ITエンジニアへの5分間キャリア・コンサルティングやってます!

第105回 ITエンジニアは広く浅くあるべきか? それとも狭く深くあるべきか?

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 こんにちは、キャリア・コンサルタント高橋です。

 ITエンジニアのキャリコン(キャリア・コンサルティングのこと)をしていると、大抵は技術スキルの身につけ方について話が及びます。そのとき、「広く浅く」技術スキルを身につける方がよいか、それとも「狭く深く」技術スキルを身につける方がよいかといった話題がよく出てきます。そこで、今回はこの「広く浅く」と「狭く深く」について考えてみます。

■「広く浅く」のいい分

 技術スキルを「広く浅く」身につけようと考えるITエンジニアは、自分が対応できる業務を広く捉えようと考える人が多く、いうなればゼネラリスト的な位置づけと呼べるかもしれません。例えば、Webアプリケーションの開発もできるし、インフラ構築もできるといった考え方です。

 このように広く技術スキルを身につけることは、そのときの技術トレンドに左右されづらいというメリットがあります。ITエンジニアの市場は技術トレンドによって、その時々で求められる人材像が変わりますが、広く技術スキルを身につけておくことで、市場がどのような技術トレンドになったとしても、ある程度上手に渡りあることができるようになります。しかし、その反面、一つひとつの技術スキルは浅いので、深い技術スキルを求められる案件には対応しづらいというデメリットがあります。

■「狭く深く」のいい分

 技術スキルを「狭く深く」身につけようと考えるITエンジニアは、自分が対応できる業務を絞り、その業務について深い技術スキルを習得しその業務の専門家となろうとする人が多く、こちらはスペシャリスト的な位置づけと呼べるかもしれません。例えば、人事給与システムにおける計画の立案、要件定義、設計、製造、テスト、導入、保守といった一連のシステム開発業務を全て請け負うことをできる、人事給与システムの専門家ような考え方です。

 このように狭く深く技術スキルを身につけることは、その業務に深く関わることができるようになるため、難易度の高い仕事や、責任者的な立場での仕事が求められやすくなるというメリットがあります。また、それに伴い契約単価が上がりやすくなる傾向もあります。しかし、その反面、専門とする業務が市場から求められなくなった場合やニッチな業務だった場合、仕事自体がみつかりづらくなるというデメリットがあります。

■技術スキルを身につける本当の理由は?

 ここまでで技術スキルを「広く浅く」「狭く深く」身につける場合のメリットとデメリットをみてきました。それでは、冒頭の話に戻り、どちらの技術スキルの身につけ方がよいのでしょう? それぞれにメリットとデメリットがあり、一様に比較することは難しそうです。

 しかし、それ以前にこの技術スキルを身につける本当の理由は、あなたに実現したいキャリアがあり、そのキャリアをつくり出すために技術スキルを身につける必要があるからではないでしょうか。そう考えると、「広く浅く」「狭く深く」のどちらが優れているかというよりも、あなたが実現したいキャリアに適している技術スキルの身につけ方が「広く浅く」の方が適しているのか、「狭く深く」の方が適しているのかで考えた方がよいと思います。例えば、ITエンジニアとして仕事を長く続けられればいいというキャリアを目指すのであれば「広く浅く」技術スキルを身につけた方がよさそうですし、Androidアプリの開発者になりたいというキャリアを目指すのであれば「狭く深く」技術スキルを身につけた方がよさそうです。

 このように、キャリコンでは技術スキルはあくまであなたのキャリアを実現させるための手段であると考え、あなたのキャリアを実現させるために最適な方法を探すように勧めています。

■商業出版の状況など

 さて、毎週報告させていただいている商業出版の状況ですが、現在は校正が完了後、出版社内での制作作業が一度終了し、電子版のデータが仮作成され、それを検証している段階だそうです。その作業が終了後、各書店向けのメタデータを作成、そこから最終データを完成すると完全校了となるそうです。完全校了後は、各書店へのデータ登録作業や設定を行い、これで出版準備が完了になるそうです。

 これらのスケジュールを踏まえ、発売日が5月30日(金)に決まりました! 今週末には発売されるそうですので、もし興味のある方は、ぜひチェックしてみてください!

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