地方エンジニアが感じる地方・中小企業での悩み

立ち位置が変わって見えたもの

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 2022 年も終わりを迎え、私の住んでいる地域では一面真っ白く雪が詰まっているのが普通になりました。今年一年を振り返ると、私自身の仕事としては派遣で始まり派遣で終わる、というなかなかに珍しい形で過ごしていました。お仕事の都合上、契約形態を派遣で行う必要があったためなのですが、今の会社に転職してからは初めてのこと
 でした。

 そのようにてんやわんやで過ごした一年でしたが、振り返ると自分の置かれている環境も色々と変化がありました。立ち位置的には開発者からマネージメント側へと移され、日常業務も大きく変わりました。よくある話なのでしょうが、根っこは開発側だと考えている自分にとっては大きな負担です。とはいってもお仕事はお仕事としてこなすつもりでもあるので、やれることはやっている状態です。

 もともと上司に対しても、自分は技術側の人間だから管理側には向いていない、と言い続けていたこともありこれまでは PM あたりまでしか行っていませんでした。それが気が付けば部門の計画を立てたり、外部へ打つプレスリリースを作成しているのですから、世の中何が起きるか本当にわかりません。新しい立ち位置としては、ノーコードやローコードを推進する案件がメインなので、自分に合っているといえば合っているのですが、やはり自分で手を動かさないことを続けるのはなかなかに厳しいところです。

 そのように立ち位置が変化して感じたのは、ノーコードやローコードに興味や関心を持っている割合は間違いなく増えているという点です。いろいろなメディアでも取り上げられているのもありますが、世の中の実態として果たして本当にはやっているのかはまだまだ半信半疑でしたが、実際に多くのユーザーと話す場面を経験すると、確実にその流れは来ていると感じます。

 DX というワードに関連して自社内での内製化を目指すところもありますし、純粋に自分たちの業務を改善したい目的で取り組むところもあり、その目的は様々ですがユーザーが自分たちで必要なものを構築することも、選択肢として普通にありえるところまできたのです。ここまでいろいろな製品やサービスが世の中に登場し、ユーザー主体な世界を目指してはその度にまだ早かったというのを何度か見てきた自分には、なかなかに感慨深いものでもあります。

 この流れはしばらく続くとも考えていますが、それに合わせて既存の開発モデルをどうすべきかという問題にも向き合っていく必要が出てきています。ノーコードやローコードで賄えるものであれば、通常の開発モデルで取り扱うのはオーバースペックでもあり無駄なコストです。もちろん保守運用の問題もありますが、まずはその機能はどのように開発するのがよいか、という部分から考えをもっていなくてはいけないでしょう。

 これからの世の中では、システムを使う側・システムを作る側それぞれに求められるのは問題への対応スピードをいかにして向上させるか、この一点に尽きるのかもしれません。ユーザーが求めるものを素早く用意するためにノーコードやローコードを活用するのもその一環ですし、DevOps や iPaas といったシステムを作る側の領域を狭めより重要なポイントに絞った開発を行おうというのも同じ問題に対応するためとも言えます。これまで行ってきたから何も考えずに継続するのではなく、本当に必要なことなのかどうかを常に考えて動いていくことが必要なのではないでしょうか。

 状況が変わることで今まで感じ取れていなかったことを感じられたように、同じ問題に対しても違う角度から接することは非常に重要です。ユーザーだから、開発者だから、という視点もたまには違う目線で見るようにすると、これまで考えつかなった対応が思い浮かぶこともあります。これからの世の中では、もしかするとそういう立ち位置もフラットになり、全員が関係者として解決に取り組んでいくことも普通になるのかもしれません。または、これまで以上に明確に役割を定義して取り組むようになるのかもしれません。このあたりはどう転んでいくがわからないものですが、そのような変化についていくためにも一つの考え方に固執せずに、違う視点から見ることを意識していくと良い方向へ進めるのかも、と私は考えます。そう考えると、さんざん嫌がっていたマネージメントな仕事も意外といいもの......と言えればよかったのですが、まだまだその心情に至るには程遠いようです。

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