早く成長したい。そんなあなたへ
新春、新しい環境での活動を始められる方も多いかと思います。慣れない環境でうまくいかないこともあり、四苦八苦することもあるかもしれません。そんなとき、早く成長できたらな、と感じるものですね。
今回のコラムでは、成長を加速するためにインプットをいかに得ていくか、について考えてみたいと思います。
◆成長の糧を得よ
人間が成長するためには、アウトプットを増やす工夫が必要不可欠、というのが僕の持論です。また、良いアウトプットをたくさん生み出すためには、論文や書籍を執筆する場合のように、山のようなインプットが必要となることもしばしばです。どうせなら、栄養価が高くて“おいしい糧”が欲しいですよね。
◆それじゃ、糧って何だろうか?
資料や書籍を読み漁るであるとか、よく知っている人から話を聞くであるとか、いろいろなやり方はありそうです。ここは、コンサルタントらしく少し整理してみましょう。
個人的には、成長の速度を大きく左右するのは、「経験」だろうと考えています。石の上にも3年と言いますが、それなりの時間をかけて物事に取り組むことは、それ自体が価値あることと捉えられており、その理由が経験の蓄積なのかな、と。
経験にも2種類あって、自分の経験と他人の経験に大きく分けられます。基本的には、自分が直接得られる経験の機会と量は時間に比例するので、他人の経験(図中(3)(4))をうまく吸収することが、成長の近道になりそうです。
ちなみに、僕の最近のブームは、(3)領域です。特に、歴史から学ぶことがとても多いなぁと、いまさらながら歴史の授業をちゃんと受けておけば良かった、と後悔しています(笑)。そのように感じたのは、昨年から開催している読書会のおかげです。
歴史に関連した書籍をテーマとしているのですが、回を重ねるうちに、思考の幅というかパターンを認識する力がついてきたような気がします。すでに結果の出ている出来事の集合を俯瞰的に眺めることができるため、パターンを抽出しやすいのかもしれないですね。
◆だがしかし……感度には個体差がある
さて、整理したのは良いものの、やっぱり人によって「感度」は異なるもの。よく気づいて成長が早い人もいれば、なかなかステップアップできない人もいるものです。せっかくの経験なので、できれば一度でたくさん吸収したいですよね。
個人的な経験ですが、気づきが浅い人は思考が浅い場合が多く、試しに対応策やアプローチを聞いてみても、あまり考えていない人が多いように思います。下記のように、いくつか段階もあるかと思います。
- レベル1⇒まったく回答できず沈黙
- レベル2⇒対応策らしきものをバラバラと挙げるものの「それって誰がどうやって、どんなスケジュールでやるの? 優先度は?」と聞くと沈黙
- レベル3⇒上記はクリアしたものの、「なぜ、そのやり方でうまくいくと考えているの?」に回答できない
レベル3まできちんとクリアできると、「あ、よく考えてるな」と感心するレベル。自分もそうありたいものです。
◆学びのアンテナはどうやったら伸びるのか?
例えば、環境を強制的に変えるのも、1つの手かもしれません。アンテナの高い友人を作ることで、自分自身も高められるということは、経験のある人も多いのではないでしょうか。でもそんなに種類の違う人と、いきなり友人になることもできないわけで、結局、特効薬はないんですよね。
1つ言えることは、向上心や好奇心を大事にし、かつモチベーションを失わないような環境を上手く作り出して、継続的に取り組む必要があるということ。
いきなり感度が上がることはなく、長い取り組みではあるものの、感性は人生を豊かにするはず。年に数ミリでも、天に向かってアンテナを伸ばしていきましょう。
ここで、格言でも……。
『人生は過ぎていく、問題はどう過ぎるかだ』(by レオナルド・ダ・ヴィンチ)