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第338回 会話力を上げる方法

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 こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 どの職業でも会話力は必要です。お客様に対して何かを伝えたり、逆にヒヤリングしたりするときもそうですし、上司に対する報告、部下に対する指示など、私たちの仕事は会話の上に成り立っていると言っても過言ではありません。

 これだけ大事な会話力ですが、社会人になるまでに誰かに習う、もしくは学ぶといったことをされてこなかった方が多くおられます。実は私もその一人です。今でこそ話すことが仕事ですので、会話力に関する様々な技術やスキルを習得してきましたが、正直、こういったことはもっともっと早い時期に学んでいれば、人生が変わっていたかもしれないなぁと思うこともあります。。。

 この会話力ですが、早いタイミングで習得しておく方が習得しやすいとは思いますが、どのタイミングで初めても習得は可能だと思います。そこで、今回は私が普段からレクチャーさせてもらっている会話力をアップするための方法をお話しさせていただきます。

■会話力を上げる方法 その1・聴くことを知る

 私のコラムでも散々出てくる「聴く」ですが、まずはこれを習得することが会話力をアップする最大かつ、最短の方法です。

 この「聴く」は傾聴と表現しても良いですが、相手の話を熱心に聴くという側面以外に、相手にたくさんの話をさせるために聴くという側面があることをまず意識していただきます。そのためには「話を掘り下げる」「相手の言葉に反応する」という2つの練習してもらいます。

<話を掘り下げる方法>

相手の話に対して「チャンクダウン+オープンクエスチョン」を使い、具体的に相手の言葉を引き出します

チャンクダウンとは話している対象を小さくすることを意味しており、「具体的には?」「詳しく教えて」のように話の内容を具体化、詳細化することです。

オープンクエスチョンとは人によって答えが違う質問のことで、「このコラムをどう感じられましたか?」のように相手に考えを促すような質問のことです。

つまり、チャンクダウンとオープンクエスチョンをセットに使うことで、相手の考えを促し、相手からたくさんの言葉を引き出そうとします。

<相手の言葉に反応する方法>

相手の話に対して、相槌や頷きをしたり、あなた自身の想いや気持ちを伝えることです。「なるほどねぇ」「うんうん!」「へぇ~、凄いですね!」でも良いですし、言葉が出ないようであれば相手の話したことをそのまま返す「オウム返し」でも構いません。

このように話すことで、相手の話に反応し会話を前に進める力を生み出します。

 実践ではこの「話を掘り下げる」「相手の言葉に反応する」を意識した会話をやってみます。このとき、必ず自分の会話をレコーダーに録音します。そうして一定時間(5~10分程度)会話をした後、その内容を聴き直し、自分の「聴く」スキルがどの程度できているかを客観視するようにします。また、話を聴いていく中で「話を掘り下げる」「相手の言葉に反応する」ことができていなかったシーンがあった場合、そこで一旦再生を止め、今の自分ならどうやって会話をするかを考え、言葉をつくり出していくようにします。

 これを繰り返し練習するだけでも、相当な会話力を身につけることができるようになります。

■会話力を上げる方法 その2・本質を伝える

 ある程度傾聴ができるになってきたら、次はこちらから相手に物事を伝えるトレーニングに入ります。ここでのポイントは相手が伝えていることの本質を考えるようにします。例えば「もう、会社辞めようかなぁ」と相手が言っていたとしたら、「会話を止めようとする意図は何だろうか?」「なぜ、このタイミングでこんなことを話し出すのだろうか?」のように、相手の言葉の裏側にある真意を探し出します。その方法は先ほどトレーニングをした「話を掘り下げる」「相手の言葉に反応する」を使いますが、この本質を考えるような話を癖づけておくことで、相手の言いたいことが自然に理解できるようになってきます。

 この本質を伝えるトレーニングも会話の録音が有効です。会話を後から聴き直すことで相手がその時にどんなことを考えていたのか、どんな言葉をかけてもらいたかったかなどを知ることができます。こうやって相手からフィードバックをもらうことで、言葉の本質にたどり着きやすくなります。

 ただし、相手の言いたいことが理解できるようになったとしても、その本質をまっすぐ相手に伝えてよいかどうかは別問題です。こちらの話をちゃんと聞き入れてもらえるだけの関係性が築かれていればいくら話しても丈夫ですが、そうでない場合に相手の本質に切り込むような話をしてしまうと、相手によっては拒絶されることもあります。

 そのため、本質を伝える場合、相手との関係性も合わせて考えるようしてください。

■会話力を上げることの必要性

 この方法はキャリコンにおける「システマティック・アプローチ」と呼ばれる方法をデフォルメしたモノです。私は過去に会話力をトレーニングする方法をいくつも試してきましたが、今はこの方法が一番シックリ来て、かつ効果が高いと感じています。

 私の経験則ですが、この方法で何日か継続してトレーニングをされると何かしらの効果が出てくる方が多いです。最初にもお話ししましたが、会話力を上げることは私たちの仕事においてとても重要な要素を占めています。

 もし、会話が苦手と思ってらっしゃる方がおられましたら、ぜひ一度チャレンジしてみてくださいね。

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