第202回 新卒社員との接し方
こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。
4月は入学や入社の季節ですね。私は移動でよく新幹線を使うのですが、4月1日に新幹線を使ったときはリクルートスーツの新社会人の方々を多くみかけました。これから入社式に向かうのか、研修会場に向かわれるのか、それともいきなりお仕事に向かわれるのか、そんなことを考えながら彼らをみつめていました。
そういう私自身もこの時期は新卒社員研修のお仕事をさせてもらっているので、新卒社員の方を触れ合う機会が多くあります。しかし、これは毎年のことなのですが、正直な所、彼らとどのように接すればよいか、いつも悩んでいます。そこで、今回は新卒社員との接し方について、今思うことを書きます。
■新卒社員との接し方で気持ちがモヤっとすること
私は研修の講師なので、新卒社員に技術やスキル、知識などを提供することが仕事です。そのため、研修中は極力彼らの目線に立ち、言葉を選んで研修を提供しているつもりです。私自身、新卒社員向けの研修は毎年行っていますので、ある程度自分なりのやり方は確立されていますし、新卒社員への対応の仕方も自分の中にできていると思っています。しかし、私の対応が彼らにとって本当にプラスになっているのか? 私の接し方は彼らのパフォーマンスを上げることにつながっているのか? そう問われると、そういい切れない部分があるような気がしています。
例えば、こちらの応答に対して何かしらの反応を示してもらえる人であれば、それが良い反応であれ悪い反応であれ、対処をすることはできると思っています。しかしながら、中には何の反応も示さない新卒社員もおられます。こういう人には追加でいろんな会話を試みるのですが、暖簾に腕押しのような状態が続き、全体的に反応が鈍い(薄い)のです。そうなると、私の対応がその人にとって正しかったのか、それとも間違っていたのか、判断そのものができません。そしてそれが続くと、私もその人だけに時間を割くことができなり、自然と反応を示してもらえる新卒社員の方に目が向いてしまいます。
ここまでの話だけなら、「反応がない人はほおっておいたら? 」のような答えになるかもしれません。しかし、この反応が鈍い(薄い)新卒社員には悪気がまったくないのです。単にコミュニケーションが苦手なあまり、このような態度をとってしまっているだけなのです。だからこそ、私がこの新卒社員に対して、何ともハッキリしないモヤっとした感情が残るのです。
■反応が鈍い(薄い)新卒社員への接し方
それでは、反応が鈍い(薄い)新卒社員にはどのように接すればよいか? ここまでコラムを書いて思うことなのですが、私の場合、相手の新卒社員にどうのように成長してもらいたいか、それを考えた上で会話をした方が良いと思いました。キャリアコンサルティングをやっているときもそうなのですが、私が相手のキャリア形成を考える場合、相手の置かれている状況を踏まえた上で、相手が本当に目指したいと思えることを考えながらキャリアコンサルティングを行っています。それをそのまま生かせばよいのでは? と思いました。
つまり、相手の反応が浅い(薄い)場合は、
- 私がその新卒社員に対して何が提供できるのか? を考えた上で接する
- 反応がなかったとしても、間に時間を置くなどして、再度接する
こういうことに尽きるのかなぁと思います。そして、この行為は「私が相手にどのようになってもらいたいのか? 」を相手自身に分かってもらうことだと思いました。これは決して押し付けなどではなく、私の気持ちや考え、思いを会話を通じて自然に相手の体の中に染みこませることをイメージしています。ひょっとしたら時間はかかるかもしれませんが、こうすることで相手の行動変容を生み出すかもしれないと思いました。
今年はこのような態度で新卒社員と接してみたいと思います。また、何か変化がありましたら、このコラムで報告させていただきます!