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第244回 『下剋上受験』を観て思うこと

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 こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 1月になり新しいドラマが始まりましたね。出張が多くてあまりドラマを観る機会がないのですが、気になるドラマはビデオに録っておいて後で観てことがあります。今回のクールでは『下剋上試験』というドラマが気になっていたのですが、先日観ることができました。面白いドラマですっかりハマってしまったのですが、少し思う所もありました。そこで、今回は『下剋上受験』を観て思ったことを書きます。

■『下剋上受験』とは

 この『下剋上受験』は著者である桜井信一さんがお子さんの中学受験を親子で挑戦される様を描いたノンフィクション小説で、今回、阿部サダヲさん主演でドラマ化されました。阿部サダヲさん演じる桜井信一さんは中卒の不動産営業のサラリーマン。学がなくても明るさ、元気さを取柄にこれまで頑張ってきたのですが、あることをきっかけに学歴が必要だと感じ始めます。折しも、山田美紅羽さん演じるお子さんの佳織さんも勉強する必要性を感じ始めます。そうして、親子二人三脚での受験に向けた勉強がスタートする...というのが第1話のあらすじでした。

■学歴は必要か否か?

 このドラマを観ていて一番気になった箇所があります。それは、主人公の信一さんが発したこんな言葉です。

「頑張っても頑張っても『見えない天井』があるんだ。どんなに階段を上がっても、そこから上にはいけない。その上にはもっと素敵な人生があるのが分かっているのに...、もうそこに見えているのに...。どうやったって行けないんだ。そうやって俺が『見えない天井』の下でジタバタしている間に、他のやつらがみんな追い抜いていく。どこかに別の入り口があるんだ。そこに入るには、もっと前に先に選択しなきゃいけなかったんだ。今更戻ることなんてできない、途中からじゃ絶対ダメなんだ! 」

 信一さんの悲痛な叫びが心に刺さります。しかし、私にはこの言葉が「学歴を得ることでサラリーマンとしてどれだけ優遇された人生を送るか? 」ということに聞こえてしまいました。偏差値の高い中学、高校、大学に進んだ後はどれだけ人気のある(一流企業)への就職することではないでしょうか。だからこそ就活生は大変な想いで就活をしています。それは安定性を求める人にとっては価値のある人生なのかもしれませんが、選択肢はそれしかないのか? といわれると、少し疑問が残りました。ちなみに、学歴を得ることのもう一つの選択肢として公務員になる道もありますが、そちらは今回の話と違いますので、割愛いたします。

■大切なことは社会のしくみを知ること

 『下剋上受験』はドラマなので学歴がが必要という前提で話が進んでいきますし、それはそれで良いと思います。しかし、世の中には学歴がなくても社会的成功を収められている方はたくさんおられます。大切なことは、勉強と同じくらい社会のしくみを子どもに教えてあげることではないかと思います。

 例えば会社のしくみ。会社はどのようにしてつくられ、どうやってお金が流れているのか。モノとつくって売っているのなら、材料はどこから仕入れ、社内でどうやって加工し、どこに売るのか? 社長になるにはどうすればよいのか、どうすれば人を雇えるのか? 会社一つを取ってみても学べることはたくさんあります。他にも株や為替、保険など、私たちの生活にかかわっているお金の話もたくさんあります。今の世の中はこういったことを子どものうちから学べる機会が少ないと思います。

 私が行うキャリアコンサルティングでは消去法で何かを選ぶことより、いくつかの候補から選択する方法をお勧めしています。もし、通常の勉強以外にもこういった社会のしくみを学ぶ機会がを子どもの頃からあれば、子どもたちは将来の選択としてサラリーマンだけでなく、その他の選択肢を増やすことができるかもしれません。そして、それは子どもたちの将来を可能性を広げることに繋がるのではないかと思います。

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