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第209回 理想と現実の妥協点を考える

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 こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 このコラムでも不定期にお知らせさせてもらっている出版の件ですが、現在佳境に入っています。詳しいお話はもう少しすれば紹介できる段階になると思うので、この段階では控えさせていただきますが、現在は校正の作業を行っています。しかし、私自身の才能のなさなのか、ここのところかなり四苦八苦しながら原稿に向かっています。今回はそんなお話です。

■出版の進捗、現在の状況など

 ある出版社から初心者向けプログラミングの本を出版させていただくことになり、昨年末からずーっと原稿を書いてきました。お陰様で原稿は無事書き終わり、現在は校正の段階入っています。通常、校正は数回行われるようで、今回の本も最低2回は校正することになっています。現在は1回目の校正の段階ですが、ここにきて困った問題が起きています。

 というのも、私が書いた原稿量がかなり多すぎて本に入り切らないことが分かったのです。初心者向けに、丁寧に、を心がけて書いた結果、どうやら通常の2倍の分量を書いてしまったみたいなのです(汗) そのため、現在は元々想定されていた原稿量に圧縮する作業を日々行っています。

 元々、原稿を書く段階で、最初は文字数を少なくし、後から文字数を増やすことより、最初から文字数を多くし、後から削る方が楽だと思っていました。しかし、現実は全く逆でした。文字を削るということは、自分の表現の無駄な部分を省くことはもちろんですが、それでも削り切れなかった場合にコンテンツそのものを丸々削ることを考えなければならなかったりします。中には120ページある原稿を30ページまで圧縮しなければならないコンテンツがありました。ここまで圧縮してしまうと、もはや原型が留められないのではないか? と思ってしまうほどでした。

 原稿を書く場合、著者は著者なりの想いや考えを文章に込めます。このコンテンツではこういったことを説明したい、伝えたいなど。しかし、本を出版するのはあくまで出版社です。出版社には出版社の望む本の形があります。例えば、本のページ数などは本のマーケティングにとってとても重要な要素なのだそうです。そのような中で、著者の伝えたいことが伝わらないのでページの削減には応じません! といってしまうと、出版社はそもそも何のために著者に原稿の執筆を依頼をしたのかが分からなくなります。そのため、著者は出版社の意向を組んだ原稿づくりが求められます。そこは勘違いしてはいけないと、常々、私自身も思っているつもりです。

■理想と現実の妥協点

 ただ、それは分かっていてもどうしても削ることができないことが、これまでに何度かありました。そのときはアイディアをひねり、いろんな案を出して何とかして原稿を削ることができていました。しかし、それでもこれ以上は削れない、これ以上削ると趣旨が変わってしまうという所まで来てしまった原稿がありました。

 そのときは「どこを削っても伝えたいことが伝わらなくなる」「原稿そのものが破たんしてしまう」といった考えが頭の中をグルグル回り、どうしてもこれ以上原稿を削ることができなくなってしまいました。そこで、そのことを正直に編集者さんに伝え、別のパートを圧縮率を高くすることで代替させてもらいたい旨を伝えました。その結果、編集者さんもその案を聞き入れてくださったことがありました。

 思えば、この「原稿を削ることができなくなってしまった」所が、私にとっての理想と現実の妥協点だったように思います。正直な所、自分の中に妥協点をつくってしまったことが良かったことなのかどうか、今の段階では判断がつきません。もちろん、出版社さんのことを考えれば予定どおりのページ数になるまで圧縮作業を続けるべきだったと思います。しかし、著者として伝えたいことのギリギリのライン(と私自身は思っています)を保つことができたことは良かったとも思います。こればかりは、実際に本ができ上がってみないことには判断がつかないような気がしています。

 理想として掲げている所と現実としてやらなければならない所。実際の作業はそのせめぎ合いになることが多いと思います。だからこそ、私は妥協点を意識して仕事をする必要性を感じています。このラインを超えると自分の理想が実現できなくなる、このラインを超えると現実問題として仕事が成り立たなくなる…、実際にはそこに様々な要素が絡んでくるのだと思います。しかし、そういったことを考えながらバランス良く仕事をすることで、仕事の質というモノを高めていくことができるのではないか、と今回のことを強く感じました。

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