諸々の経歴を経て現在某ITベンダに所属。皆様と程よいITエンジニアライフを目指し、本コラムで情報共有をしたいと思います。

第1回目:病院へ行こう!

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■はじめに

 こんにちわ、憲正です。みなさま、ITエンジニアライフをいかがお過ごしでしょうか?

 僕は本稿執筆時点ですでに7年目のITエンジニアです。会社の中では若手から中堅のポジションに変わりつつあります(いつまで若手扱いなのだろう?)。

 大手ITベンダに入社以後、転勤して客先に数年常駐して、システムのスクラッチ開発プロジェクトを担当し、保守・運用業務等も担当しました。その後、転職活動を経てコンサルティング会社に一時在籍し、再びITベンダに戻りました。その間、体調を崩し一時期休職したものの現在は、無事復職を果たし、某プロジェクトをと担当するという波瀾万丈の社会人生活の謳歌(?)を進行中です。

 僕のコラムのコンセプト『わが身は自分で守れ!』という話を軸に、僕のささやかな経験を踏まえて、徒然なるままに皆様と情報共有をさせて頂ければと考えております。至らない点はご容赦の程お願い申し上げます。

■躁鬱について

 さて、1回目の題材ですが、『躁鬱』についてなどいかがでしょうか?

 ITエンジニアの職場では心の病で病欠や休職をされる方が決して少ないと思います。

 僕自身は専門医ではないので、僕の実体験以上の話をすることはできませんが、『鬱病』と診断されても実際には『鬱病』ではないケースがあるそうです。実は僕自身が『躁鬱』で現在も薬を服用しています(薬の服用をしていれば再発は予防可能です)。

 僕が経験した病気の特徴としまして、調子の良いときは空も飛べんばかりの勢いがありました。実際僕は当時担当していたPJにおいて1人で2カ月弱の間に、250ページ近い機能設計書を書き上げました。もちろん内容が伴っていなければ意味はないわけですが、それなりに内容はあったと自負しております(笑)。他のプロジェクトも兼務しながらお客様との対応もしつつでしたので、今の僕にあのパフォーマンスを要求されても無理です。

 逆に調子の悪いときはほとんど仕事になりませんでした。もう体がほとんど動かないような状況、で人と接することも苦痛な状況でした。とはいえ、僕が抜けるとプロジェクトは頓挫してしまうので、無理を押して業務を遂行しました。結果として体調を崩してプロジェクトのキリの良いところで病欠に至ってしまいました。

 実は『躁鬱』は心の病ではなくどちらかといえば体の病で、リチウム等の薬物療法によって治療可能な病気らしいのですが、専門の医師であっても、体調の悪い患者の様子だけを見て判断すると『鬱病』と診断を下すことがあるそうです。これは専門医でなければ分かりません。

 難儀な事に『躁』状態にある時は自分が調子が良い感じ、フルパワーで働く事ができるので、とてつもないパフォーマンスを発揮します。しかしその反動で『鬱』になるとまったく体が動きません。酷い『鬱』状態になってしまいます。こうなると戦闘能力ゼロです。まるで某少年漫画のフ○ーザ様のようです(苦笑)。本当に笑いごとではないのですが。

■病院へ行こう!

 心療内科を受診する事に抵抗のある方も多いと思いますが、無理を押して業務を遂行して結果として人生を『最悪』の形で終える方もいるわけですので、自分のキャリアは取り敢えず横に置いておいてまず体調が悪い場合には迷わずに医療機関に頼ることをおすすめいたします。しかるべき薬を服用することによって状況が改善する場合もあるかと思います。

 世間体も大事ですが、思っているほど世間はあなたを見ていませんよ。

 きれいごとですが、『命』が一番大事です。

 会社の健康診断を受けていれば十分だと思う方もいるかもしれませんが、大きな間違いです。ちなみに僕は会社の健康診断の問診時に体調不良を訴えたのですが、驚くなかれ、問診者は『市販のサプリメントを飲んでみてはいかがですか?』と回答しました。どおりでこの会社は心の病などで病欠や休職をする人間が後を絶たないわけです。まあ、会社の健康診断はその程度のものだと考えておいた方がよろしいかと思います。

 結局、体調が悪い時にどう行動するかは本人に次第です。

■悩んでいる人へ

 もし、どうにもならないと思ったら少し休みましょう。 昨今の不況でもIT業界は人が不足しています。周囲を見てください。暇そうにしている人もいるとは思いますが(苦笑)、もしあなたが体調不良や精神的に疲弊するほどに働いていたなら、仮に病欠して戻ってきても居場所は間違いなくあります。たとえその会社に居場所がなくても、他の会社に居場所はあります。もしそんなあなたを批判する輩がいたらエンガチョしましょう。できるかどうか分かりませんが、そういう人間関係は清算した方がよいでしょう。

 それが上司だったら……部署異動を検討しましょう。

 それが社長だったら……転職しましょう

■終わりに

 そんなわけで第1回目の『わが身は自分で守れ!』です。降りかかってくる火の粉をかわすことができないのがこの業界の悲し宿命ですが、それで自分の心が参ってしまったら早いうちに『心療内科』に通いましょう。お腹の調子が悪ければ『内科』へ通いましょう。体が悲鳴をあげたら『整体』に通いましょう。『健康診断』はきちんと受けましょう。

 自分の体の保守運用もITエンジニアの大事な仕事の1つだと思います。特に家族のいる方は家族というシステムの保守・運用もしなくてはないけないのですから。皆さんお互い切磋琢磨しながら程よくやっていきましょう。

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