諸々の経歴を経て現在某ITベンダに所属。皆様と程よいITエンジニアライフを目指し、本コラムで情報共有をしたいと思います。

第3回目:『ITコンサルタント』と付き合う その1

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■はじめに

 こんにちわ、憲正です。みなさまITエンジニアライフをいかがお過ごしでしょうか?

 一応、コラムの主題は『わが身は自分で守れ!』ですので、僕のささやかな経験を踏まえて、徒然なるままに皆様にささやかながら情報共有をさせていただければと考えております。

 今回は第3回目ということで、僕自身の経験を踏まえて『コンサルタント』という職種について『SE』の視点から執筆させて頂こうと思います。前回まで病気に関係するモノでしたので、180度方向転換です。しかし、彼らの実体について理解しておくことは、自分の身を守るうえで非常に重要です。

 『コンサルタント』屋さんは上流工程を担当する事が非常に多いので、彼らの手腕にプロジェクトの後工程がかかっています。ですから『SE』や『プログラマ』にとっても非常に重要な方々なのです。既に他のコラムニストの方が既出した情報や至らない点があれば、ご容赦の程よろしくお願いいたします。

■コンサル会社の社風について

 僕自身が一時コンサルティング会社に在籍した経験があるので、現在所属しているITベンダとの社風の違いに驚かされることが多々ありました。コンサルタントといっても、いろいろな人達の集まりです。そのコンサルタント会社は非常にプロジェクト間の情報連携を重視していました。コンサルタントというと他人を蹴り落として自分が上を目指す人々の集まりだと思っていたので、非常に驚きました。おそらく僕の在籍した部署のトップがITに関わる会社における人間の横のつながりを重視する方だったということでしょう(ちなみに部署によってコンサルティング内容も異なります)。

 共有する情報といっても、テクニカルなモノからプロジェクトの運営方法に至るまで多岐にわたっていました。今所属している僕の会社でも見習うべき所だと思います。これは、おそらくその会社のトップ集団がコンサルタントという職種自体『個人』に依存している事を十分に理解しているからだと思います。

 加えて比較的新しいノートPCを1人に1台配布し、席は自由、メールから工数管理までインターネットの最新の技術を自社の業務環境に取り入れているところに感動しました。

 僕の現在のITベンダは経費削減のあおりと半ばやり過ぎのセキュリティ対策のためとてもITベンダといえない泥臭い状態になっています(苦笑)。そもそもこのインターネット社会において、本社など東京にある必要性はないと思うのですが、皆さんはいかが思われますでしょうか?

 そして自分の所属するプロジェクトは社内で自分で探すという形式をとっている会社が多いようです。優秀な人は引く手あまただけれど、そうでない人は苦労します。そして会社に居場所がなくなり……、というケースもあるようです。弱肉強食ですね。

■コンサルタントについて

 ところでコンサルタントという人はどういう人がいるのでしょうか?

 実際、僕の友人にITベンダからコンサルタント会社に転職した非常に優秀な奴もいるのですが、まあ実体はピンキリですね。これはどこの会社にしても同じかもしれません。しかし基本的に標準単金は非常に高いというのがお客様からの感想でした(苦笑)

 単金というのには基本的には1人月あたりお客様から頂戴するお代のことですが、コンサルタントのそれはプログラマの3倍、4倍は当たり前、高い人は10倍以上です。では何ができるのかというと、昨今はERPパッケージのパラメータ設定しかできないという方々もコンサルタントを名乗っている場合が多いので、SEと何が違うのか僕自身は不思議に思います。お客様目線で見た場合、SEと一概にやっている作業内容について仕切りをたてることが難しいというのが実体だと思います。ERPについての僕自身の見解は別の機会に譲りますが、僕が知人に聞いた噂では……都市伝説ですね(笑)、ある会社はその規模に見合わないERPパッケージの構築PJに手を出したために、会社が傾いたそうです。

 原因はプロジェクトに高額のコンサルタントをたくさん雇ってしまったからだそうです。その中には明らかにプログラマらしき中国人の方も混じっていたという、半分笑えない都市伝説的噂です(苦笑)。

■幸せなプロジェクトにするために

 前述しましたように、プロジェクトにもよりますが、コンサルタントとSEの作業内容は実際大差がないケースも少なくありません。コンサルタントを名乗るのは自由なのです。ですから、お客様におかれましてはプロジェクトにおいてコンサルタントという肩書きの人々に仕事を依頼する際には、きっちりとした成果物を契約時に定めておく必要があるでしょう。

 ひどい会社では上流工程をグダグダにして、そのまま何の成果物も残さずトンズラするケースも少なくありません。これは上流工程を担当するSEでも同じですが、単金を踏まえると割に合わない感は否めません。

 もし上流工程でまともな成果物を残し、その後のプロジェクトのアフターケアまでしっかりしてくれるコンサルタントに巡り会ったなら、そのお客様はハッピーです。そしてそのプロジェクトに参画しているSEやプログラマもハッピーです。そのプロジェクトは円満に完了するでしょう(多分)。

  しかし、実体は金の切れ目が縁の切れ目です。

■終わりに

 まともなコンサルタントかどうかは、成果物を見れば分かります。成果物をきちんと版数管理しているかどうか1つの試金石です。お客様のコンサルタントは大丈夫ですか?

 プロジェクトの後工程におけるSEやプログラマのデスマーチを回避する意味でもコンサルタントの責任は非常に重要だと僕は思います。契約を交わすときはよく注意したほうがよろしいかと思います。無理してその会社と契約する必要はないのですから。

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