第390回 その仕事、好きですか?
こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。
キャリコンをさせてもらうと、仕事の好き、嫌いという話が出てきます。このこと自体は悪いことでも何でもないのですが、キャリアの視点で考えると、時としてこの好き、嫌いがネックになることがあります。そこで、今回は仕事に対する好き、嫌いについて考えてみました。
■就きたい仕事に就けない
システム開発業務やプログラミングを経験したいと考えてIT業界に入っているITエンジニアは結構おられます。その中で無事望んでいる仕事に就ければ万々歳ですが、就けなかった場合、ある種の我慢を強いられるかもしれません。。。
システム開発業務をやりたかったのに、運用保守業務を担当することになった
インフラ構築業務をやりたかったのに、オペレーター業務を担当することになった
このように、IT業界ではその人が就きたいと考えている業務に就くことができないケースはITエンジニアなら誰しも1案件くらいはあるのではないでしょうか。
この時、自分の就きたい仕事に就けなかった場合、多くの人は我慢を強いられることでしょう。また、時には会社に反発をするかもしれません、もしくは諦めの感情が湧くかもしれません。このように、自分の思い通りの仕事に就けなかった場合、その仕事に対する感情や気持ちを、自分なりの落としどころを見つけなければなりません。
しかし、この落としどころが見つからなかった場合、それはストレスとしてその人の中に少しずつ溜まっていきます。そうして何かのタイミングで爆発し、自分でも思いもよらない行動をとってしまうことがあります。
このようなことにならないためにも、私たちは仕事に対する向き合い方を考えておく必要があるのではないでしょうか。
■仕事に対する向き合い方
それでは、仕事に対してどのように向き合えばいのでしょうか? キャリア的な考え方をするならば、その仕事の何に惹かれているのかを考えます。例えば、プログラマならモノづくりに魅力を感じている、難しいプログラムをコツコツつくり上げていくことに魅力を感じている...などです。
このように仕事に対する想いを知ることで、その人の選択肢を増やすことができるようになります。例えば、「モノづくりに魅力を感じている」のであれば、プログラミング以外にモノづくりをする仕事はないのか? もし、そういった仕事が見つかれば、それはその人にとってプログラマの代替となる仕事になりえるかもしれません。
つまり、仕事というものを形だけで捉えるのではなく、なぜその仕事に対して志向があるのか、それを考えます。そうすることで、その仕事に就けなかった場合、職種は違っていても志向が同じ方向を向いている仕事に就くことで、本人の満足度が得られるようになります。これは、想いをベースとしたキャリコンでキャリコンの基礎的な考え方です。
■物事の本質を考える
この話はITエンジニアのキャリアに留まりません。私たちは普段から目に見える表面的な部分で物事を判断してしまいがちになります。しかし、それがなぜその評価になっているのか? 私たちはそのモノに対して何が良くて、何が悪いと感じているのか。その視点で物事を捉えることによって、物事の本質を見極めることができるようになります。
この話は7つの習慣における第一の習慣「主体的である」に出てくる自分の天気を持つということと同一です。自分の天気を持つことについては過去のコラムでも紹介させてもらっていますが、端的にいえば、物事そのものに善悪があるのではなく、その物事を私たちがどう捉えるかによって善悪が決まってくるという考え方です。
目の前の物事には本来善悪はありません。そこに善悪や好き嫌いを決めているのは私たちの過去の経験、知識などから判断しています。だからこそ、その物事が嫌いならば、なぜ嫌いを考えることで、その物事に対するモノの見方を変えることができるかもしれません。
こういったことに慣れてくると、ある程度好き嫌いのコントロールできるようになってきます。それはすなわち自分自身をコントロールしていることの表れなのかもしれませんね。