海外経験なしで通訳案内士!ガジェット活用による英語学習法!

モバイル性

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 ここまでのコラムで、筆者が愛用するガジェット(Kindle、ラジオ付きICレコーダー、電子辞書、iPhone)と、その長所をご紹介してきました。

 直接的には書いていませんでしたが、筆者が「モバイル性」と呼ぶ、ガジェットの選択に重視している特性があります。今回は、この「モバイル性」についてご説明します。

■モバイル性

 筆者の言うモバイル性は、以下の特性からなります。

  • 大きさ、重さ
     これはご説明に及ばないと思いますが、持ち歩けることが最重要です。
  • バッテリーのもち
     使いたいときにいつも使えるよう、バッテリーが長時間もつことが重要です。
  • 画面
     バッテリーのもちとも関連しますが、消費電力が大きく、明るいところで見えないバックライト方式よりも、電子ペーパーや従来の液晶が好ましいと考えます。
  • コンテンツ
     どんなに素晴らしい機能を備えていたとしても、コンテンツがなければただの箱です。勉強に必要なコンテンツがあり、しかも必要なだけの量を持ち歩けることが必要です。

 さて、上記の特性を重視するのは、やる気を削がないためです。せっかくやろうという気になっても、勉強道具が使えなかったのでは、学習に取り組まない言い訳を自分に与えてしまいます。いつでも使えること、これが上記の四つです。

■モバイル性の比較

 Kindle、ICレコーダー、電子辞書、iPhoneのモバイル性を下表に示します。星が多いほど優れているという評価です。N/Aは、該当なしを意味します。

 大きさ重さバッテリー画面コンテンツ
Kindle Paper White ☆☆☆☆☆ ☆☆ ☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆
ラジオ付きICレコーダー
(ICR-RS110M)
☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ N/A ☆☆☆☆
電子辞書
(ワードタンクC50)
☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆☆
iPhone ☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ ☆☆ ☆☆ ☆☆☆☆☆

バッテリーのもち

 バッテリーについては、少し解説がいると思います。ラジオ付きICレコーダーと電子辞書は、もともとかなり電池がもちます。さらに、予期せずバッテリーが切れた場合には、乾電池を入れればすぐに使えます。

 iPhoneはバッテリーに関しては不利です。長電話すると、バッテリーがかなり減ってしまいますし、いざ切れたときには乾電池を買ってきて入れ替えるというわけにもいきません(モバイルバッテリーを接続すると使い勝手がかなり悪くなるため、ここでは除外して考えています。)

 iPod機能やゲームなど、iPhoneならではの楽しみがありますから、学習しようと思ったらバッテリーがなかった、ということは往々にして起きます。

画面

 Kindleにはバックライトがありますので、例えば飛行機で移動中の暗い機内でも本を読むことができます(Kindle Keyboardにはバックライトがありませんので、これを使っていたときには、筆者はライト付きのカバーをつけていました)。電子辞書(ワードタンクC50)はライトがないため、暗がりで使えない分はマイナスです。

 ただ、より重視すべきだと思っているのは、明るいところで読めることです。Kindle Paper Whiteは電子ペーパーなので、たとえ太陽の下でも読むことができます。 直射日光の下での読書は目に悪いので、進んでやることはないのですが、電車に乗っているときなどは思いがけず日光が差し込むことがあるため、これはポイントが高いと思います。

コンテンツ

 コンテンツは、辞書以外はそれ自体に備わっているものではありませんが、必要なものをどれだけ入れられるかで評価しました。

■すきま時間の活用

 モバイル性に筆者がこだわるのは、すきま時間を活用するためです。

 社会人がまとまった時間を学習にあてるのはそう簡単なことではありません。誰しも1日は24時間しかありませんし、寝る時間を削ったのでは毎日続けることはできません。

 では、どうするか。筆者が着目するのが、すきま時間です。

 まずは、昼休みを有効活用すれば時間を捻出できます。弁当をもっていけば、昼休みはかなり学習に当てられます。

 次に目をつけるのは、通勤時間です。電車やバスに乗っている時間は、居眠りを決め込まなければ学習に当てられます。さらに、歩いている時間も利用できます。シャドーイングを含めた聴く学習だけでなく、歩いているときに見聞きしたことを英語で説明しようとすれば、表現の練習になります。

 筆者の場合、平日でも家事を分担していますが、これも学習に充てることができます。徒歩でやっている要領で、家事をしながら学習すればよいのです。

 さて、いずれのケースであっても、簡単に持ち運びでき、どこでも使える道具が必要です。そう、その道具がガジェットで、ガジェットの使い出にかかわるのがモバイル性という訳です。

■学習の敷居を下げる

 モバイル性が重要なのは、学習の敷居を下げるためです。

 せっかく学習しようと思っても、実行に困難が伴うなら、そこでやる気が削がれてしまいます。その困難さを取り除き、「嫌だな。やりたくないな」と思わないですむようにしてしまえば、すんなりと学習に取り組むことができます。

 何事もそうですが、まずは段取りが重要です。

 すきま時間を活用するには、学習道具を持ち歩いている必要があります。しかし、たくさんの用具が必要なのでは用意が大変ですし、かさばって重い荷物を持ち歩くのは嫌でしょう。そう思うと、用意をするのがおっくうになったり、せっかく用意をしても「重いから、やっぱり持っていくのはやめよう」などとなりがちです。

 さらに、ここまでの心理的な障壁を乗り越えても、いざ使おうという段になってバッテリーが切れていたり、直射日光が当って画面が見えなかったりしたのでは、学習に取り組むことができません。

 そんなことが続いてしまうと、「すきま時間の活用なんてできない。やっぱり腰を据えて取り組まないとだめだ」などと考え、振り出しに戻ってしまいかねません。

 そのために重視しているのが、モバイル性というわけです。いつも持ち歩くために、軽く、小さく、コンテンツが充実していることが必要です。そして、いつも使えるためには、画面とバッテリーが必要です。

 コンスタントに学習に取り組むために必要なのは、気合でも根性でもなく、こうした細かい工夫の積み重ねだと思います。

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