iPod touch愛ー学習用にひとつガジェットをもつなら、これがイチ押し!
1月に行った公開講座「海外経験なしでTOEIC950&通訳案内士 ガジェットを活用した英語学習法」では、「英語学習用にひとつだけガジェットを選ぶならiPhone、ガラケー派とAndroidスマホユーザにはiPod touchがお奨め」とお話ししました(本記事の末尾に公開講座の告知がありますので、よろしければご覧ください)。
筆者は、昨年11月にiPhone 4S(16 GB)の回線を解約してから、端末を「ちょっと大きいiPod touch」のように使用してきました。
これはこれでよかったのですが、iPhone 4Sはすでに2世代前の機種なので、3月末にiPod touch(32 GB)を購入しました。
※TIPS:機内モードにすることで、基地局を探してバッテリーを異常に消費することがなくなります。機内モードでも、Wi-Fiをオンにできます。
■(iPhone)ー(電話機能)=(iPod touch)
回線を解約してからはiPhone 4Sを言わば「なんちゃってiPod touch」として使ってきた訳ですが、もとをただせばiPod touchは電話機能を省いたiPhoneです。電話を使わないiPhoneは、正しくiPod touchなのでした。
余談ですが、iPhoneが発売された2007年6月30日、筆者はめったにない海外出張で、たまたまサンフランシスコにいました。写真は、アップルストアに並ぶ人たちの列です。あとから知ったことですが、この中にはアップル共同創業者のスティーブ・ウォズニアックもいたのだそうです。
2007年6月30日 サンフランシスコにて(右端が筆者)
その後、筆者は家人のために初代iPod touchを買いましたが、自分用のiPod touchは今回初めて買いました。
左から、ARROWS X F-02E、iPod touch、iPhone 4S
iPod touchとiPhone 4Sの背面
■語学学習用には32 GB以上のモデルがお奨め
iPhone 5ではSとCで機能に差をつけているように、iPod touchも16 GBモデルと32/64 GBモデルで差があります。色とループ(根付け)はまだいいとして、16 GBモデルには背面カメラがないという決定的な違いがあります。
語学学習用としては、辞書をたくさん入れるために32 GB以上のモデルが必須だと思います。音声データを提供している辞書が結構あることやPicture Dictionaryを入れる可能性などを考えると、音楽や写真を入れなかったとしても16 GBモデルでは苦しいでしょう。
実際、筆者のiPod touchは、音楽はあまり入れておらず写真もあまり撮っていないのに、容量27.9 GBのうち使用可能なのは14.7 GBとなっています。差し引き13.2 GB使用している勘定なので、やはり16 GBモデルでは苦しいと思われます。
iPhoneとの比較では、チップに差があるのは販売開始時期から仕方ないとして、バッテリー残量をパーセント表示できないという、なんだかよくわからないデチューンが施されています。
■英語学習用のガジェットとしてのiPod touch
iPod touchを手にした第一印象は、とにかく薄くて軽いということです。厚さは6.1ミリ、重さは88グラムしかありません。iPhone 4Sは、厚さ9.3ミリ、重さ140グラムですから、かなりの違いがあります。
使ってみた印象では、バッテリーがかなり長持ちします。同じ条件で計ったことはありませんが、少なくともiPhone 4Sと遜色ありません。
iPod touchを持ち歩く場合には、当然ながら携帯電話と2台持ちになります。持ち歩くのが面倒になりますが、携帯電話と別になることのメリットもあります。仮にiPad touchのバッテリーが切れたとしても、電話が別にあるので、バッテリーの残量を気にせずに学習を続けることができます。
使いでのあるアプリの数と質がiOSの魅力です。筆者の携帯電話はARROWS X F-02E(Android 4.4)で、タブレットはNexus7(Android 4.4)ですので、これは実体験に基づいた見解です。
ひとつだけ困っているのが、SONY ReaderアプリのiOS版がマンガと雑誌にしか対応していないことです。マーク・ピーターセン氏の「日本人の英語」シリーズ3冊は、Androidでしか読めません。
■カリスマ社長の時間術に学ぶ
すきま時間を活用して学習に充てることについては、これまで何回か取り上げてきました。
筆者は、株式会社武蔵野の小山昇社長の本が好きでよく読んでいます。株式会社武蔵野と小山氏ご自身のIT活用は有名ですが、「絶対に会社を潰さない 社長の時間術」では小山氏の徹底した時間術が詳しく述べられています。
同書を読んでいて、筆者のいうモバイル性が重視されていると思いました。いつでも使えるということが、時間を徹底活用する道具としてのガジェットに求められる必要不可欠な特性です。
それともうひとつ思ったのが、ある程度の数のガジェットを持ち歩くのはやむを得ない、ということでした。小山氏はかなりの数のガジェットを持ち歩いておられます。筆者も、ふだんはARROW X F-02E、iPod touch、Kindle Paper White、Nexus 7の4つを持ち歩いています(電子辞書wordtank c50は、ふだん職場で活用しています)。
ちなみに、学習ではなく物書きをすると決め込んだときなどは、上記の4つに加えてMacBook Airを持っていきます。その場合は、Nexus 7はモバイルルーター、Kindleは参考書、iPod touchは電子辞書として活躍します。
MacBook Airには、スーパー大辞林、ウィズダム英和・和英、New Oxford American Dictionary、Oxford American Writer's Thesaurusが搭載されていますが、筆者が持っているiOSの辞書アプリは、デジタル大辞泉、大辞林、角川類語新辞典、Merriam-Webster Dictionary、Oxford Advanced Learner's Dictionary、Collins COBUILD Advanced Dictionary of American English、ウィズダム英和・和英2、i英辞郎、Dictionary.comと、Macよりさらに充実しています。過去の記事「“technology”と「技術」の違いを言えますか?ーーいい辞書をガジェットで常に持ち歩く!」で述べたように、信頼できる辞書をいつでも参照できることが重要だと思います。
<公開講座のお知らせ>
2014年1月18日に八洲学園大学で行った公開講座「海外経験なしでTOEIC950&通訳案内士 ガジェットを活用した英語学習法」に対してお寄せいただいたコメントを踏まえ、内容を増補した上、2回に分けて公開講座を行います。来校およびインターネット(ライブ、オンデマンド)で受講可能となっています。オンデマンド(録画)の場合は、開講後1カ月は申し込みおよび聴講が可能です。
- ガジェット活用前に押さえる 「ブートストラップ」英語学習法(2014年5月10日)
- 一石二鳥のビヨンドすきま時間! 英語学習におけるガジェット徹底活用法(2014年5月24日)
コメント
そら
中津山先生,先日は講義ありがとうございました。私はこのブログ?のシステムがよく分かっておらず,ここに質問したものが公開されちゃうのかとかすらよく分からないままちょっと講義中質問できなかったことをお尋ねしたいのですがよろしいでしょうか。
1)英語を勉強する,のところで「後ろから練習」する音読法を紹介されていましたが,これは英語だから効果があるということなのでしょうか?語順が英語と異なる韓国語とかの場合はどうなりますか?
2)書く練習にはSNSで記事を書いてみるのがよいと仰られていましたが,まず「日本語併記」がだめな理論的根拠(もしかして講義中に説明されていたかもしれませんが,その場合はすみません)と,添削を特にされなくても書く力は伸びていくものでしょうか?フェイスブックなどに投稿しても,ネイティブはいちいち間違いを指摘はしませんし,有料のライティング講座などを検討したこともありますけどなんとか安くあげられないかと画策しているところです。英語で論文などを書かない限り,それほど添削を受けられる機会って少ないんじゃないかと思います。
3)四つの力の関係については非常に興味深く聞かせて頂きました。これも言語学習一般に言えることなのでしょうか,できれば根拠となる理論や学者さんのお名前などが知りたいです。なぜなら,知人はRがすべてのベースになっているという持論を力説するのですが,彼女は長いこと海外生活をしていたのでその経験からものを言っている面があり,私のような国産品にはどこまで参考になるのか,と思っていたところに中津山先生がWを重視されている(?)ように感じられ,自分もどちらかというと書くところを伸ばしていきたいと思っていたのでもう少し突っ込んで知りたいと思った次第です。
とりあえず質問は以上です。
よろしくお願いします。
中津山 恒
そら様、
受講ならびにご質問いただき、ありがとうございました。
順に回答させていただきます。
1)
全体を均等に話していく練習なので、日本語同様の文法をもつ韓国語などにも有効だと考えています。
2)
日本語併記については、説明し忘れました。申し訳ありません。
和文を最初に書いてしまうと、きちんとした英文になりにくいのが一番の理由です。
英文にしやすいよう和文和訳して和文を書くと、日本語としてこなれた表現になりません。
きちんとした和文と英文を書くのは二度手間以上に労力がかかりますので、英文で書くなら英文だけでしっかり書いた方がよいと思います。
(日英併記で記事を書かれる方は、新聞見出し風のbrokenな英語を書く傾向があるのも気になっています。)
書いてみると、分かっていると思っていたことが実はよく分かっていなかった、と感じることがよくあります。
分かっていなかったことに気づけば、それを学ぶことができますので、書いてみるのはよいことだと思います。
添削については、おっしゃる通りで、間違っていても指摘してもらえることは期待できません。
ひとつのやり方は、翻訳サイトに英文を入れてみて、意図する内容に近い和文になるかどうかを確認することです。もちろん、細かいチェックは期待できませんが。
無料の文法チェックサービスもあるので、そういったものを利用するのも一案だと思います。
http://www.gingersoftware.com/grammarcheck
3)
リーディングがリスニングにも役立つということは、英語耳シリーズの松澤喜好さんなど、いろいろな方がおっしゃっていると思います。松澤さんは、発音できない音は聞き取れないともおっしゃっていて、スピーキングがリスニングに役立つとも主張されています。
私がライティングを重視するのは、付加価値を提供するためです。ただ、原書を読みたい理由でもお話ししましたが、英文を読むことは、たくさんの情報を速やかにインプットするために必要だと思いますので、私も重視しています。
他の方が書かれた、以下のような記事もあります。
http://bizacademy.nikkei.co.jp/language/knowhow/article.aspx?id=MMACb3000025072012
以上、よろしくお願いいたします。