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第270回 自分の天気を持つ

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 こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 先日、久しぶりに7つの習慣のワークセッションを担当させてもらいました。ちょうど先々週もこのコラムで7つの習慣のパラダイムシフトをネタに書かせてもらいましたが、先日のワークセッションでもパラダイムシフトの話になりました。そのとき、私なりの経験をお話しさせていただいたのですが、今回はこのことについて書きたいと思います。

■自分の天気を持つ

 7つの習慣の公認ファシリテーターの資格を取得したときのコラムでも書きましたが、私は元々7つの習慣がそれほど良いとは感じていませんでした。しかし、7つの習慣を他の人にファシリテートする立場になり、改めて7つの習慣に向き合ったとき、その本当の意味が少しずつ理解できてきました。その中で私が最も強く惹かれた考え方が「自分の天気を持つ」でした。

 「自分の天気を持つ」とは自分の気持ちや感情を天気になぞらえ、気持ちや感情をコントロールすることを表しており、第1の習慣「主体的である」の中に出てきます。この話の前後にはここに至る過程やこれから先の考え方などがあるのですが、それらを抜きにしてもこの「自分の天気を持つ」ということが私にとっての大きなパラダイムシフトとなり、それが私を7つの習慣に引き込むきっかけとなりました。

 7つの習慣を著されたスティーブン・R・コヴィー博士の言葉です。

他人の行動が私達を傷付けるのではない。それに対してどう反応するかが私達を傷付けるのである。

 最初、この言葉の意味が良く分かりませんでした。しかし、トレーニングを積む内にこの言葉には以下のような意味があることに気づきました。

「私たちが感じる喜怒哀楽の感情は、私たちに起きた出来事に対して、私たち自身がそのように感じたいから感じている」

 例えば、仕事で文句ばかり言う部下がいたとします。彼はいつも言われたことに反発します。そんな部下にあなたは辟易していたとします。その部下にあなたは資料の作成依頼しました。しかし、程なくして部下はあなたが渡した資料をそのままの状態であなたの机の上にそのまま返却してきました。この態度をあなたはどう思われますか?

 私なら単純に腹が立ちますね(笑) 上司に対しての不遜な態度もそうですし、仕事の依頼を拒否されたことの怒りや嘆きの感情もあるでしょう。

 しかし、この腹が立つ、怒る、嘆くといった感情は私がそうしたくて起こった感情です。これはどういうことか? このことを理解するために、部下へのモノの見方や偏見などを外して部下の行動をもう一度考えてみると、部下はただ私に資料を返却しただけなのです。その行為に対して善悪はありません。その行為に善悪を紐づけているのは他ならぬ私なのです。私が資料を返すという行為に対し「不遜だ」「仕事を拒否された」だと考えてしまったことによって、私が怒りや嘆きの感情が引き起こしたのです。

 もし、私が「資料をそのままの形で返さなければならない特別な理由があったのかもしれない」と捉えることができていれば、そこから生まれる感情は変わってきたかもしれません。

 そんなことができるのか? と思われるかもしれません。しかし、例えば、信頼している部下がこの部下と同じことをしたら、怒りや嘆きではなく、「資料をそのままの形で返さなければならない特別な理由があったのかもしれない」と推測すると思うのです。でも、どちらの部下も同じ行動をしています。にも関わらず、この感情の違いが起こるのは他ならない私がそうしたいからやっていることだと思うのです。

 だからこそ、相手から受けた刺激に対してすぐに反応するのではなく、刺激と反応の間に一旦停止しスペースを空け、そこで考える余裕を持つこと、そうすることで自分の感情をコントールしましょう、というのが「自分の天気を持つ」という考え方です。

■私のパラダイムシフト

 この考え方はとても心に響きました。今まで「辛い」「しんどい」といった感情は私がそうしたいからやっていたと思うと、その考え方を変えることができるのではないかと思えるようになってきました。そうして、トレーニングを重ねていく内に、少しずつですが、今では何か刺激を受けたときに一旦停止し、そこで考える癖付けができてきたような感じがしています。

Comment(2)

コメント

私も、最近自分の感情に自己嫌悪することが多くなり、NLPの本を読んでこの考え方を知りました。
あらゆる出来事は、何の意味もない事実でしか存在してなくて、それに意味付けをするのは自分自身の価値観なんだそうです。
価値観というフィルターを外して視ることで、何事もフラットに捉えて生きて行けたらと思います。
蛇足ですが、価値観も受け入れることで変えることができます。
私も、この考え方は仕事においてもプライベートにおいても、とても大事だと思います。

キャリアコンサルタント高橋

芋さま、


コメントありがとうございます。


芋さまはNLPからこの考え方に行きつかれたそうですね。


> 価値観というフィルターを外して視ることで、何事もフラットに捉えて生きて行けたらと思います。


本当に仰る通りだと思います。
私たちの価値観が私たちをつくり出していますが、それがあるが故に私たちは自分から抜け出せないでいるように思います。だからこそ、私たちは物事をありのままに見る必要があるのかもしれませんね。また、


> 価値観も受け入れることで変えることができます。


この考え方も深いですね。
他人の価値観を受け入れることは自らの価値観を変えることにも繋がりますし、その自分の価値観を自分自身がが客観的に受け入れることで、新たな自分をつくり出すことにも繋がっていくような気がします。


私がこの考え方に共感してから、他責を自責と考えることができるようになってきました。良いことも悪いことも自分の責任。だからこそ、自分にできることがあると思っています。


とても思慮深いコメント、ありがとうございました!

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