第122回 欲しいモノを手に入れたら?
こんにちは、キャリア・コンサルタント高橋です。
ついにiPhone6が発売されました。私はAndroidユーザーなのでiPhoneの発売日はそれ程重要な日ではないんですが、iPhoneユーザーからすると一大イベントのようですね。発売日が近づくと、いつもニュースで発売日当日に入手しようとする人たちがつくる行列のことが報じられます。そこで、今回は欲しいモノを手に入れることについて、思うことを書いてみます。
■手に入れるまでの気持ちと、手に入れた後の気持ち
新しいiPhoneの発売が近づいてくると、よく何日も前からApple Storeの前に陣取って発売日当日にiPhoneを入手しようとする猛者がニュースになります。今年は転売目的の人もいたようですが、大半はiPhone6をいち早く手に入れたいと思っているヘビーユーザーのようで、そのモチベーション、バイタリティは、正に「すごい」の一言です。
そして、ようやくのことで手に入れたiPhone6は開封の儀が行われます。ひょっとしたらこのときのテンションがMAXなのかもしれません。初めて触る感触、かすかに香る匂い、このときのiPhone6は、その人にとっては神器のような神々しさまで身にまとうのかもしれません。
その後、電源が入れられ、いよいよiPhone6を起動します。今回のiPhoneはカメラ機能がすごいらしいからカメラを触ってみよう…、おぉ、凄いぞこれ! iOS8の使用感も試してみよう…、おぉ、こんな感じになってるのかぁ!
そうこうしているうちに数時間経過し、一通りiPhone6を触りつくします…、ふぅ、大体こんな感じかぁ。それじゃ、細かいことは追々やっていけばいいか…。そうして、iPhone6は充電という眠りにつきます。既にこの頃になると、開封の儀でMAXになっていたテンションもすっかり普通の状態に戻っています。ひょっとしたら、以前のiPhoneの状態に近づけるためにアプリやら設定やらをいじくらなければならない面倒臭さから、逆にテンションが下がっているかもしれません。
■上がったテンションが下がってしまうのはなぜか?
MAXになったテンションが下がってしまうのはなぜでしょう? それは、iPhone6を手に入れることが目的だったからです。いざiPhone6が自分のモノとなると、その時点でその人の欲は満たされます。欲が満たされると、徐々にその状態が普通になってきます。そう、そこにはiPhone6を欲しがり、ネットの情報を拾い集めて胸躍らせていた自分はもういないのです。今はそのiPhone6をどうやって使いこなすかを考える自分しかいないのです。ひょっとしたら、それは、それほどテンションの上がることではないのかもしれません。
しかし、iPhone6は現時点で最高レベルの性能を備えたスマートフォンだと思います。それを使いこなすことができれば、その人の可能性は今以上に広げられるかもしれません。そんなiPhone6を使いこなすということにテンションが上がらないのは少し勿体ないような気もします。。。
■キャリアを手に入れるまでと、手に入れた後
この話はキャリアについても同じようなことがいえます。あるキャリアに到達することを目的とした人が、そこに行き着くまでは高いテンションでキャリアづくりをしていたところ、キャリアに到達した途端、モチベーションを下げ、やる気を失ってしまうことがあります。
そのため、キャリアづくりをする際は、キャリアに到達することを目標とするのではなく、キャリアに到達した後にやりたいことを目標にすることをオススメしています。つまり、キャリアに到達することはその人の目的を実現するための手段と捉えるのです。このように考えることで、キャリアに到達した後にモチベーションを失うことを防ぐことができます。また、あるキャリアに到達した後、しばらくの間、そのときの状況に身を任せるという「キャリア・ドリフト」という考え方もあります。
このようなキャリアづくりについては、以前、「ひとりでできる!ITエンジニアのキャリアデザイン術 ~望みをかなえる「壁」の越え方」という本に細かく書かせていただきましたが、今回、楽天kobo様んで半額セールを実施していただくことになりました! 9/23までの期間限定ですので、興味のあるからはぜひご覧ください!