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第197回 自己出版の可能性

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 こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 最近、「MyISBN」というサイトを知りました。ここは自己出版を支援するサイトで、書籍を出版する際に必要となるISBNコード(国際図書標準コード)の取得から書籍の出版まで行えるようになっています。ちょうど私も現在は2冊目の出版に向けて原稿書きの真っただ中で、いろいろと思うことがありました。そこで、今回は自己出版の可能性について書きたいと思います。

■自己出版の現状

 一般的に紙媒体で自己出版をする場合、書籍の作成にかかるすべての費用を著者自らがまかなわなければならず、総額数百万円を超えるケースもあります。更に、本屋さんに書籍を卸す作業も著者が行わなければならないこともあり、一般の方にはちょっと手が出しい印象がありました。

 そこで、この欠点を補うために電子書籍で自己出版をする方法が生み出されました。書籍の媒体が電子データの場合一般の本屋さんで流通させることはできませんが、Kindleやタブレット、スマートフォンなどのような専用機器を使って書籍を読むことができるようになります。また、ここ数年の間に電子書籍の出版の受け皿となるAmazonのようなサイトも充実してきており、電子媒体の書籍は紙媒体と遜色のないレベルで書籍を出版することができるようになりました。

 しかし、このことは「自己出版=電子書籍」という印象を受けつける結果となってしまいました。自己出版は電子書籍として出版するイメージがついてしまい、紙媒体で書籍を出版することや、一般の本屋さんに取り扱ってもらうことが難しい印象を与えてしまったように思います。

■MyISBNのサービス

 「MyISBN」とはデザインエッグという会社が運営している自己出版を支援しているサイトです。具体的には以下のようなサービスが提供されています。

  • 電子データ(PDFファイルなど)からの書籍の作成
  • ISBNコードの取得
  • 紙媒体での書籍の作成

 これらを4,980円で実現することができるそうです。この中で特筆すべきは「紙媒体での書籍の作成」です。通常、書籍を印刷する場合、まとまった部数(数百~数千部)をまとめて印刷します。そのため、当然コストがかさむのですが、MyISBNでは1冊から印刷することができるのだそうです。しかも、注文が入ってから印刷する流れになっており、実質印刷にかかるコストを著者がもち出す必要がないそうです。そのため、Amazonなどで自己出版の書籍を注文すれば、2日程度で自宅に紙媒体の書籍が届くのだそうです。

 また、印税が10%に設定されており、数十冊も売れれば出版にかかるコストが回収できる点も大きなメリットだと思います。

■自己出版の可能性

 商業出版で紙媒体の書籍を出版する場合、著者がもち出すお金は1円もなく、すべて出版社が負担します。だからこそ、著者は出版社の意向(内容やスケジュールなど)に沿った原稿の執筆が求められます。また、書籍の品質や出来は出版社によって担保されており、本屋さんへの販路も出版社が確保しています。

 私は自己出版が難しいとされるのはこれらの点だと思っています。当然のことですが、自己出版の場合は書籍の品質や出来は著者自身が担保しなければならないですし、本屋で出版するのであれば、著者自らが営業活動で販路を開拓しなければなりません。

 しかし、やり方を工夫すれば、自己出版というのはとても魅力的な出版方法に成り得ると思います。

 例えば、自己出版で書籍をつくり、それがAmazonで販売することになったとします。これまでであれば電子媒体でしか買えなかったのが、これからは紙媒体でも買えるようになるのです。そのため、読者は電子蜂媒体か紙媒体かを自由に選べるので、以前のように電子機器をもっている人だけに限定されなくなりました。このことは単純に読者層を広げることにつながると思います。

 更にISBNコードをもった書籍なので、紙媒体にすれば一般の本屋さんでも取り扱うことができます。そこで、本屋さんに自分の書籍を置いてもらうという考え方ではなく、紙媒体の書籍を受け取る手段と考えるとして本屋さんがあると考えると、そこに価値はあるのではないかと思います。

 そのため、これまで書籍を出版したことのない人であっても、ブログやコラムなどで何かしらのネームバリューを持っている人であれば、自己出版で自分の著作物を出版することは決してマイナスなことではないと思います。また、既に商業出版で書籍を出版している人にとっては、手軽に自著を出版する手段に成り得ると思います。

 もし、自分の書籍を出版してみたいなぁと思われる方がいましたら、ぜひ一度「MyISBN」を覗いてみてください。あなたの可能性が広がるかもしれませんよ!

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