ITエンジニアへの5分間キャリア・コンサルティングやってます!

第218回 異業種の人と交流をもつ

»

 こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 私は仕事柄、いろんな場所で研修や講演をさせていただいております。そして研修や講演が終わると、懇親会が催されることがあります。こういった場所は受講者、聴講者の方々と直接会話ができるので、とても貴重な情報が手に入ることが多いです。先日もある地方で講演をさせていただいたのですが、それが終わった後の懇親会に誘っていただきました。懇親会は大好きなので二つ返事で参加させていただいたのですが、そのときも聴講者の方々とたくさんの話をさせていただきました。今回はその話の中から、私自身がとても心に残ったお話をご紹介したいと思います。

■2代目社長の苦悩

 そのときの講演はリーダーシップやコミュニケーションに関する内容だったのですが、その講演が終わった後、懇親会にお誘いいただき、参加させていただきました。懇親会の席ではたくさんの聴講者の方々と話をさせていただいたり、いろんな話を聞かせていただきました。その中に、将来2代目社長になられる方がおられました。

 その人はお父さんが社長を務められている建築関連の会社でお仕事をされていました。周りで仕事をしている人たちは職人さんばかりで、その人が一番の若手なのだそうです。しかし、将来はその人が2代目社長となり、会社を経営していかなければならない立場にあるそうです。しかし、ご自身は周りの職人さんを引っ張っていくことができるのかを心配されていました。

 周りの職人さんの中には、その人(2代目社長)のことを快く思っていない人がいるかもしれないのだそうです。それは、技術でも経験でも勝っていない社長の息子が2代目社長として自分たちの上に立たれることを快く思っていないからだそうです。それは、職人という世界で長く生きてこられた方だからこそ出てくる発言なのかもしれません。

 ちょうど、その日の講演では「部下にリーダーシップを働かせるためには、部下のことをもっと知ってください。そのためには部下の人ともっと話をしてください」といったことをお話ししていました。そのことが響かれたのか、こんなことをいわれていました。

「今日の高橋さんのお話はとても考えさせられました。私は将来社長を務めることになると思うのですが、周りの職人さんはすべて私よりも年齢が上で、技術経験も勝っています。今まではそういう人たちに対してどうしてリーダーシップを働かせられるのかを考えていました。しかし、リーダーシップを働かせるためにはまずその人たちのことを知らなければならない。そして知るためには話をしなければならない。私はその職人さんと話をすることを避けていたかもしれません。それではどうやってもリーダーシップを働かせることはできませんね。まずは、職人さんと話すところから始めてみます」

 私は建築業界で仕事をしたことがないので、正直なところ、職人さんといわれても知識でしか分からない所があります。それでも、こうやって生の声を聴かせていただくことで、本当にその人は苦労なさっており、何とかしたいと思っておられるのだろうなぁということをヒシヒシと感じました。そこで、職人さんに対するアプローチの方法を私なりの言葉でお話しさせていただきました。

■異業種の人と交流をもつ

 恐らく、その方と私とは年齢が20歳近くも離れていると思います。しかし、その人の置かれている状況や行動はとても心に残りました。こういった経験は自分の経験してきたIT業界だと、なかなか感じることはできないのではないかと思いました。それは、トラブルや困ったことが起きたとき、自分の知っている業界だと、これまでの経験からどうやって対処すればよいか、ある程度の見立てをつくれるからだと思います。

 だからこそ、自分の知らない範疇、いい方を変えるならば異業種の人の話は心に残りやすいのかもしれません。そして、こういったお話は自分の知見や考え方を広げるきっかけになると思います。話を聞かせてもらった人に対しての素直な尊敬の念、異業種故に力になれるかどうか分からない状態だからこそ伝えられること...、いつもそうですが、私は異業種の人とお話をさせていただくとこのように感じてしまいます。

 もし、異業種の人とお話をする機会がありましたら、ぜひいろいろ話をしてみてください。それがあなた自身の知見や考え方を広げるきっかけになるかもしれません。

Comment(0)

コメント

コメントを投稿する