第117回 曖昧さをなくす
こんにちは、キャリア・コンサルタント高橋です。
以前、ある打合せにオブザーバーとして参加させてもらったことがありました。その打合せは今後の仕事の進め方について関係者の意識合わせをする場だったのですが、どうも会話がかみ合っていませんでした。そこで、急きょファシリテーターとして場の調整役をさせてもらったのですが、今回はそこで感じたことを書きたいと思います。
■会話がかみ合わない原因
その打合せでは現場サイドが求めることと会社サイドが考えていることのコンセンサス(合意形成)を取ることが目的だったのですが、どうも話がかみ合いません。
現場サイド「このままのやり方じゃ、現場はうまく行くはずありませんよ! 」
会社サイド「それじゃ、やり方を改善していくように対応していきますから 」
現場サイド「そうじゃないんですよ! 」
会社サイド「それじゃ、これからどうしろっていうんですか! 」
感情的になっているような話ですが、実はお互いの伝えたい所が相手に伝わっていないことが原因であるように感じました。そこで、お互いが何を考えているのかを伝え合ってもらいました。すると、このような答えが帰ってきました。
現場サイド「現場サイドがゴネてると思って、納得させようとしているのでしょ? 」
会社サイド「現場のやり方がうまくいってないので、それを改善してほしいといっているのでしょ? 」
そして、お互いに相手の考えていることが正しいかを聞いてみました。すると、現場サイドも会社サイドも「違う」と答えました。つまり、どちらも相手サイドに伝えたい内容が根本から違っていたのです。
■会話がかみ合わなくなる、そもそもの原因
お互いがいいたいことは、本当はこうでした。
現場サイド「これまでの現場のトラブルを理解してもらいたかった。現場のことを現場抜きで決めないでほしかった」
会社サイド「会社は現場のトラブルを解決し、現場サイドに現場の運営を円滑に進めてもらいたかった」
お互いの考えを理解し、何とかこの場は収まるような感じになりました。しかし、問題はこの後にありました。
両サイド「それじゃ、これからは現場の運営が円滑に進むように正しくやっていきましょう! 」
この言葉で現場サイドも会社サイドも納得し、打合せがお開きになろうとしていたので、ひとつ質問してみました。
高橋「正しくやっていくってどうやってやるんですか? 」
すると、「お互いが連携を密にとって…」とか「相談することをちゃんと伝えあって…」のような答えしか返ってきませんでした。結局、「正しくやっていく」ことが具体的に何をすることなのかが明確になっていませんでした。そこで、こういった曖昧さがお互いの会話がかみ合わなくなるそもそもの原因であることを伝え、「正しくやっていく」ことを具体的に決めてもらい、会議の場はお開きになりました。
■曖昧さをなくす
このように一見するとうまく行くようにみえても曖昧さを残しておくことで上手く行かなくなることはたくさんあります。これはキャリアづくりにおいてもいえることです。キャリアづくりでは最後にキャリアの設計書(キャリアプラン)を作成しますが、このとき曖昧な言葉でキャリアプランを作ってしまうと、実際にキャリアづくりを行うときに何をしたらよいか分からず、行動に移せないことがあります。
このようなことにならないためにも、何事も計画をつくる上で曖昧さをなくすことを心がけることが、計画を実現する上で必要なことではないかと思います。もちろん、打合せのような場で曖昧さをなくすことを心がけるのも大切なことですね。