第54回 ”わたし”というブランド
こんにちは、キャリア・コンサルタント高橋です。
ブランドという言葉は、衣装やアクセサリーといった物から、家電、食品など至るところに氾濫しています。今回はこのブランドについて考えてみたいと思います。
■そもそもブランドって何?
Wikipediaによるとブランドはこのように定義されています※。
ブランド(英: brand)とは、ある財・サービスを、他の同カテゴリーの財やサービスと区別するためのあらゆる概念。当該財サービス(それらに関してのあらゆる情報発信点を含む)と消費者の接触点(タッチポイントまたはコンタクトポイント)で接する当該財サービスのあらゆる角度からの情報と、それらを伝達するメディア特性、消費者の経験、意思思想なども加味され、結果として消費者の中で当該財サービスに対して出来上がるイメージ総体。
うーむ、ちょっと難しい…。端的にいうと、「売れるために他との差別化を計ったイメージの総称」ということでしょうか。そう考えると、例えば『Xperia』というブランドは、ソニー独自のモバイル製品の総称であると同時に、他社製モバイル製品と明確な差別化を図っているというイメージがつきますね。
※定義されています:詳しくはこちらをご参照ください。
■ブランドの効果
そもそも、ブランドというものにどんな効果があるのでしょう。この答えはマーケティングなどにも通じるため範囲は非常に広くなりますが、筆者は安心感という効果をあげてみたいと思います。例えば、最近よくみかける『モンドセレクション※』というブランドについて考えてみます。この賞は、ベルギーにある民間団体が実施する食品分野を中心とした製品の審査・認証のことで、専門家による一定水準以上の点数を取得すると銅賞、銀賞、金賞、最高金賞といった認証をもらうことができるそうです。このことから、モンドセレクションというブランドには以下のようなイメージが紐づいているように思います。
《モンドセレクションのイメージ》
- 何かの食品に関する権威のある賞
- 受賞している商品は美味しい
実際のところ、このイメージが正しいかどうかは分かりませんが、例えばある食品に『最高金賞受賞! 』のような文字が並んでいると、やはりそれだけで美味しそうだなと思ってしまいます。これは、モンドセレクションというブランドが持つ安心感という効果から来ているのではないかと思います。
※モンドセレクション:詳しくはこちらをご参照ください。
■ITエンジニアとしてのブランドを考える
IT業界の世界においても、当然ブランドというものはたくさんあります。ベンダー製品、OS、ツール、開発言語、開発手法などもそうですし、業界・業種知識、コミュニケーション能力、折衝能力、管理能力などもブランドになるでしょう。そのため、市場の売れ筋ブランドの知識やスキルを有していると、先のモンドセレクションの例と同じように、売れ筋ブランドに引っ張られる形でITエンジニアとしての安心感も上がっていくのではないかと思います。
そうして、いくつものブランドを身につけていくと、徐々にその人自身がブランドになってきます。そうして、あなたが…、
「○○さんにこの仕事をお願いしたい! 」
「△△さんにしかこの仕事はできない! 」
といわれるようになれば、すでにあなたというブランドは確立されていることでしょう。しかし、あなたのブランドが確立されていることと、あなたが自分のブランドが何であるかを理解されているかは別問題です。ですので、普段からあなたのブランドを意識するようにしてみてください。あなたが自分自身のブランドを意識することで、あなたというブランドの価値を高めて行くことができるようになります。そうすることで、あなたは望むキャリアに近づいていくことでしょう。
筆者も自分自身のブランドをつくることができるよう、これからもキャリア・コンサルタントとしての活動を一歩ずつでも続けて行きたいと思っています!