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第55回 資格って役に立つ?

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 こんにちは、キャリア・コンサルタント高橋です。

 最近、仕事がらみでSalesforceに関わる機会が増えており、その流れでSalesforceの認定コンサルタント資格に挑戦することとなりました。そこで、今回は資格について考えてみたいと思います。

Salesforce:セールスフォースドットコム社が提供するクラウドコンピューティングサービスのこと。ここではSalesforce CRMというCRM(Customer Relationship Managemen:顧客情報管理)アプリケーションのことを指しています。

■資格の思い出

 筆者はITエンジニアの時分から現在に至るまで、いくつかの資格を取ってきました。その中でも特に思い入れがある資格に、PMP2級キャリア・コンサルティング技能士(2級CC技能士)があります。

PMP:正式名称はProject Management Professionalで、アメリカに本部を置くPMI(Project Management Institute:プロジェクトマネジメント協会)が実施するプロジェクトマネジメントに関する国際資格です。

2級キャリア・コンサルティング技能士:職業能力開発促進法で規定されている技能士の中でキャリア・コンサルタントを認定する国家試験です。

 どちらの資格も筆者が試験を受けた頃はほとんど情報がなく手探りで勉強しなければならない状態でした。そのため、1回では合格することができず、合格するまでにかなり時間がかかりました。しかし、その分勉強しなければならない内容はしっかり頭の中に叩き込まれましたように思います。

手探りの状態でした:その当時、PMPは日本語の有効な試験対策本がなく、通称rita本と呼ばれるこちらの本で勉強していました。2級CC技能士はさらに状況が悪く、学科、実技試験ともほとんど情報がなかったので、産業カウンセラー試験やNPO生涯学習が実施するキャリア・コンサルタント検定試験の対策本などで勉強していました。

 これらの資格ですが、現在もかなり役に立っています。資格がもつネームバリュー的な役割もありますが、それ以上にそこで学んだ内容が実務に活かされていることが大きいです。筆者は普段キャリア・コンサルタントとして働いていますが、2級CC技能士の資格を取る上でキャリア・コンサルタントとして知っておかなければならない理論や考え方、キャリア相談の手法や技術などを徹底的に勉強することができました。これらは普段の実務に十分役立っています。また、たまに炎上しているプロジェクト案件の火消しをすることもあるため、PMPの資格を取る上で学んだPMBOKの考え方も大変役立っています。

PMBOK:正式名称は「A Guide to the Project Management Body of Knowledge」で日本語読みすると「プロジェクト管理知識体系」と呼ばれます。実際にはPMBOKガイドという書籍となっており、PMP試験を実施しているPMIが策定したプロジェクト管理に関するガイド、手法、ベストプラクティスなどをまとめたもので、プロジェクト管理におけるデファクトスタンダード的な位置づけになっています。ただし、PMBOKはいろいろな業種を横断して作られている汎用的なモノなので、実際の業務に適用させる場合、ある程度の読み替えが必要になります。

■資格が役立つか、今一度考えてみる

 資格については、過去のコラムに少し考察しています。このときはキャリアを形づくる上で資格をどのように活用するのかを紹介しましたが、今回は資格そのものが役に立つのかどうかの視点で考えてみます。

過去のコラム:詳しくは『第6回 あなただけのキャリアを設計する(2)』をご参照ください。

 世の中に存在する資格は大きく分けて2つに分けられます。

《資格の分類分け》

  • もっていると専門の仕事が行える資格(業務独占資格
  • もっていても専門の仕事が行えない資格(非業務独占資格

業務独占資格:名称独占資格の一覧はこちらをご参照ください。

 ITエンジニアに関する資格はほ100%業務独占資格以外になります。そこで、非業務独占資格を更に細分化してみました。

《非業務独占資格の分類分け》

  • もっていることでビジネスチャンスに繋がりやすい資格
  • もっていてもビジネスチャンスに繋がりにくい資格

 何を持ってビジネスチャンスに繋がるかはそのときの状況によって大きく変わりますが、一般的には「もっていることでビジネスチャンスに繋がりやすい資格」が人気が集まりやすくなります。しかし、この非業務独占資格のやっかいなことはビジネスチャンスに「繋がりやすい」だけで、必ずしも「繋がる」わけではないのです。そのため、資格を持っていてもそれだけでは役に立たないことが多いのです。

 資格というものは、その人にとって有効な武器になる可能性を秘めています。しかし、業務独占資格でない以上、資格を使って何をしたいのかが明確になっていないと、ただ単に資格を取っただけで終わってしまいます。そうなると「資格って取ってみたけど役に立たないよね」となります。これは、資格を取ること自体が目標になっているからではないかと思います。もし、あらかじめ資格を取る目標が明確になっているのであれば、資格を取った後は資格を使ってその目標を達成しようとするはずで、何とかして資格を活かそうとすると思うのです。そう考えると、資格が役立つかどうかについては、

資格はあくまで可能性でしかなく、資格を役立たせられるかどうかはその人次第

というのが、筆者の経験を踏まえた上での考えです。ですので、筆者もSalesforceの認定コンサルタント資格を取って、ちゃんとビジネスに活かしたいと思います。…しかし、その前に資格が取れるかどうか…ですよね。。。

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