者同士のディスカッションを促すこともできます。恐らく、この方法がワークショップやワークセッション形式の研修をZoomで実現させる方法に一番近いのではないかと思っています。
■Zoom研修の難しさ
ただ、これはあくまでやり方だけの話で、実際にやってみると通常の研修との違いが色々とあることがわかります。特にZoom研修の場合、参加者とのコミュニケーションが絶対的に難しく、拍手や「いいね」などで大きめのジェスチャーが必要になったり、前説のようにある程度研修の場を温めておくような振る舞いも必要になります。更に言えば、参加者がZoomに慣れていない場合、Zoom研修に消極的になってしまうこともあります。こういったこともあり、私はZoom研修を行うのはかなり難しいと思っています。そのため、Zoom研修を実現させるためには、それ相応のトレーニングが必要だと思っています。
昨今は動きが取れない状況ですが、いずれ緊急事態宣言が解除され動けるようになったらしっかりトレーニングを行い、Zoom研修の実績を積んでいきたいと思っています。そうして、満足の行くZoom研修を実現することができた時、私は自分の武器を1つ増やすことができるかもしれないと思っています。それが実現できるよう、これからも努力していきたいと思っています。
コメント
Mina
いろいろと拝見させていただきました。
昨今の状況ではではWEBが必須だと私も思います。
そこで過去に「七つの習慣」の資格をとられたとありましたが、こちらはzoomを使用し2日間(5時間程度)に分けて講習することは可能な内容なのでしょうか。
後藤 昭夫
こんにちは、ZOOM研修は、これを機に増えていくと思われますが、面談(採用やキャリア)・面接も使われはじめていますが、今後は、どうなっていくのでしょう?この先は、新しい機能が開発されていくのでしょうか?
キャリアコンサルタント高橋
Mina様
コメントありがとうございます。
私が取得させていただいているのはフランクリン・コヴィー社が認定するCF(認定ファシリテーター)です。
以前、この件でコヴィー社に確認させていただいたことがあるのですが、コヴィー社の規定に従ったワークセッションをZoomを通じて実施する場合、幾つかの条件はありますが、実施することは可能とのことです。
ワークセッションの期間については、諸々の条件があろうかと思いますので、その企業、団体のニーズに合わせて対応することはできるのではないかと思います。
後藤 昭夫様
コメントありがとうございます。
現状、企業の採用活動においてZoomのようなWebを使ったツールを使われることが増えてきていると聞きます。
今後については分からない部分は多いのですが、ZoomなどによるWebツールを使った企業活動の有用性が認められれば、その動きは継続される可能性があると思います。
その判断はZoomを使うことによる費用対効果と、新型コロナウイルスによる企業活動の損失具合に拠るのではないかと思います。
Mina
お返事ありがとうございます。
とても興味深い内容でしたので質問させていただきました。もしzoomによる七つの習慣を講演依頼させていただいく際の講演料を伺ってもよろしいでしょうか?
参加人数は50名程で前編・後編と2日に分けて想定していただけると幸いです。
キャリアコンサルタント高橋
Mina様
コメントありがとうございます。
お仕事に関するお問い合わせにつきましてですが、コメント欄では詳細のお話が出来かねますので、大変お手数ではありますが、以下よりお問い合わせをいただけますよう、お願い申し上げます。