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第108回 商業出版のススメ3 原稿を執筆する

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 こんにちは、キャリア・コンサルタント高橋です。

 今回で「商業出版のススメ」も3回目になりました。前回は出版企画書を作成し、出版社から企画が採用されるまでのお話しをしました。今回はその先の原稿を執筆する所をお話ししたいと思います。

■商業出版に求められる執筆期間と原稿量

 出版企画書が本採用になると、次は原稿の作成に入ります。原稿を作成するにあたり、最初に大枠のスケジュールが決められます。私の場合は約1カ月程度で原稿を作成するように依頼があり、書き上がった原稿は章単位で編集者に送り、逐次確認してもらう流れで進めることになりました。

 原稿を執筆するにあたり、編集部から文字数の指定はなかったのですが、当初から普通に本屋さんで売られている書籍と同じだけの分量を想定していたので約10万字程度を執筆するつもりでした。最終的には8万文字程度に落ち着きましたが、換算すると1週間あたり約2万文字程度のスピードで執筆していたことになります。他の商業出版でどの程度の執筆期間と原稿量が求められるか分かりませんが、もし、これから企画出版にチャレンジしようという方は1週間あたり1~2万文字程度をの原稿を執筆することができる筆力が必要になるのではないかと思います。

 これは、編集者の方が仰っていたことですが、企画出版が通って実際に原稿を執筆し始めても、原稿の提出が遅いと企画自体が流れてしまうことがあるそうです。また、いざ原稿を執筆してみたところ、文章があまりに稚拙だったために企画が流れてしまうこともあるそうです。幸い、私の場合はどちらのケースにもあてはまらず大丈夫でしたが、それでも1週間に約2万文字というのは、正直かなりキツい数字でした。実際は原稿の執筆後、校正をしてから編集者に原稿を送るため、1日あたり約4千文字程度は書いていたと思います。この数字は普段書いているコラムの2~3話分の量だったので、毎日3~4時間程度は執筆にあてていたように思います。

■原稿を執筆中に内容を変更したくなったら

 企画出版の場合、予め出版企画書に目次を載せていますので、原則はそのとおりに執筆する必要があります。しかし、執筆している途中でどうしても内容を変えたくなることがあります。私の場合、各章の内容は決まっていましたが、細かな内容は構成を含め、執筆段階で相当変わりました。本来、このようなことが起きた場合は編集者の方と相談した上で決めるのですが、私の場合、企画の段階では図や表などを挿し込むことは想定していなかったため、原稿を執筆した段階で、章の構成が変わってしまいました。

 また、後から継ぎ足したい内容が出たとき、単純に節を増やして対応するのか、それとも章末に付記するコラムのような扱いがよいのかといったことも考えなければなりません。これらは、筆者の独断で決めるのではなく、編集者の方と相談し、お互いに意見を出し合いながら結論づけていきます

結論づけていきます:私の場合は章末にコラムの形で追加させてもらいました。

■読者特典(おまけ)について

 また、編集者の方と話をしているときに、この本を読んでいただいた方に対する特典(おまけ)の話が出てきました。このようなことは必ずやらなければならないということではないのですが、せっかく本をご購入いただき、読んでいただいた読者の方に何かお返ししたいということで読者特典(おまけ)をつけられる著者の方もいるようです。今回、私が出版させていただいた本はひとりでキャリアづくりを行う方法を書いた本なので、それをバックアップできるような特典(おまけ)を付けたいと思っていました。そこで、以下のような特典(おまけ)を用意することにしました。

  • 本の中で使用したキャリアづくりのためのシート(キャリアプランシート)
  • メールによる無料キャリア相談(1回分)

 無料キャリア相談については最後まで考えましたが、本を読んでもどうしてもひとりでキャリアづくりが行えない場合、本の著者としてそのサポートをさせていただく必要があると考え、これを特典(おまけ)にさせてもらうことにしました。実際は読者の方の生の声をいただくこともでき、やってよかったなぁと思っています。

■本を出版するということ

 本を出版するということは、自分の考えをたくさんのひとに伝えることでもあると思います。それによって人との繋がりを生み、それが新しいキャリアに繋がっていくものだと思っています。ちょうど、コラムニストのabekkanさんも電子書籍での出版を実現されました。

「忙しいSEも育児ナシを卒業!」 ~教えてクンにさせない子育て~

 内容は、普段身の回りに起こる出来事や発見で得られる気づきを、育メンのabekkanさんらしい切り口で語られています。話のネタも50以上あり、次から次へと引き込まれる内容で、かなり読みごたえがあります。きっと、abekkanさんがこの本を出版されることで、新たな人との繋がりができてくるのだと思います。

語られています:何と、abekkanさんへの突撃インタビュー動画もあります!

 今にして思うと、出版は正直大変なことばかりでした。しかし、それを実現できたときの見返りは想像以上のモノがあります。そして、今、誰しもが出版できる時代になってきました。出版をすることでキャリアづくりを行う、そんな時代が来ているのかも知れません。出版に興味のある方はぜひチャレンジしてみてください!

 ということで、私の本はAmazon楽天Kobo技術評論社電子書籍出版サイト(Gihyo Digital Publishing)で絶賛発売中です!

Comment(2)

コメント

abekkan

紹介していただいて、ありがとうございます。

高橋さんは、かなりのスピードで毎日3,4時間もがんばって書いていたのですね。すごいです。私はだいたい書いたものが貯まった状態で書籍化を進めたので時間的には余裕がありました!

abekkanさん、

今にして思えば、企画書を出版社に送った後、暫くの間は時間が空いていたので、そのタイミングで下書きレベルでもいいので原稿を書いておけばよかったなぁと思いました。
その意味では、普段から書き留めておいた内容を書籍化するのは著者にとっては理想的ですね。

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