「英語で『仕事を』する」フェーズ(その6)ITの力で英作文力を向上させる
今回は、「英語で『仕事を』する」フェーズ(その6)として、ITを活用して英作文力の向上させる方法を取り上げます。例によって、記事で「仕事」とあるところは「仕事または趣味」と思ってお読みください。また、仕事では腰を据えて取り組むので、本コラムで取り上げているガジェットだけではなく、PC、Mac、タブレットも活用します。
■英文をきちんと書けることの重要性
業務の成果は、言うまでもなくアウトプットすることです。どれだけ付加価値を生み出したとしても、きちんとアウトプットしないことには意味がありません。したがって、文章力は非常に重要だと考えます。
業務で文章を作成する場合には、合意形成とくに契約では慎重の上にも慎重を期す必要があります。これは言語によらないので、日本語の場合でも同じですが、母語でない英語についてはとくに注意が必要です。
英文の契約書を扱う場合には、中途半端な自信はマイナスだと思います。かく言う筆者自信、ある程度英文が書けるようになってから文章の見直しが不十分になることがあって、自戒の念も込めて、ここで申し上げておきます。
■「通じるだろう」はNGだが...
「これで通じるだろう」と安易に考えることは慎まなくてはなりません。論文や契約書のような公式文書を書く際には、入念なチェックが必要です。
とは言っても、自分が書いた文章をチェックするのは簡単ではありません。書いているうちにだんだん無感覚になってくるので、客観的に見ることが難しいからです。母語(mother tongue)でさえそうなのですから、第二言語(second language)はもっと大変です。作文能力に限りがあるからです。
英作文の力を磨くには第三者にチェックしてもらうのが一番なのですが、能力があって時間を割いてもらえる人はなかなかいないと思います。
■Gingerを利用する
そこでITの出番です。評判のよい英文法チェッカーはいくつかありますが、筆者はGingerをお勧めします。
*2014 Best Online Grammar Checker Reviews and Comparisons
ITmediaニュースでも、昨年4月に取り上げられています。
*「もう前置詞に迷わない」──「ネイティブレベル」の英語が書ける英文チェッカー「Ginger」日本上陸
現在は、GingerのWebサイトで文法チェック(Grammar Checker)と書き換え(Sentence Rephraser)の機能が利用できます。
■Language Exchangeは有効か?
第二言語を学ぶ場合、Language Exchangeも選択肢のひとつです。これは、たとえば、英語を学びたい日本人と、日本語を学びたい外国人がお互いに教え合うということです。
2006年か2007年だったと思いますが、筆者もオンラインのLanguage Exchangeを少し試したことがあります。結論から言うと、オンラインのLanguage Exchangeで学ぶのは、なかなか難しいと思いました。
■Lang-8の利用は目的次第
読者の中には、もう利用されている方もいらっしゃるかもしれませんが、Lang-8という語学学習のサービスがあります。これは、第二言語で書いた文章を提示して、母語とする人の添削を受けるというものです。ビジネスモデルとしてはフリーミアムで、プレミアムを払うと投稿が優先的に表示され、添削を受けやすくなります。
Lang-8も少し試したことがあるのですが、質問者の意図を汲み取りづらく、的確な添削はなかなか難しいと考えています。何ラウンドかやり取りが起きるような場合には、時間がかなりかかると思います。趣味的なことであればよいかもしれませんが、業務で利用するのは厳しいことが多いでしょう。内容もストレートに書けないことが普通でしょうし。
■最も希少な資源を意識する
筆者は「最も希少な資源は時間である」とよく申し上げています。業務であれば納期の縛りがあり、自ずと時間の制約が出てくるので、翻訳サービスなどを頼むことも考えられた方がいいかもしれません。