第102回 自分のやりたいことができない
こんにちは、キャリア・コンサルタント高橋です。
前回のコラムでは、自分のやりたいことがみつけられないITエンジニアに関するコラムを書かせていただきました。今回はその逆で、自分のやりたいことがみつけられているけれど、その仕事に就くことができないITエンジニアについて考えてみたいと思います。
■自分のやりたいことができない人に共通する、ある経験
前回のコラムとの対比になりますが、自分のやりたいことできない人についてもある似通った経験があるように思います。それは以下のような経験です。
- 仕事(=あなたがやりたいこと)を選任する人が自分を選んでくれない
考えてみたら当たり前の話ですが、やりたいことができないというのは、やりたいことを自分で選べない状態になっているからです。さらにいえば、あなたがやりたいことであるその仕事を選任する人があなたを選んでくれないからです。そう考えると、あなたがやりたいことをするためには、その仕事を選任する人があなたを選んでくれなければならないということになります。
■あなたが選ばれない理由
仕事を選任する人があなたを選ばない理由は一体何でしょうか? 個人的な感情を抜きにすると、概ね以下のような理由になるのではないでしょうか。
- 能力がない
- 仕事のポジションに空きがない
- 今の仕事が抜けられない
この3つの理由はすべて満たされる必要があり、1.から順番に条件を満たしていく必要があります。
「1.能力がない」というのは、あなたがその仕事をするために必要な能力をもっていないと、仕事を選任する人が考えている状態です。そのため、この状態にある人は、自分に仕事をするための能力がもっていることを、仕事を選任する人に認めてもらう必要があります。もし、あなたの能力が不足しているのであれば、この段階で能力を補うような手立てが必要になります。この段階を満たすと、2.に進みます。
「2.仕事のポジションに空きがない」というのは、あなたにはその仕事をするために必要な能力をもっていることを仕事を選任する人が認めているものの、要員の空きがない状態です。この場合、要員の空きを待つか、他に同様の仕事がないかを探す必要があります。この段階をを満たすと、3.に進みます。
「3.今の仕事が抜けられない」というのは、あなたにはその仕事をするために必要な能力をもっていることを仕事を選任する人が認めており、要員の空きがあるにも関わらず、あなたが今の仕事を抜けることができないために、その仕事に就くことができない状態です。この場合、あなたがいかにして今の仕事を手放すことができるかを考える必要があります。一般的にはあなたの後任りになる人を用意する、その仕事のあり方そのものを変えるなどの方法が考えられます。
■キャリアのつくり方を知ろう
これら3つの理由を満たすことで、あなたがやりたい仕事に就ける可能性が高くなります。後は、過去にお話しした「選ばれる力」を併用することで、仕事に就ける確度はさらに高くなるでしょう。こういった方法は「キャリアのつくり方(キャリアプランニング)」といえます。今回はあなたが選ばれない理由からキャリアのつくり方を考えてみましたが、他にも方法があります。こういった方法を知ることによって、自分一人でも望むキャリアをつくることができるようになります。
■商業出版の状況など
最近、毎回このネタを出させてもらい恐縮ですが、今回私が出版させていただく本はITエンジニアが自分ひとりでキャリアをつくり出す「セルフ・キャリアプランニング」という方法を紹介しています。その中には今回紹介した目指す仕事に就くための方法も書かせていただきました。もし、興味のある方はお手に取っていただければと思います。
そんな出版の状況ですが、先週、本の題名が正式に決まりました。本の題名は…、
『ひとりでできる! ITエンジニアのキャリアデザイン術 ~望みをかなえる「壁」の越え方』
に決まりました! 現在は著者校正の真っ只中で、誤字脱字、文章の言い回しから説明不足の箇所までを徹底的に洗い出し、直しています。GW明けには完了する予定で進めていますので、次の段階になりましたら、またご報告させていただきます。