地方エンジニアが感じる地方・中小企業での悩み

ノーコード/ローコードとプログラミング

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 つい最近ですが、@IT にもローコードやノーコードを取り扱うコーナーが誕生しました。ローコード/ノーコードセントラルと名づけられたそのコーナーでは、多くの記事や事例が紹介されていて、参考になる人も多いのではないでしょうか。このコーナーの右側には、エンジニアライフでローコードやノーコードを扱うエントリが紹介されているのですが、残念ながら私しかいないという状況ですので、ここも色々な人が出てくれると嬉しいというか自分一人では非常にさみしいのでどなたかご協力お願いします。

 実際に業務として携わっていて感じるのですが、ローコードやノーコードは多くの企業に伝わっていて、決してメディアや一部の声が言っているだけの一過性なものではなく、普通に利用されるところまできています。要件のヒアリングなどでユーザー企業の声を聴くこともありますが、そういった場でもよく聞くようになりました。ここまで浸透した理由の一つには、DX というキーワードの影響もあるようです。個人的には好きではないので、あまり用いたくはありませんが実態としては DX という言葉の影響度は否定できません。

 DX の扱う範囲には内製化があるのですが、私の中ではローコードやノーコードが浸透した最も大きな理由がこの内製化だと考えています。これまでであれば現場のユーザーにはハードルが高かった開発行為であったため、自分たちが欲しいもののイメージを伝えることにより別の企業や別部門の人に作成を依頼していました。何かしらの物事を他人に伝えるのは、非常に難しいことです。思い描いていたイメージ通りにシステムが構築されることは、かなり稀であったとも言えます。ほとんどの場合は、イメージとは異なるけどもやりたいことが実現できそうだったのでよしとした、であったのではないでしょうか。

 内製化を行えれば、自分たちの欲しいものは自分たちで作成する、余計な機能を持たせずに必要なものだけを構築する、といったことが実現できるようになります。また自分たちで作成できるということは、外部に依頼するため発生するコストも抑えることができるようになります。もちろん作成できるようになるための学習コストは必要ですが、これまでにあったエンドユーザーコンピューティングの時代とは異なり、かなり負担は抑えられた形となることが多いです。

 最初に手間がかかるのは、なにをするにしても同じことです。ですがかけた時間の分だけ、自分たちにメリットとして戻ってくるのもまた同じです。これまでにもいろいろな方法論や技術、サービスが登場してきましたが現実的な面ではまだまだ手を出すのはためらわれるものでした。ですが、今のノーコードやローコードは何度か繰り返して成長してきたこともあり、十分に利用可能なものとして育っています。これから先の未来ではさらに発展することは当然あり得るのですが、そこまで待たなくとも今から手掛けることでより将来においてメリットを得やすくなるでしょう。

 それと同じくして考えていきたいのは、これまで開発を主な生業としてきた人や企業はこれからどうするのがよいか、という点です。同じシステムを作ろうとした場合、これまでの方法で作成するのと、ノーコードやローコードを利用して作成するのとでは、できあがるまでにかかる時間が大きく差がつくことが考えられます。開発コストとしても、実際には人が動いているのでどのような方法であってもコストは発生していますが、自部門と他部門、ましてや別会社とした場合には受けるイメージも大きく異なります。費用計算のルールもありますが、自分たちで行うことが最もコストを抑えられるのは当然のことです。

 そういった事を考えていくと、プログラムを組んで開発するべきものはどういったものかということも決める必要があります。ノーコードやローコードで作成できるものを、プログラムをもって作成することはそこまでメリットにはならない時代が来ているのです。それであればプログラムを書くことでしか実現できないことに絞り、開発を行うことが最も適しているのではないでしょうか。

 ローコードやノーコードの台頭は、現場のユーザーにも大きくかかわる話題ですが、プログラムを持って開発する側にも非常に大きな影響をもたらしています。これからの未来では、さらにプログラムを必要とせずに実現できることがますます増えていくことが予想できます。そうなったときのためにも、開発者として何を作るのがよいのか、そういった視点で先を考えておくのも必要なのだと考えます。

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