5年目社員が考える後輩教育とは
こんにちは、サトマモです。
気付けば4月。世間は新学期、入社式など春らしいイベントが目白押しですね。IBMでも、Spring Kickoff(入社式)が開催され、初々しい新入社員の方々の姿が見られました。どんな後輩が入ってきたのか楽しみです。
自分がワクワクしながら入社式に参加したのは、気付けば、4年前。5年目社員というと、新入社員から見ると、ずいぶん先輩になってしまいますね。果たして、5年前にイメージしていた先輩像になれているのか、ちょっと疑問ですが……。
さて、3月の時事争論で、「新人/部下の教育」について、というお題をいただいたので、遅ればせながらちょっと考えてみたいと思います。
今までの記事には、自分自身が受けてきた教育や育成に関する内容が多いので、自分が教育する立場だとしたらどうするか、どうしたいかをお話しします。実際には、後輩の面倒を見るという機会は少ないため、想像の部分が多くなってしまうかもしれませんが、ご了承を。
■いまどきの新人ってどんな人たち?
まず、「新人」とひと区切りになっているとアプローチが難しいので、分類してみましょう。新人といっても、新卒入社/中途入社の大きく2つに分けることができますが、今回は「新卒入社の人」を対象に考えていきます。
私見ですが、昨今の新卒入社の方には、いくつかパターンがあると考えています。すでにITに強い人もいれば、頭が良くてコミュニケーションに長けている人、などなど。仕事に関連する能力として、ITスキルと社会常識(コミュニケーションを含む)のあるなしを軸に、以下の図の4タイプに分類してみました。この分類をもとに、それぞれのタイプごとで指導方法を考えてみたいと思います。
(1)ITスキルらしきものはあるが、付き合いにくいエンジニアタイプ
いわゆるエンジニアっぽい人です。実際のプログラミング能力などに長けており、その辺の先輩よりもすでにコードは書けてしまいます。指導する側の能力を上回ったスキルを持っていて、技術的な指導が困難な場合すらあります。そのような時は、切磋琢磨して自分のスキルを伸ばすというのもアリかもしれません。
彼らに必要なのは、社会人として一般的なマナーだったり、挨拶、お客様との話し方などの練習でしょう。先輩としては、特にこのへんに注意して指導してあげるのがよさそうです。
(2)ITスキルも理解力もある秀才タイプ
ちょうどわたしの後輩がそうなのですが、勉強家でスキルも吸収が早いし、マナーやコミュニケーションもそつなくこなします。正直、あまり指導することがないです。日々の業務やアドバイスで充分に戦力になっていくタイプです。彼らのモチベーションが高く保たれるように、刺激を与えたり、相談に乗ってあげることが重要と思います。
(3)ITスキルはまだないけど、頭の良い伸びしろタイプ
いわゆる文系エンジニアのタイプです。最初こそ、ITに関する知識や技術がないため苦労しますが、何年かすると追いついてきます。彼らは基礎的なコンピュータの知識がないため、業務で使う技術の背景や基礎の部分を補強してあげるのが、先を考えたときに有効ではないでしょうか。けっこうエンジニアでJavaは書けるけど、コンピュータそのものの仕組みは知らなかったりする人が多いですが、こういう基本を知っていると仕事の上でも役立つことがたくさんあります。基礎がしっかりしていると、適応力もついて、変化の早いIT業界で働いていくにも役立つと思います。
(4)ITスキルがない上に、社会人としてのマナー・常識に欠ける学生気分タイプ
たまにいると思いますが、ちょっと頭を抱えたくなる学生気分な新人さんです。幸い、こういうタイプの人に出会ったことはないのですが、こんな後輩がやってきたら、もうつきっきりでたたき込んでいくしかないかもしれません。ポイントなのは、さじを投げないことでしょう。大変身したときの感動はものすごいでしょうし。
■結論:最後はやる気でしょ
いろいろと考え考え書いてみましたが、結論は「やる気が大事」かと。いくら指導したところで、やる気がなければ身につかないし、育てる側もやる気を喪失してしまいます。別にどんなタイプだろうがなんでもいいのです。一生懸命にやってくれれば、生きていく術は自然と身につきます。
そう考えると、先輩として本当に必要なのは、後輩のやる気を持続させること。いろいろな方法があります――たまには飲みに連れて行ってあげるとか、自分が頑張る背中を見せるとか、褒めてあげる、取り返しのつかない失敗はしないようにフォローしてあげるとか。
以上、5年目社員として、後輩の面倒を見るときには考えてあげたいポイントでした。
この手の指導はみんな頭を悩ませる部分だと思います。いろいろとコメント・アドバイスいただけると幸いです。