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第107回 商業出版のススメ2 出版企画書をつくる

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 こんにちは、キャリア・コンサルタント高橋です。

 前回から「商業出版のススメ」として、私が商業出版した経緯をお話ししています。2回目となる今回は商業出版に必要な企画書についてのお話しです。

■企画出版を実現するためには企画書が必要!

 前回のコラムで、私が企画出版に挑戦することをお話ししました。前回の振り返りですが、企画出版とは著者自らが本のテーマを作成し、それを出版企画書や原稿の形で出版社に売り込み、出版社がその企画を採用することで出版に至るケースです。

 本来は原稿を全て書き上げた上でその原稿を売り込むのが一番理想的なのですが、一冊の本を書き上げるにはそれ相応の筆力が必要になります。また、実際の出版では編集者との調整で内容が変わることもあるため、予め一冊の本を書き上げていたとしても、何かしらの手直しが入るため、必ず手戻りが発生します。そのようなことを考えると、先に企画を通しておいた上で、まとまった単位(章単位など)に原稿を書き上げ、それを編集者にチェックしてもらいながらつくった方が編集者の意向が反映されやすく、著者としても手戻りが少なくなります。

■出版企画書をつくる

 そのようなわけで、私の場合は最初に出版企画書の作成から取り組みました。しかし、出版についてはズブの素人なので、どのような内容を書けばよいかさっぱり分かりませんでした。そこで、以下の本を参考にしました。

「ビジネス書」を書いて出版する法―あなたのビジネス経験とノウハウを商業出版しよう!

 この本に書かれてある内容に従い、この本の著者である畑田先生にアドバイスをもらいながら企画書を作成することにしました。そうしてできあがった企画書はこのような構成になりました。

【出版企画書の構成】

  1. 表紙
  2. 企画概要
  3. 類書との違い
  4. ターゲット層
  5. 販売促進案
  6. 目次
  7. サンプル原稿
  8. 略歴と連絡先

 これだけだと少し分かりづらいので、今回は私が実際につくった出版企画書を紹介します。

publication plan.pdf

 この出版企画書をつくったのはおおよそ1年ほど前になりますが、出版した内容と見比べてみると、いろいろなところで内容が変わっています。特に目次については大まかな構成は替えていないものの、実際に執筆する段階大きく内容を変えている章があります。興味のある方は技術評論社の電子書籍出版サイト(Gihyo Digital Publishing)に詳細な目次が載っていますので、企画書との違いを確認してみてください。

■出版企画書が出版社に採用されるまで

 こうしてできあがった出版企画書は郵送で出版社に送りました。かなりの数の出版社に出版企画書を送りましたが、殆どの出版社からは出版可否の連絡はありませんでした。それでも、数社からは連絡をいただけましたが、それでもその連絡は1~数カ月後でした。

 このような状況だったため、この企画での出版は難しいと思い、別の企画書をつくろうとしていた矢先に、今回出版させていただくことになった技術評論社から出版できる可能性があるとの連絡をいただきました。そのときの連絡では、

  • 電子書籍での出版の可能性がある
  • 検討会議にかけるにあたって、著者プロフィールを送付してもらいたい

この2点の連絡がありました。そこで、新たに著者プロフィールを作成し、検討会議にかけてもらうことになりました。

 そこから約1カ月ほどして出版社から連絡があり、最終的な判断のために第1章分の原稿を作成、送付してもらうように依頼がありました。この段階で既に第1章の原稿は書き上げていましたので、それを推敲し直し、送付しました。

最終的な判断:著者の筆力を計る上で既存の著作物がないため、原稿の作成を依頼されたとのことです。

 そして、数日後、出版社から連絡があり、正式に電子書籍化を前提とした出版化のお話しをいただきました。

■出版企画書を公開した理由

 今回も長くなったので、ここまでといたします。今回、出版企画書を公開させてもらいましたが、その理由を書きます。本来であれば、こういった資料を表に出す必要はないと思います。しかし、本気で出版を目指そうとされている方は、何か一つでもいいので情報が欲しいと思うのです。実際、私がそうでした。

 今、このコラムは「商業出版のススメ」として商業出版のことを書いていますので、本気で商業出版を目指されている方に何か情報を提供できないかと考え、私が書いた出版企画書を公開することにしました。この出版企画書がどれだけ参考になるか分かりませんが、少しでも商業出版を目指される方の後押しができれば幸いです。

 そんなわけで、この出版企画書から生まれた本は、現在、Amazon楽天Kobo技術評論社電子書籍出版サイト(Gihyo Digital Publishing)で絶賛発売中です! ご興味のある方はぜひチェックしてみてくださいね!

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