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第101回 自分のやりたいことがみつけられない

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 こんにちは、キャリア・コンサルタント高橋です。

 キャリア相談を受けていると、「自分のやりたいことがみつけられない」と答えられる方がいます。私がキャリア・コンサルティングをする場合、その人の想いを具体的なキャリアという形にしていきますが、自分のやりたいことがみつけられないと想いをキャリアにするという行為そのものが難しくなります。そこで、今回は「自分のやりたいことがみつけられない」場合の考え方について書きたいと思います。

■自分のやりたいことがみつけられない人に共通する、ある経験

 私の経験則ですが、自分のやりたいことが分からない人には、ある似通った経験があるように思います。それは、以下のような経験です。

  • 社会人になった当初に想い描いていた仕事に就けていない
  • これまでの人生では目の前にある業務を精一杯行うことを第一に考え、仕事をしてきた
  • 自分の将来について深く向きあうことをしてこなかった

 社会人になった当初に想い描いていた仕事と違う仕事に就いた人は、そこに理想と現実の壁を感じたのかもしれません。仕事を第一に考えてきた人は、仕事と自分の想いを天秤にかけたとき、自分の想いよりも仕事の方が重いと感じたのかもしれません。自分の将来について深く向き合うことをしてこなかった人は、目先の仕事が忙しすぎて、自分のことを考える余裕がなかったのかもしれません。

 こうした考え方は、私たちが普段仕事をしていると当然のように考えてしまうものなので、特別おかしなことではありません。自分のやりたいことをみつけられなかったというのは、その人の年齢を問わず恥ずかしいことでも何でもありません。しかし、社会人になってやりたいことをみつけられていないことは恥ずかしいことだと考えている人が多いような気がします。ですが、そんなことより、今この瞬間に「やりたいことをみつけたい! 」と思える気持ちをもたれていることの方が本当は重要なことなのです。

 そう考えると、社会人になった当初から自分のやりたいことをみつけていなければならないということはありません。「やりたいことをみつけたい」と思える気持ちをもつことができたときからからスタートすればいいのです。

■どうやって自分のやりたいことをみつけ出すか?

 それでは、どうやって自分のやりたいことをみつけ出せばいいのか? ですが、まずは自分の想いを明確にするところからスタートします。あなたは何をしているときに心が動き、躍るのか、それを探し出します。もし、身の回りの仕事にそういったことがないのであれば、仕事でなくても構いません。普段の生活の中からでも結構ですので、あなたの心が動き、踊る瞬間を探してみてください。

 そうして、その瞬間をみつけ出すことができたときに、なぜその瞬間に心が動き、躍ったのか? を考えます。そうすることで、あなたの根底にある想いが少しずつ明確になってきます。それを仕事に結びつけることで、あなたが本当に目指したいと思えるキャリアになっていきます。

■商業出版の状況など

 手前味噌になりますが、ここで出てくる自分の想いを知る方法については、前回のコラムで報告させていただいた商業出版の本に詳しく書かせていただきました。ITエンジニアが自分一人でどうやって自分の想いを知ることができるのか、それをどうやって具体的なキャリアに結びつけるのか、ITエンジニアが自分でキャリアをつくりだす方法を紹介しています。興味のある方はご参考になれば嬉しいです。

 そんな商業出版の状況ですが、現在は前回のコラムでお話しした著者校正の段階に入っており、これをゴールデンウィーク明けには終わらせるスケジュールで動いています。出版社の話では、著者校正後、5月下旬~6月上旬辺りで出版されるような計画になっているそうです。

 まだ、出版社と細かな話はできていませんが、折角エンジニアライフで紹介させてもらっていますので、何かしらのイベントか特典のようなモノができればいいなぁと思っています。こちらも具体的な話が決まりましたら、紹介させていただきます!

Comment(4)

コメント

930

いつも楽しく読ませて頂いております。

お話とは別に、最近の (ここ数年) 新入社員の傾向ですが、就職難でなかなか内定がもらえず、やっと内定をもらうころには目的がどんな仕事をしてどんな社会人になりたいではなく、就職することが目標になっているようです。
入社して「何がしたい?」「どんな仕事がしたい?」「どんな社会人になりたい?」と聞くと、たいていポカンとした顔で「特に考えてません」と返ってきます。
なので、頑張って認められて給料沢山もらうことより、認められなくても給料上がらなくても、ミスをしないで今の会社員という立場を守りたい、と思っているようです。
全ての新入社員がそうだとは思いませんが、2年、3年生でもそのような若者が増えているように思えます。
困ったものです。

キャリア・コンサルタント 高橋

930さま、

コメントありがとうございます。

930さまの仰るように「特に何も考えてません」といわれる新社会人の方は就職することが目標だったのかもしれませんね。
そのような社員の方のうち、どれだけの方が将来のことを考え、目的を持たれるようになるかは分かりませんが、そのような想いを持たれた方をバックアップしてあげられるような会社であると素敵ですね。

葛城大城

始めまして。失礼致します。
何気なく記事を見つけ、興味深く拝見させて頂きました。
私は、四十代の非正規雇用労働者です。
大学卒業後、あてもなく働き始め、約三年後にリストラ。
苦手の英語の研鑽をしながらフリーターをし、派遣で携帯の開発設計、雇い止め後、ITベンチャーの組織構築、人材育成等、転職回数は、十回を越えました。
元来、研究者志望でしたが、転職する中で、貴重なフィールドワークを経験させていただきました。また、自分が本当にやりたい事を探すには、体験しなければ分からないとの想いで、生きてきました。
多数の方々、職種、職務を経ながら、やりたい事、やるべき事が次第に明確化されてきたように思っております。そして、昨年、知人から起業の手伝いをしないかとお誘いがありました。
嫌な仕事、上司、同僚は、どこにでもいます。
しかし、自分で自分の事を諦めない限り、記事にあった、自身の想いに気付き、やりたい仕事や生き方が見つけることが出來る。そう思います。
不確定性の時代にあって、現実に直面する状況に社会制度は追いついていません。
故に、だからこそ、出來ることは無限にある。そう思います。
他の記事も拝見させて頂きます。

かしこ

キャリア・コンサルタント 高橋

葛城大城さま、

コメントありがとうございます。
葛城さまの仰る「出来ることは無限にある。」、正に私もそのとおりだと思います。
そのお考えに至るまで、大変なご苦労があったかと思います。
本当に素晴らしいお考えだと思います。

少し穿った見方になるかもしれませんが、自分の身に起こることそのものに善悪はないと思います。
それを判断しているのは、そのときの自分の立場や想いから来るのではないかと思います。
それなら、マイナスに考えるよりプラスに考えたいと、私は思います。

葛城さまのこれからのご活躍を心よりお祈りしております。

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