クリエイティブは生まれつきの能力ではない
クリエイティブは後天的に発現しうる、という記事を未来新聞株式会社代表取締役の森内さんが執筆しており、興味深く読ませていただきました。
なぜ興味深いかというと、僕自身が最近になってクリエイティブ(創造的)な力が徐々に身に付きつつある、と感じているからです。
森内さんの場合、クリエイティブを発揮するにあたってのボトルネックは以下のようなものだったそうです。
1.緊張していた
2.視野が狭かった
3.アイデアを出せる最適な脳の状態でなかった
4.レベルの高いものを出そうとしすぎ
5.くだらないことを言って馬鹿にされたくないという思いがあった
みなさんのなかにも思い当たる節がある、という方も多いのではないでしょうか。僕は共感できる点がたくさんありました。
コンサルタントは、論理的でありながらも独創的な切り口・アイディアが求められる職業の1つですが、クライアントや上司のプレッシャーたるや中々のものです。どうしても上記のような緊張と萎縮が発生しがちになり、結果として、面白くない紙が出来上がることになります。
もちろん、そのようなプレッシャーの中でも良い仕事ができることも重要ではあるのですが、それはある程度、発想する力が身についてきてから実現できるものではないかな、と。
幸い、今の環境(クライアント、チームメイト、上司など)はアイディアに対してとても寛容なので、思考のボトルネックを外して伸び伸びと仕事ができています。そして人間って不思議だなと思うのですが、こういったボトルネックが外れてくると、「どうしたら面白いのかな?」ということを考え出すわけです。上司は、「かっこいい」という言い方をしているのですが、結局はクライアントを「あっ」と驚かせたり、気付きを与えたいということに集約されています。
僕の好きな書籍で「プレイ・ジョブ」という本があるのですが、この中で取り上げられているエピソードの一つに、雑誌「ハーバーズ・バザー」のアート・ディレクターであるアレクシー・プロードウイッチが若きリチャード・アバドンへアドバイスするという一節があります。
そのアドバイスは単純明快でした。
「驚かしてよ」
後に、このリチャード・アバドンは世界的に有名な写真家となります。
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人を驚かせたい、感動させたいと一度でも考え出せば、もはや創造的にならざるを得ないですよね。
以前の僕は、漫然と「クリエイティブにならなければ!」と、目標のないままにスキルだけを向上しようとしていました。これでは、いつまで経っても力は身に付きません。
驚かせたい・感動させたい…という目標を明確に持てば、自分の中にクリエイティブは育っていくのだと思います。
僕自身、そして後輩や部下が伸び伸びと創造的になることで、より価値ある仕事ができるチームになりたいなと感じる今日この頃です。