ITエンジニアが最優先すべきは「効率」だ
本音が語れるエンジニア参加型メディア「@IT自分戦略研究所 エンジニアライフ」。日々、ITエンジニアの「生の声」を公開している。
ここでは、編集部がおすすめするコラムを紹介しよう。今回は、ITコンサルタントが考える「帰納法『のようなもの』」に関する考察、エンジニアが語る「ITコンサルタントとの付き合い方」、技術者社長が考える「ITエンジニアが最優先すべきもの」の3本を紹介する。
- 帰納法『のようなもの』講座(2)
- 『ITコンサルタント』と付き合う その1
- ドラマ「JIN -仁-」を見て、IT技術者ってなんでしょう?
納得できない帰納法の例
ITコンサルタントの林浩一氏による『ITコンサルタント宣言!』。今回は「帰納法『のようなもの』講座」の第2回だ。
前回、次のような論理展開が納得できるかどうか、投票を行った。
- 「フランスの戦車がポーランド国境にいる」
- 「ドイツの戦車がポーランド国境にいる」
- 「ロシアの戦車がポーランド国境にいる」
よって - 「ポーランドが戦車によって侵略されようとしている」
結果は、投票した読者の約85%が「納得できない」というものだった。この説明は、多くのコンサルタントがバイブルに挙げる『考える技術・書く技術――問題解決力を伸ばすピラミッド原則』の中で、帰納的理由付けの例として扱われている。では、読者の多くが間違っているのだろうか。やはりITエンジニアにロジカルシンキングはできないのか?
林氏の答えは「No」だ。林氏自身、この説明を帰納法の例としてとらえるには抵抗があるという。考えるべきポイントは2つ。なぜ多くの人が納得できないのか。そして、本当にこれが「帰納的理由付け」なのか、ということだ。
ITコンサルタントとどう付き合うか
中堅エンジニアの憲正良和氏による『わが身は自分で守れ!』。今回、筆者は「自分の身を守る上で、ITコンサルタントの実態を理解しておくことが重要」と主張する。
筆者は、「お客さまから見れば、ITコンサルタントとシステムエンジニアのそれぞれの作業について、一概に違うことをしているようには見えないのではないか」と考えている。だが、ITコンサルタントの単価はプログラマの数倍である。だからこそ、「まともなコンサルタントかどうか、成果物を見てきちんと判断するべき」なのだという。
ITエンジニアが最優先すべきは「効率」だ
ジーワンシステム 代表取締役の生島勘富氏による『ベンチャー社長で技術者で』。医者の「注射器使いまわし」から考える「ITエンジニアのありかた」について、生島氏は持論を述べる。
「注射器の使いまわし」は、感染症拡大の原因になるということが分かるまで、医療の現場で普通に行われていた。だから、かつて注射器を使いまわしていた医者を責めるのは間違いだ。だが、感染症拡大の原因になると分かったあとも続けていたとしたら、それは問題である。医者は「医療技術の専門家」であり、「患者の健康と命を守るために存在する」からだ。
ITエンジニアはどうだろうか。「IT技術の専門家」であり、「顧客の業務を効率的にするために存在する」のだと生島氏は主張する。つまり、ITエンジニアが最重視すべきは「効率」である。
これまで生島氏は1年間、SQLの「効率性の高さ」を主張してきた。SQLにこだわっているのではなく、効率にこだわっているのだ。だが、さまざまな反論はあっても、「こうすればSQLより効率的」という反論はなかったと生島氏は嘆く。ほかの理由で効率を犠牲にするのなら、それは「理由をつけて注射器を使いまわす医者と同じではないか」と生島氏は語る。
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