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第48回 四方山話(30) 論理思考のススメ7

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 こんにちは、キャリア・コンサルタント高橋です。

 論理思考ネタも7回まで来ました。現在は論理思考に必要な要素「問題解決のフローを身に付けること」についてお話ししていますが、今回は問題解決フローの第3段階である原因の発見、第4段階である解決策の検討について一気に考えてみたいと思います。

■第3段階:原因の発見 ~どうして悪いのか? ~

 問題解決フローの第3段階では、原因の発見を行います。先の第2段階で目標と現状の差分から問題個所を特定しましたが、この段階ではその問題個所がどうして問題になっているのか、その原因をみつけ出します。以下の例をみてください。

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《睡眠時間の視点で目標と現状ととらえてみる》

目標:十分な睡眠時間が取れているので、朝決まった時間に起きられる(→だから、時間どおりに出社できる)

現状:十分な睡眠時間が取れていないので、朝決まった時間に起きられない(→だから、定時出社ができていない)

問題個所:十分な睡眠時間が取れていないこと

原因:???

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 これは、前回のコラムで紹介した「朝寝坊が続いて困っている」という例題から、問題個所をみつけ出した箇所です。この例題を使って、原因の発見を行ってみます。

前回のコラム:「第47回 四方山話(29) 論理思考のススメ6」をご参照ください。

 この問題個所に注目してください。問題個所は「十分な睡眠時間が取れていないこと」とありますが、なぜ十分な睡眠時間が取れていないのか、その理由を考えます。そのための方法はいくつかありますが、ここではロジックツリーのSo Whyツリーを使って考えてみます。筆者はこのように考えてみました。

No04801

 このようにSo Whyツリーを使うと、大抵の場合は複数の原因がみつかります。次の段階ではこれらの原因に対して解決策を考えますので、この段階で解決したいと思う順番を決めておきます。なお、解決しなくても支障がないと思われる原因については、順番をつける必要はありません。

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《問題個所から原因を考えてみた例》

問題個所:十分な睡眠時間が取れていないこと

原因:通勤時間に電車で2時間かかり、立ちっぱなしになっている

――

 ここでは「通勤時間に電車で2時間かかり、立ちっぱなしになっている」を最も解決したい原因としてみました。それでは、このまま次の段階に進みましょう。

■第4段階:解決策の検討 ~どうすればよいのか? ~

 問題解決フローの最後の段階である第4段階では、解決策を検討します。先の第3段階でみつけた原因に対する解決策を考えることで、この問題そのものを解決へと導きます。ここでは、先ほどの例題の続きを考えてみます。次の例をみてください。

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問題個所:十分な睡眠時間が取れていないこと

原因:通勤時間に電車で2時間かかり、立ちっぱなしになっている

解決策:???

――

 第3段階では原因を考えるためににSo Whyツリーを使いましたが、解決策を考える場合、ロジックツリーのSo Howツリーが特に有効です。これを使って考えてみます。

 So Howツリーを使う場合、第1階層に原因をそのまま入れてしまうと、意味合いが変わってしまうことがあります。そのため、ここに入る内容は少し工夫する必要があります。この例題では原因が「通勤時間に電車で2時間かかり、立ちっぱなしになっている」でしたが、この対策を…、

「通勤時間に電車で2時間かかり、立ちっぱなしになっている」、この対策を考える

のようにすると、よく意味が分かりませんので、言葉をいい換えた方がよさそうです。これは人にとってとらえ方が違うと思いますが、筆者は簡潔に、

疲れない通勤方法を考える

として考えてみました。

No04802

 このSo Howツリーは少し粗めに考えていますが、それでも解決策をいくつか導き出していることが分かります。第3段階のSo Whyツリー同様、第4段階で使うSo Howツリーでも大抵の場合は複数の解決策がみつかります。これらの解決策の中から、有効性が高いと思われる方法を選びます。これこそが、この問題そのものの解決策となります。

導き出している:実際にSo Howツリーを使って考える場合はMECEの関係に気をつけて、もう少し掘り下げて考えるようにしてください。

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《疲れない通勤方法を考えてみた例》

問題個所:十分な睡眠時間が取れていないこと

原因:通勤時間に電車で2時間かかり、立ちっぱなしになっている

解決策1:座って通える別の通勤経路を探す

解決策2:電車以外の交通手段(車、バスなど)を考えてみる

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 ここでは解決策を2つ提示してみました。このように解決策が複数出てくることがあるのも、ロジックツリーを使った問題解決法の特徴です。

■「問題解決フローの4段階」を振り返って

 「問題解決のフローを身に付けること」の具体的な手法である「問題解決フローの4段階」を3回に渡り、順を追ってみてきました。このフレームワークは一見すると難しく感じますが、実際に1段階ずつ順を追って考えてみると、案外サクサクできたりします。

 ただ、最初の頃は論理的に考えられないこともあります。しかし、それでも気にせず論理的な考え方を継続するようにしてください。論理的に考える事例が増えれば増えるほど、頭の中に論理思考のロジックができあがってきます。そのロジックは、考えれば考えると研ぎ澄まされ、徐々に精度が高くなっていきます。身の回りにある簡単な事例でもOKです。論理的に物事を感がる癖づけをしてみてください。

 また、このようなフレームワークを使った問題解決法は他にもたくさん考案されています。「問題解決 フレームワーク」で検索してみるといろいろと出てきますので、興味のある方は探してみてくださいね!

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