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第92回 3カ月先の未来を創造する

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 こんにちは、キャリア・コンサルタント高橋です。

 キャリアづくりを行う際、アウトプットとしてキャリア・シートという用紙を作成します。このキャリア・シートには、その人が目指そうとするキャリアに到達するまでの道のりが書かれています。今回はこのキャリア・シートからキャリアを創りだすことについて書いてみます。

■キャリア・シートには何が書かれているか?

 キャリア・シートには横軸に年月、縦軸に行動内容が書かれた表になっており、どの月に何をするかが書けるようになっています。キャリア・コンサルタントは相談者にヒヤリングをしながら、相談者にとって最適と思われる具体的な方策を相談者と一緒に決め、このキャリア・シートに記入していきます。そのため、キャリア・シートに書かれてある内容のとおりに実行することができれば、相談者は自らが望むキャリアに到達するだろうという前提で考えられています。

 しかし、実際にキャリア・シートのとおりに行動をしたとしても100%目指すキャリアに達成できないこともあります。それは、キャリア・シートは作成時点で最適化されたものであり、それから日が経っていくことで相談者の状況がキャリア・シート作成時点と状況が大きく変わってしまうことがあるからです。そのため、キャリア・シートは定期的にメンテナンスする必要があります。このメンテナンスする頻度は人それぞれですが、短くて3カ月、長くても1年のスパンで最新の情報に更新していきます。

■キャリア・シートを更新するもうひとつの意味

 実は、キャリア・シートを更新する理由はもうひとつあります。それは、モチベーションの維持です。キャリア相談の場はある種特殊な空間で、キャリア相談を行った直後、相談者は自分の将来のキャリアとキャリアプランが明確になった状態なので、非常にモチベーションが高くなっています。しかし、キャリア相談が終われば、相談者はまた元の自分の生活に戻らなければなりません。どれだけキャリア相談で素晴らしいキャリアプランを立て、強い意識をもってキャリアプランを実行しようとしても、少しずつそのモチベーションは下がっていきます。人にもよりますが、モチベーションの熱が下がり切ってしまうまでに3日かからない人もいます。そうすると、そこから先はキャリアプランをまるで絵に描いた餅のように眺めるだけの状態になってしまうのです。

 しかし、キャリア相談でキャリア・プランを更新すると、再びモチベーションが戻ってきます。その「これ以上間を空けるモチベーションが戻らなくなる可能性があるギリギリの期間」が筆者の体感では約3カ月なのです。

■3カ月ごとに未来を創りだす

 この考え方を応用すると、3カ月ごとになりたい姿を想像し、そこに行き着くようなプランを立てる、というようなことが考えられます。この方法のメリットは、

  • 3カ月という短い期間での目標なので、具体的な目標を立てやすい
  • 長期的なキャリア・プランに比べて、モチベーションを維持しやすい

ということがあげられます。そのため、数年先の未来のことまでは考えられないけど、とりあえず3カ月先はこうなっていたい、という場合はとても有効な手段となります。そして、1度でも3カ月間のキャリアプランを達成することができるようになれば、キャリアづくりを身体が覚えてしまうせいか、それから先はキャリアを創ることが上手になっていきます。

キャリアを創ること:ここでいうキャリアを創るというのは、3カ月後の目標設定、3カ月間の過ごし方のことをいいます。

 「今のままじゃいけない、だけど、将来どうしたら良いか検討がつかない」という方は、ぜひ3ヵ月後の未来を創りだすことからはじめてみてはいかがでしょうか?

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