第234回 人生の転機や節目について考える
こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。
昇格や転職、結婚や出産など人生の転機や節目がその人のその後のキャリアを決定づけることがあります。実際にキャリアづくりを行う際も人生の転機や節目を意識し、そこに対してどのような行動をとることができるかといった話をさせていただくことがあります。今回は人生の転機や節目とそこから紐づけられるキャリアについて考えてみたいと思います。
■人生の転機や節目を2つに分けると...
人生の転機や節目はその人が意識できることと意識できないことに分けることができます。
意識できる人生の転機や節目には受験、進学、入社、試験など、あらかじめ経験することが分かっている出来事が含まれます。受験に成功、失敗することや希望する会社に入社できる、できないがその後の人生に大きな影響を及ぼすことがあるのは誰しもが経験されていることではないでしょうか。
それに対して、意識できない人生の転機や節目には、昇格、病気、怪我、出会いなど、いつ起こるか分からない出来事が含まれます。転職によって人生が変わる、ある人との出会いがその後に自分の価値観を変える...といったことはよく聞かれる話ですね。
■意識できる人生の転機や節目を使ったキャリデザイン
それでは、意識できる人生の転機や節目を使ったキャリアデザインについて考えてみます。このケースでは、転機や節目となるイベントで成功することを第一に考え事前の準備を行いますので、比較的対策が取りやすく、キャリアデザインを描きやすい傾向にあります。このケースでは人生の転機や節目ごとにキャリアを考え、より良い方向にキャリアプランを作り替えていく流れになりますが、一点注意すべきことがあります。
それは、「イベントで失敗すること=思い描くキャリアをつくれない」ではないということです。希望する会社に入社ができなくても、それ以上に素晴らしいキャリアを描けることはあります。そこを意識した上でのキャリアデザインを心がける必要があると思います。
■意識できない人生の転機や節目を使ったキャリアデザイン
次は意識できない人生の転機や節目を使ったキャリアデザインについて考えてみます。このケースはいつ起こる分からない偶然の出来事なので対策が取りづらく、キャリアデザインを描きづらいかもしれません。しかし、偶然を使ってキャリアデザインをする方法はあり、「計画的偶発性理論」と呼ばれています。このコラムでも過去にご紹介していますので、興味のある方はご覧になってください。
ちなみに、私はこの計画的偶発性理論が大好きで、いつも私の行動の基準にしており、迷ったら計画的偶発性理論に沿って行動するようにしています。過去のコラムにはこの計画的偶発性理論を使って転職した話もありますので、こちらも興味のある方はご覧になってください。
そして、ここ最近2冊目の本を出版する話を書かせてもらっていますが、この本が出版できたのもキーマンとなる人との出会いがあったからこそです。私はそういったキーマンのつながりをもちたいと常々思っていました。そのために「選ばれる力」を継続してやってきたのですが、この「選ばれる力」のベースになっているのが計画的偶発性理論だと思っています。
■人生の転機や節目でキャリアを考える
実はこの人生の転機や節目でキャリアを考えることを「キャリア・トランジション」といいます。そして、このキャリア・トランジションを使ってキャリアを考えることを「キャリア・トランジション・モデル」といいます。キャリア・トランジションの考え方については専門書が多数出ていますのでそちらをご確認いただければと思いますが、端的にいえば、
人生の転機でキャリアを考え行動する
↓
それ以外はキャリアをドリフトされる(流れに身を任せる)
この繰り返しです。ただし、この考え方を実践するためには、人生の転機や節目が必要になってきます。そのためには先ほどご紹介した「意識できる人生の転機や節目」「意識できない人生の転機や節目」を使ったキャリアデザインで自ら転機や節目を呼び起こす必要があるのではないかと思います。
もし、思い描くキャリアがある場合、ぜひご自身で転機や節目を呼び起こしてみてください。きっと、それがあなたのキャリアを実現させる第一歩に繋がっていきます!
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