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第341回 我慢を考える

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 こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 仕事で我慢できないことってありませんか? そんなモノはない! とおっしゃられる方は相当恵まれた仕事環境でお仕事をされているのだと思います。しかし、多くの方は仕事において何かしらの我慢を強いられることが多いのではないでしょうか?

 私も仕事で我慢をすることがたくさんあります。しかし、その我慢を「嫌だなぁ」といった感情で捉えることはあまりありません。どちらかといえば、「ここは我慢のしどころだな」のように我慢することを好意的に捉えるようにしています。

 先日もこの我慢についてある方と話をしていたのですが、その話が興味深かった内容でした。そこで今回は我慢について書きたいと思います。

■「俺、我慢しないからさぁ~」

 その方は40代の管理職の方でした。普段から仕事をバリバリされるタイプで歯に衣着せない物言いをされますが、周りからの信頼は厚いタイプでした。その方がいうには、

我慢するというのは、自分と相手との意見が対立している場合に起こること。それであれば、意見を戦わせた方が良い

というのです。

 なるほど、確かにその考え方はとても理解できる考え方だなぁと感じました。

■それじゃ、自分はどうなのか?

 一方、私はといえば、どちらかといえば我慢をしながら話をしていることが多いような気がします。私の場合、

相手と意見が違う場合、お互いが自分の意見を戦わせると対立関係になってしまう。だから、まずは相手の話をじっくり聴き、その上で自分の考えを理解してもらうようにしたい

と考えることが多いです。これは7つの習慣の第5の習慣「まず理解に徹し、そして理解される」の癖がついているからだと思います。正直な所、私も自分の考えを真っ先に相手に伝えたい気持ちはあるのですが、それをやってしまうとこちらの意見を受け入れてもらえなくなると思ってしまうのです。だから、最初は相手の話をしっかり聴こうとします。そのとき「ここが我慢のしどころだな」と感じていることはあります。しかし、そうやって最初にこちらが相手の話をしっかり聴くようにしていると、相手もこちらの話を聴いてくれやすくなります。その結果、対立ではなく、建設的な意見の出し合いができているように感じています。

■我慢の先にあるモノ

 こうやってお互いの意見をぶつけあったり、受け入れ合ったりしながらやがて結論が出てきますが、対立の場合、勝ち負けが発生することがあります。また、最後までお互いが譲らなければ妥協が発生するかもしれません。

 しかし、まずは相手を受け入れることから始めてみると、時としてお互いが意見を出し合い、全く違う結論になることがあります。それは当初お互いが主張していた答えとは全く違う新しい結論です。こういった考え方は相手を受け入れるという我慢の結果ではないかと思うのです。

 我慢をするというのは自分の主張を受け入れられないことに対する感情ですが、ひょっとしたらその先にはより大きな結果を生むことがあるかもしれません。

 そういった話をその方としたところ、「高橋さんは私の話を我慢して聴いてくれたんですね。今なら高橋さんの考えも分かる気がします」とおっしゃってくれました。これも、我慢の結果なのかもしれませんね。

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