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第91回 キャリア・コンサルティングの体制整備に思うこと

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 こんにちは、キャリア・コンサルタント高橋です。

 キャリア・コンサルティングは雇用と結びつく話ですので、政府の施策に大きく関連します。国の成長戦略の一環として行われている産業競争力会議の雇用・人材分科会が中間報告をあげていますが、ここにキャリア・コンサルティングに関する記述があります。今回はこのことについて、思うことを書きます。

■産業競争力会議って何よ?

 産業競争力会議をWikipediaで調べてみると、このように書かれています。

産業競争力会議(さんぎょうきょうそうりょくかいぎ)は、日本経済再生本部の下に開かれる会議体。

 この「日本経済再生本部」とは何ぞや? ということで、これもWikipediaで調べてみると、このように書かれています。

日本経済再生本部(にほんけいざいさいせいほんぶ)は、日本の内閣に設置された組織。第2次安倍内閣において、成長戦略を実現することを目的として設置された。

 少し補足すると、産業競争力会議とは、第2次安倍内閣の経済政策「アベノミクス」の第3の矢となる成長戦略の実現に向けた会議体のことで、安倍首相が議長を務め、経済閣僚、企業経営者、学識経験者らによって構成されています。

■雇用・人材分科会の中間報告を読む

 この産業競争力会議にはいくつかの分会があり、その1つに雇用・人材分科会というものがあります。この分会が以下のような中間報告をあげています。

産業競争力会議「雇用・人材分科会」中間整理

 この報告書のP.7に「キャリア・コンサルティングの体制整備」という項目があり、このような記述があります。

  • 厚生労働省においてキャリア・コンサルティング技法の開発等を推進するとともに、自らの職業能力の棚卸しに基づき、キャリアアップ・キャリアチェンジを考える機会を多くの国民に提供するための方策として、まず、キャリア・コンサルタントの養成計画を平成26年年央までに策定し、確実に養成を図る。
  • 併せて、企業にキャリア・コンサルタントの資格を有する職業能力開発推進者を設置することや、企業外の民間人材ビジネスとの契約によりその雇用する労働者にキャリア・コンサルティングの機会を提供することについて、例えば、目標年次を定めて、一定規模以上の企業への義務付け、雇用保険二事業の助成金支給の要件化を行うこととする等、キャリア・コンサルティングの体制整備が確実に進むよう、具体的な方策を検討し、ジョブ・カードに関する検討やキャリア・コンサルタントの養成計画の進捗状況を踏まえつつ、キャリア・コンサルタントの養成計画の策定後、労使の理解を得つつ、速やかに実行に移す。

 現在、国内にキャリア・コンサルタントは平成24年度末時点で81000人ほどいるそうです。これらキャリア・コンサルタント全体の底上げを含めた養成計画を平成26年度中に策定し、実施されるようです。

81000人:詳しくは「わが国のキャリア・コンサルティング施策の現状と課題」のP.7あたりをご参照ください。

 また、企業内におけるキャリア形成を支援する一環として、企業内にキャリア・コンサルタントを設置することを国の施策として推し進めるように読み取れます。

 これらのことは、キャリア・コンサルタントにとっては活躍の場が広がることにも繋がりますので、私個人は非常に良い状況になってきたなぁと思います。また、キャリア・コンサルタントが世間でもっと認知されるようになると、キャリア・コンサルタントを目指そうとされる方も出てきます。そうした場合に、キャリア・コンサルタントになるための方法(養成計画)が確立されていれば、ITエンジニアからでもキャリア・コンサルタントを目指すこともできる訳です。これは、ITエンジニアの可能性を広げることに繋がるのではないかと思います。

■キャリア・コンサルタントの地位向上のために

 とはいえ、世間一般からみれば、キャリア・コンサルタントの認知度はまだまだ低いと思います。しかしながら、こういった国の施策によって、少しずつキャリア・コンサルタントの需要は高まっていくと思います。私もキャリア・コンサルタントの端くれなので、キャリア・コンサルタントの地位向上のために自分でできることを少しずつでもやっていこうと思います。

 …と、今回は少しだけまともなことをいってみました♪

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