【29】エンジニアの正しさは稼ぎを産まない
こんにちは、手塚規雄です。
エンジニアライフではお馴染みAnubisさん。彼が先日投稿した 「君の正しさは何も動かさない」。これを読んで、エンジニアと給料でも同じような事が言えるのではないか?そう思いました。
現行は神の仕様、と思っているエンジニアはクソだ!
これは心の底から私が思っている1つです。たとえばシステムのリプレースの際に、
「仕様は現行のままで」
という要求がよくあります。似た言葉で「○○と同じ仕様で」。これらの言葉は一言で仕様のすべてを表している便利な言葉です。でも非常にあいまいな部分もあり、それが原因でトラブルが発生することがあります。だから非常に嫌いです。
トラブルの原因となる仕様については十分に確認をとります。そんな時に顧客でも、エンジニアでも「現行とまったく同じだから、その通りを作ればいい」の一点張りの方がいます。こういう人は自分が何か発言したせいで「責任」を取らされたり、仕事が増えるのがイヤなだけ。それ以上は何も考えてくれません。その気持ちは分からないこともありません。そんな人に現行のままでいるより、もっと楽にできる提案をしても受け入れて貰えない事が多く、心のなかで毒づいています。
これが変わったところで何も変わらない
もし、私と仕事している相手全員が変わったとしても、売上にはなんの影響もないでしょう。残業時間が多少減ったりするので、利益は増えるかもしれませんが、それが劇的に変わるほどでもありません。つまりこの考えって想像以上に独りよがりの考えという証明でもあります。
会社について思うこと、エンジニアとして仕事上の不平不満、仕事として正しくないことなどほかにもたくさんあると思います。でもそれが正しくなったとしても、売上に大きく影響を及ぼすものはほとんどないということです。
つまりエンジニアの正しさは売上に貢献しない。意外なほど「正しさ」は、誰も動かすことは無いし、売上を増やすことのないものなのです。
それなら発想を転換して、売上に貢献するのは何か考えてみると
会社などでは経費削減や残業時間削減などの案は多く提案されます。でも、売上に貢献する案をひねり出すのは思っている以上に難しい。もしそれができれば、コンサルタントにもなれます。売上を増やす案は
・商品やサービスを増やす
・商品やサービスの単価を上げる
・顧客、販路を増やす
などがあります。しかしエンジニアのメインの仕事はこれらの企画が出された後に行うものばかりです。こういった企画ができる万能型エンジニアの方も居ますが、非常に稀です。では普通のエンジニアが売上に貢献するにはどうするのか?
個人型ビジネスから学んでみる
今の日本では、インターネットと決済サービスの普及から
・副業ベースにできるビジネス
・小資金でできるビジネス
・学歴や職業にとらわれないビジネス
こういった個人型ビジネスが数多く存在しています。私もいくつか取り組んでいます。それに取り組もう!という訳ではありません。そういうビジネス業界を知ったり、彼らが売上UPのために何を学んでいるのかを知ることで、売上を伸ばす、利益を高める、そのためのビジネススキルを得ることができます。
エンジニアとして正しさを追い続けることは、それはそれで大事です。でも、先ほど話したように売上に貢献できるものではありません。それとは別にビジネススキルを学んで売上にも貢献できるエンジニアへ近づく。できれば実際に貢献できるエンジニアなることも大事なスキルアップだとは思いませんか?
今の日本でエンジニア生き残れるのは、エンジニアのこだわりを実現させる能力と売上に貢献できるスキルの両方をバランス良く保っているエンジニアだと思います。そんな完璧超人になるのは難しいかもしれません。それでも、そこに近づく努力を続けるだけでも他の方とは大きな差をつけることができます。
コメント
harikofu
私もシステムリプレース時に「仕様は現行のままで」って言ったことがありますね。外部の方から見ると楽になる提案であっても、数年間の運用管理ベースで考えるとペイしないって事が往々にしてあります。
また、既存システムに対する機能追加の案件があった時に、こちらは現行の仕様に合わせて連携できるように作りたかったのに、完全に外付けで開発されて、苦情を言っても「もう出来てるので直せない」の一点張り(当然、事前の要件確認などはなかった)ということが良くあります。
「仕様は現行のままで」という時に、実は「お前らは信用できないから余計なことはするな」という意味が込められてることもあるって話です。
ちなみに、エンジニアの正しさよりも売上や利益に貢献するのが大切というのは、私も同感です。