元底辺エンジニアが語る、エンジニアとしての生き様、そしてこれからの生き方

生き様156. 出来ないと断るのがプロ

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今、本当にやりたいこと

先日、(株)ラクスさんの主催する「エンジニアリング組織あれこれLT」というイベントでLT登壇してきました。
SES事業の中にいるITエンジニア、そして組織に対するLTを2本立てで行いました。

その資料を作成する中で、自分が「本当にやりたい仕事」に改めて気付かされました。

しかしながら、「仕事」として行うには実績が全て
組織の財産である、人と金を、そんな海千山千のモノに預けることはできません。
「そんなにやりたきゃ、自分で会社起こしてやればいいじゃん」になる訳です。
残念ながら、そんな金も人脈もない訳で……。

ということで、今の白栁には、それを成す為の諸々が圧倒的に足りないことを、改めて思い知らされるのでした。


プロは仕事を選ばない、は間違い

世間では「プロなら仕事を選ぶな」的な論を見かけます。
確かに、どこにチャンスが転がっているか判りません。
選り好みせずに仕事をこなして、経験や人脈を広げ、新しいチャンスを広げていく。
仕事をする上では、こういう事も必要でしょう。

フリーランスエンジニアを3年やってみて、この考えが間違いだったと痛感しました。
今は「プロであるからこそ仕事を選ぶ」というスタンスです。
今回は、その理由をお話していきます。

実は、冒頭の小話も関連しています。


プロの仕事 = 成功させる

仕事を請ける上で、絶対に守らなければいけないことがあります。
それは、「請けた仕事を成功させる」ということです。
もう少しマイルドにすると「請けた仕事を失敗しない」です。

もちろん、世の中に「絶対の成功」という指標はありません。
ですが、システム開発においては「絶対の失敗」があります。
その代表例が「システムが納品できない」です。

成功に関してはビジネスの都合もありますから、システムだけでは判断できません。
しかし、前提となるシステムがないことは、明らかな失敗です。

客のビジネスを成功させる為に活動するから、報酬が貰える。
システム開発とは、そういうビジネスです。
その自分のビジネスを成功させることが、【プロの仕事】なのです。

その為には、自分ができることの見極めが重要です。
どんな開発環境であれば、開発ができるのか。
どれだけ期間があれば、要求仕様が実装できるか。
様々な条件を加味して、ビジネスが成功できるのか。
少なくとも、明確な失敗要因を排除できるのか?
これが、【仕事】なのです。

もちろん、完璧な未来予知などできません。
先にも書いた通り「明確な失敗要因の排除」こそが重要なのです。

そして、それができないのであれば、キッパリ断る。
これこそが【プロの仕事】なのです。


チャレンジしない ≠ 失敗しない

往々にして「チャレンジ」には不確定要素が多く含まれます。
通常時より先が見通すことが困難だから「チャレンジ」と呼ぶのです。

しかし、「失敗しない」為に「チャレンジをしない」は間違いです。
チャレンジをしないということは、新しいことをしない、ということにも繋がります。
日進月歩の情報消費社会で、新しい技術にチャレンジせず、枯れた技術だけでビジネスが継続できるでしょうか?
その答えは、半分「イエス」であり半分「ノー」です。

2022年現在でも汎用機・COBOLの扱える技術者の需要があります。
このことから、過去の技術でも仕事が途絶えることはない、と言えるかもしれません。
それが将来性があるのか?継続的なビジネスができるのか?十分な収入になるのか?
様々な要素を重ねた時に、ビジネスとして成立し続けるかは、明言できません。
もちろん、できないとも言えないわけですが。

ですから、どこかでチャレンジは必要となります。
チャレンジする時は、失敗のダメージを極力減らすことを行います。
もちろん、失敗しないように2重3重の対策をした上で、です。

失敗は、明らかな損失です。
貴重な資源を消費して、何も得られないということです。
それは、金銭だったり時間だったり人材だったりします。
信用も失うものの中にに入るでしょう。

そうした損失のダメージを、極力減らせる様にした上で「チャレンジ」をするわけです。
逆に言えば、その目処が立たないのに「チャレンジ」をするのは、単なる博打です。
趣味での博打は個人の嗜好ですが、ビジネスでの博打はただの狂気です。

なんだかんだと御託は並べましたが、チャレンジが少ないほうが良いのは確かです。
「神はサイコロを振らない」のですから。


大体の人が「プロ未満」

ここまで偉そうに話していますが、白栁自信も「プロの仕事」ができていません。
今回の教訓の多くが、過去に自身への過信から起こした失敗談を下敷きにしています。

人間、失敗しないと学ぶことができないのも事実です。
ですから、慎重に選んで失敗しに行く必要はあります。
しかし、それ以外の失敗要因は、極力排除スべきです。

ですが、この失敗要因の排除がとても難しいのです。
人間、自分の思う通りに世の中を動かすことはできません。
しがらみだったり、責任範囲だったり、役職だったり、と様々な要素が邪魔をします。

失敗要因が多く見えているにも関わらず、なぁなぁで請けてしまう。
そして、案の定失敗して責任を押し付けられる。
これが白栁のリアルです。

そういう事柄を上手く解決できる交渉能力は、また別の才能です。
そして、白栁にはそっち方面の才能・資質は余り高くないようです。

周りのITエンジニアを見ていても、交渉能力に長けた人は見られません。
プロとして、この交渉能力をどの様に解決していくのか、多くの人が悩んでいます。
この解決こそが、次の課題なのでしょう。

以上!

Comment(6)

コメント

匿名

2022年現在でもC汎用機・OBOLの扱える技術者の需要があります
⇒2022年現在でも汎用機・COBOLの扱える技術者の需要があります
ですかね。

すぎエモン

ある会社でのやり取りです。
営業『どんどん新しい事にチャレンジして会社の引き出し広げていかなきゃダメだろ!』
SE「失敗した時の責任はこっちが背負うんだよ!無責任なこと言うな!」
営業『プロなら仕事を選んでんじゃねーよ!』
SE「プロであるからこそ仕事を選ぶんだよ!」
営業『顧客の要求を断るとか、オマエそれでもプロかよ!』
SE「できないのであれば、キッパリ断ることがプロなんだよ」
こんなやり取りが何度繰り返された事か…

おたみ

私の周りにはチャレンジすれば「必ず」成功するといった勘違いをしている方が散見されます。。。

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